第六章の補足

架空の国なので、現実と混同することはないかと思いますが、メルバンカのルールが厳しいことには、住民にメリットがあるように設定しています。
違反者は重罪、死罪も有り得ると周囲から思われていますが、実際に命を奪うことは少なく、メルバンカの人にとっては血族を絶やさないことが最も大切なので、同郷の民を意図的に殺害する以外の罪は、追放が基本です。
仮に追放にあったとしても、同郷の人間が苦しんでいようものなら、知り合いでなくとも駆け付けて、ありとあらゆる力を駆使して助ける文化はあります。
「従わないなら群れを出ていけ」と「マイルールで生きたいなら自分で群れを作れ」の国です。
人間の理想像や集団への従属の方法が、ルールで決まって、システム化されている感じですね。

それなので、ルール追従の国メルバンカの生きやすさも、個人の自由の国スフィリットの生きづらさも、どちらもあるものだと、レモーノは話しています。
選択肢が少ないことも、ルールが厳しいことも、自分で決めるのが前提であることも、個人の選択次第で、吉にも凶にもなり得るわけです。
「こういう特徴がある国には、こういう特徴がある人にはメリット/デメリットになる」という設定があるにはありますが、どこの国が良いか悪いかを書く目的は、私にはありません。
言うまでもなく、現実に存在する国家や政治を評価したり、批判したりする目的もありません。
批判するときは、名指しでします。

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