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本音か建前か

子どもたちの感情センサーはとにかく高精度です。
私たちの表情からいろいろな内面を鋭く見抜いています。

放デイに通うある小学生が児童館のスタッフさんについて私に話してくれました。
「〇〇児童館の受付の人きらい。態度がつめたいからやだ。だからあそこに遊びにいきたくない。△△児童館は好き」
この話を聞いてどう応えますか?
「そんなこと言わないの」「受付の人は頑張って働いているんだよ」
子どもの言ったことに対して正しますか?

私はこう言いました。
「わかるわ~!△△児童館のスタッフさんみんな温かいもんね!」

〇〇児童館のスタッフさんと△△児童館のスタッフさん、同じ受付業務です。〇〇児童館のスタッフさんはとてもテキパキと対応をしてくれます。仕事ができるおばちゃん。△△の児童館のスタッフさんはとってもサバサバ、近所のおばちゃん風です。
なぜこの小学生の子は「きらい」「好き」を分けたのでしょうか。
それにははっきり理由があります。

それはそのスタッフさんの「感情が読めるか読めないか」。

〇〇児童館のスタッフさん、受付で話す時にとっても無表情。大人の私も「怒ってます…?」と思うほど話している時に感情が読めません。子どもたちに注意する時にも同じトーンで「走らないでね、一列に並んでね」と淡々と話しています。
△△児童館のスタッフさんはとにかく「素」。子ども扱いをせず大人ぶらず自分のキャラクターを前面に出しています。注意する時は自分の子どもに言うように「はーいぶつかるよ!うしろ見てごらん、並んでるよ、後ろにまわって~!」ととにかくフラット。大人の私たちにも笑顔で挨拶してくれます。

子どもは大人の態度、表情、声色で「この大人はどんな人間か」を探ります。更に「顔は笑っていても心は面倒くさがっているな」や「思ってもいないことをとりあえず口に出しているな」までもキャッチしています。建前なんてすぐに見破ってしまいます。
そしてその違和感や矛盾を子どもたちはうまく表現できないので「きらい」や「なんかやだ」と表現することがあるのです。
子どもたちの言う事やる事には必ず理由があります。なぜ嫌だというのか、そこの深読みをしないとただの悪口を言う子レッテルを貼ってしまうことになります。

子どもと向き合うときは
「大人だからしっかりせねば」「注意したら泣いちゃうかな」「どう接すればいいかわからないけど仕事だからとにかく遊びに付き合おう」「あーイライラする、仕事だし怒れないけどこの子はいつも迷惑なことするんだから」
などの迷いや不安、苛立ちは全て伝わっています。

表情が読めない、表情と感情が不一致には子どもたちは敏感です。
大人の私たちでもわかる時がありますね。「なんか今日のあの人機嫌悪いでしょ、笑顔の奥に怒りを感じるわ…」子どもは特にそんな人に近寄りたいと思いません。(母親へはまた別です)

気づいていないだろうと思っていたらあなどるなかれ。子どもたちを見くびってはいけません。
ではどんな大人が子どもにとって気持ち良いのでしょうか。
それはまた明日。

※ちなみのその小学生の子は私の「わかるわ~」に対して「でしょ?!」と嬉しそうに反応していました。この積み重ねでその子は自分の気持ちを相手に伝えることができるようになっていくのです。

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