貴方へ

考えると心配で胸がギュッとなってしまう
そんな彼女が私は今も昔も変わらず好き

15年一緒に暮らしてきた
基本なんでも分かる
傷の舐めあいすら今振り返ると愛おしい
喧嘩も数えきれないほどしてきた
その度何度も仲直りして
小さな約束を重ねた

だから

これからもそんな変わらない日々が穏やかに続くのかなって勝手に思い込んでいた

でも彼女は知らないうちに大人になっていった
隠し事は増えスマホを見る時間が長くなっていた
興味を示すもの好きなものは大幅に変わって
私とは正反対の性格になった

彼女はネットの世界に潜り込んで心の内の言葉を吐いていた
私がそれを知ったころには彼女はボロボロの状態だった
心も体も
どんな言葉をかけても今にも消えてしまいそうで怖かった

そんな彼女はネットで頼れる人を見つけてお付き合いをしはじめて落ち着いた
彼女はその人の為に生きている
細い糸で繋がれただけ
どんどん思考も変わってきた
いつか消えちゃうんじゃないかって不安

彼女の頼れるところが彼じゃなく私だったら良かったのにって何度も思う
私が居場所を作ってあげられなくてごめんね
そしたら彼女が自分の為に生きられたのかな
前を向けたのかな なんてずっと考えた

彼と出会って欲しくなかった訳ではない
ちゃんと今彼女が生きれてるのは彼のおかげだろうし幸せにさせてあげてるのも彼だろうなと分かってる

1番不安なのは
その彼がいなくなった時、次彼女が消えかけるその時に
もう救える自信がなくてさ。

親の信用を失ってしまったりして彼女自身も不安だろうし孤独かもしれない
だから、ほんの少しでいいから頼って欲しい
怒らないし責めないから
次はちゃんと守るから

私のところにも貴方の居場所はあるんだよ
消えたくなったら一緒に消えてあげる

貴方は1人じゃないよ

たった一人の貴方の姉より