この想いをどう言葉にしていいかわからない3
おはようっ!おやすみなさいっ!小さい[っ]をつければ絵文字もうまく使えないわたしの文章力でも少しは可愛くなるのだろうかと。必ずわたしから。
返事はそっけないものだった。会話はいつの間にか既読で終わってそれでも私は毎日その二言を送った。
それで良かったと思えたのは数日だけだった。メッセージ、電話、連絡の全てがわたし発信のものでその内容もわたしから振ったものばかりで楽しくないのだ。
楽しくないと思うのは彼以外の部分での私生活がうまく行ってないことも要因としてあるのはわかっていた。でもその悩みすら彼には打ち明けられない。上手くいきそうだと電話越しに聞こえる声で読み取って助けに来てくれたらと叶わない救いすら求めてしまうほどに。
けれども彼は変わらずに「寂しくはないかな」と言う。
それが年上のなんかよくわからないあれなら今すぐやめてほしい。それかこの人は女心というものを何もわかっていないのか?と思う。まあでもわたしも男心というやつがわからないからお互い様なのかな。
そんなこっちの気持ちも知らず、彼は「模様替えしたんだ、ルームツアー」と言って部屋を紹介してくれた。もう少しだけ懐かしいその部屋には新しいカーテンと植物が追加されていた。
そろそろ切ろうかというタイミングで「何か言ってほしいです」と私が言う。彼は「なにかってなに?」と困ってしまって考えていたが、わたしはさすがにわかるだろと思ってしまったのでもう一度同じ言葉を呟いた。
「なにかってなんだろ?好きとか言ってほしいの?」
…なんだろう
確かに欲しかった言葉はきっとそれなはずなのに
この気持ちをどう処理していいかわからず「もう大丈夫です」と言ってそそくさと電話を切った。
続く
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