海辺のカフカ
*ネタバレあります
村上春樹さんの「海辺のカフカ」を読みました
このお話には二人の主人公の視点から描かれています
一人は15歳の少年の田辺カフカ君
カフカ君は父親に「お前は生まれた瞬間に生き別れになった姉と母をその手で犯す事になるだろう」と予言されます
それで、どこか遠くに行きたいと思ったカフカ君は東京から四国に行き、そこで偶然行き着いた図書館に住まわせてもらえる事になりました
そしてもう一人の主人公がナカタさんというおじいちゃんです
ナカタさんは知的障害があり、字が読めません
その代わり、猫と喋れたり、空からアジを降らせたり特殊能力が使えます
東京に住んでるナカタさんも何かのお告げで四国に向かいます
そこで二人の人生が交わっていくような行かないようなそんなお話です
面白かった、長かったけど
ナカタさんとホシノ君の関係が好き、ホシノ君なんだかんだ優しいし、「ナカタさんと一緒にいるうちに世界の見方が変わってきた」って言ってたけど、音楽にハマったり、教養がついて、世界の楽しみ方が増えたって感じがいい
村上春樹さんってパラレルワールド的なとこないですか
1Q84もそうだったし
カフカ君は別の世界では、佐伯さんの恋人だったんじゃないかな
なんか別の世界で佐伯さんと肩を寄せ合いながら、海を見ていたみたいな描写があった気がする
ナカタさんも本当は字が読めて、普通の人生が送れているナカタもいたんですって言ってたし
これ読んでたら、なんかストイックな気持ちになれる
描写が綺麗だし、丁寧な暮らしをしてるって感じ
食べ物も美味しそうだし、カフカ君も筋トレで体を鍛えたりして自分を追い込んだり、ナカタさんも欲がなくて善く生きてるって感じ
甲村記念図書館って実際にあると思ってて調べたけど、村上春樹さんの空想上の図書館だった。
村上春樹さんは性描写を小説にふんだんに取り入れることで有名ですが、しかも生々しい
それで、なんで村上春樹さんは性描写を入れてくるんだろうって前から考えてるんですがわかりません
性描写がただ単に好きとかそういう事じゃなくて、何か文学的な意味があると思うんだけど
おおーって思った言葉
「大昔の神話世界には3種類の人間がいた。昔の世界は男と女ではなく、男男と男女と女女によって成立していた。つまり今の二人分の素材で一人の人間ができていたんだ。ところが、神様が刃物を使って全員を半分に割ってしまった。その結果、世の中は男と女だけになり、人々はあるべき残りの半身を求めて、右往左往しながら人生を送るようになった。だから一人で生きるということはとても難しいことなんだよ」
「思い出はあなたの体の内側を温めてくれます。ですが、それと同時にあなたの体の内側を激しく切り裂いていきます」
「起こってしまったことというのは、粉々に割れてしまったお皿と同じだ。どんなに手を尽くしてもそれは元通りにはならない。」
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