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【Misi】 「パスタの女王」の異名をとる女性シェフによる、 ブルックリンの人気店のパスタとは?!


こんにちは。

ニューヨークといえばピザですが、それより私は断然パスタ派。
美味しいパスタに目がない私が、先週やっと重い腰を上げて訪れたレストランがあります。徒歩圏内にあるも関わらず、高そう・・・と思ってずっと訪問を見送っていた、なかなか予約の取れない人気レストランの名は「Misi(ミシ)」。オーナーシェフのミッシー・ロビンスさんの名(Missyから)を冠したこの店は、こちらも予約が取れない姉妹店の「Lilia(リリア)」に次いで2018年にオープンしました。

お店のスローガンは「#choosepasta(パスタを選ぼう)」というほどパスタに特化したお店で、店内には手打ちパスタのワークショップが併設されています。さてこのミッシーさん、アメリカ料理界の権威でもあるジェームズビアード財団から2018年ニューヨークのベストシェフアワードに輝いた女性シェフで、去年はパスタ本まで出版。「パスタの女王」の異名をとるほどすごいお方なのです。

さて、待ちに待った来店当日にも関わらず、予約時間を完全に間違えて記憶していたうっかり八兵衛の私。当日お店から「今晩はお越しになられますか?」とメッセージをいただき、尻に火がついたように慌てて家を後にしました。幸い自宅から近かったので良かったですが、お店には遅れてしまったことを深く侘びたのでした・・・

到着するとまず受付で名前を告げて席に案内してもらうのですが、グレーに統一された空間がモダンでシャープな印象でした。

日付入りのメニュー


予約したキッチンカウンター席は、調理場が見える特等席。ハイスツールに腰掛けたのですが、バッグ用のフックはあったものの、ジャケットの置き場がなかったので仕方なく膝の上にかけることに。食事中ずり落ちて不便だったので、これくらいハイエンドなお店ならばコートかけくらいあってほしかったなぁ。

メニューは前菜とパスタのみで、なんとも潔い。うちにはヴィーガン旦那がいるため、シェアできる前菜としてイタリアンブロッコリーのグリルを、メインは旦那がポモドーロのメッツェリガトーニ、私は店の看板メニューである羊乳のリコッタが入ったオッキを注文しました。

全ての前菜は野菜が主役なので、てっきりヴィーガン対応も柔軟なのかと思っていましたが、この日はブロッコリーのみ可能だったようです。

人気メニューのリコッタトーストのパンを焼くシェフ


カウンターから見えるキッチンは、まだピークのディナータイム前にも関わらず大忙し。忙しなく行き来するシェフの姿を追っていた私は左右に首を振る赤べこのようで、耳ダンボになって調理場の会話を拾おうとしていた我々は異様な客だったに違いありません。

ちょうど目の前で前菜担当のシェフのお兄さんが調理をしていたのですが、どうも手つきがおぼつかない。その塩の振り方ちょっとちゃうねん・・・それじゃ具材が混ざっとらん・・・そんなガッシガッシやったらアカン!もう私に手伝わせて!と調理側に回りたいお節介心を抑えて見守っていましたが、彼は研修生だったようです。

チーズは別添えにしていただきました


そんなひとときのエンタメを楽しんでいたら、まさに彼が目の前で作ってくれた前菜のブロッコリーが運ばれてきました。結論から言うとこれがとっても美味しくて、今宵のディナーでは一番気に入った一皿でした。お兄さん、ありがとう!!

