それはまるで宝石箱のように (3)それはまるで宝石箱のように
「たぶん、この先にあるはずなんじゃが……」沼地(マイア)のぬかるみに足を取られながら、老犬が言った。あたりにはコナラやヤナギなどの、湿地を好む樹木が鬱蒼と生い茂っている。
「あんた、大丈夫か?」老犬は、すぐ後ろを歩いているリトル・シスターを振り返って言った。
「ええ、平気ですわ」リトル・シスターは応える。
老犬は彼女を観察する。沼地に入って半日、彼女の服は沼地の泥でかなり汚れてしまっている。だが、確かに彼女が言うとおり、その足取りに疲れは見られない。
たいしたものだと関心