焦げ目がつくまでグリルした、かなり細身のブロッコリーニのような野菜(おそらくスピガリエッロという種類だと思います)がどっさり盛られ、ガーリックの効いたヴィネグレットとオリーブオイルをバランスよくまとっています。カリッと揚がったパン粉が食感のアクセント。

むしろ、チーズなしでもそのままで美味しかったです


家庭でも再現できそうな一方、この炭火のようなグリルのスモーキーな風味を出すのは難しいでしょう。そうそう、期待していたのはまさにこんな一捻りあるお料理なんだよね、とワクワクしながらメインのパスタを待ちました。

シンプルな一皿


このパスタには「30 Clove Pomodoro」という名前がついています。スパイスのクローブ(丁子)のことかと思ったら、ミッシーさんのシグネチャーであるオリジナルのポモドーロソースの名前だそう。英語ではにんにくの一欠片のことを「clove」と言うのですが、要は30かけのにんにくが入ったソースということ。レシピでは6人前に対しての数字なので、一人前あたりにんにく5かけってすごい量ですね。私が普段使うにんにくの倍量か。

ごろっとそのままの姿のにんにくが入ったポモドーロ。爽やかなバジルの風味もあって、名前に反して意外とさっぱりしているので食べやすいです。ただ旦那曰く、我が家で作るパスタと言われて食べてもわからないとのことですが、確かにそう言われてみれば・・・って、いやいや。我々が味音痴なのでしょう。

モダンな見た目と味のパスタ


私の「オッキ」はラビオリの一種で、羊のミルクのリコッタが入っています。オッキを切ると液状になったリコッタがとろーっと流れ出るのですが、寄せ豆腐のような固形に近いテクスチャーを想像していたのでこれは意外でした。

とろ〜っと流れ出すチーズ


ペコリーノにも似た、少し酸味を感じるシープミルクの風味に、ボッタルガの塩気とレモンゼストのさっぱりバランスがいい塩梅。つるっとした舌触りの手打ちパスタも食感がよく、もっと食べたい!欲を刺激するコンビネーションであっという間に完食しました。


デザートメニューは、ジェラート一択。お店のもう一つのモットー「#keepitsimple(シンプルでいこう)」のDNAに即していますね。
ヘーゼルナッツ、ピスタチオ、オリーブオイル、エスプレッソ・・・といったチョイスがあったのですが、ほぼ全てが好物のフレーバーなので非常に悩ましく、結局シンプルなオリーブオイルにしました。

この量を一人で食べてしまった


グラスに堂々と盛られたジェラートはなめらかで、下の上ですっと溶ける軽さ。オリーブオイルの優しい風味が美味しかったのですが、甘さの中に奥行きがあればよりスイスイ食べられたと思います。辛味のあるオリーブオイルがたらしてあったり、少し塩気が隠れていたり、もう一捻りあればベターでした。

旦那は〆にエスプレッソを


ちなみに、今回のお会計は二人で1万円ちょっと。お金に余裕があれば、キッターラ、ニョッキ、ブカティーニなど他の種類のパスタも食べに再訪したいです。もう一つお店の人気メニューであるホイップリコッタトーストもぜひ味わってみたいところ。

予約はお店のウェブサイトから可能ですが、だいたい向こう1ヶ月は埋まっています。しかし、予約が取れなくても、Misiのパスタをお家で味わうことができます。「Misi Pasta(ミシパスタ)」というオンラインショップでは、お店の味が自宅で再現できてしまうパスタキットやジェラート、調味料などをオンラインで販売(配達・ピックアップ可能)しています。パスタは四人前単位で5,000円ほどなので、お店でいただくよりも割安ですね。


店内にある手打ちパスタ工房兼ダイニングルーム


お店の前に駐車されていた、パスタのデリバリーカー


また、前述の「Lilia」にはいつか訪れるつもりですが、併設の「Lilia Caffé (リリアカッフェ)」では予約なしでもテイクアウトでパン類を楽しむことができます。ティラミス味のボンボローニ(丸いドーナツ)をいただいたことがありましたが、美味しかったです。土曜日はすぐ近くにマッカランパークのファーマーズマーケットがあるので、その前後にここで一息着くのもいいですね、

またパスタの話になってしまいましたが、次回は料理について書きたいと思っています。

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

それでは、よい一週間を。

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