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冷えのぼせは気○

「先生、足先は寒いんでタオルかけてくださ

いー、それから滝のように出る頭の汗、鍼で

何とかしてください〜」

気は足りなかったり、詰まってしまったり、

そして、水の流れのように本来下に降りるべ

き気が反対に上がってしまうのを気逆という。

「Tさん、それ汗が出るからいいんですよ

汗が出ないと逆に血圧があがりすぎちゃいま

すよ〜」

と私がいうと、患者さんのTさんは苦い顔をする。

しかし、からだはそうなのだ。

汗は、のぼせの熱をなんとか冷まそうと経絡

の膀胱経が働いている姿なのだ。

たとえば

暖房の効いたオフィスでポーッと顔や上半身

がのぼせて肩や首が凝りながら、デスクワー

ク、足が冷える

という感じ、特に女性の患者さんによく見受

けられる。

対処としては

うまく下から温めながら、お風呂のお湯をか

き混ぜるように気血を巡らせてやる。

すると、気持ちの良い発汗、または利尿とと

もに症状は軽減される。

また

急速に気があがってしまうものを奔豚気病と

いい

現代で言えば、パニック症に近く、動悸や不

安、過呼吸、手のひらの嫌な汗をともなった

りする。

寺澤捷年さんは著書「和漢診療学」で奔豚気

病や気逆を改善する代表的な方剤として

苓桂甘棗湯や良枳湯などをあげている。

また桂皮と甘草の組み合わせ、桂枝湯と気逆

についても述べている。

方剤でなくても

日用品なら、甘いジュースなど、甘さと陰気

で気を落ち着けてもいいと思う。

セルフケア的には呼気、しっかりと息が吐け

るように練習したり、鍼灸では呼吸筋を調整

したり、心下や肩甲骨まわりの反応をみて処

置してもよいだろう。臍上悸があれば、それ

がおさまるようにもっていく。浮いていた脈

が沈めばより良い。

太極拳や気功でも練功の最後は、あがった気

を収める動作が必ずあって、お臍という中心

に納める。

丹田とも呼ばれたりする。

現代では脳の認知科学の進歩が素晴らしい。

コンピューターやロボットモデルの脳を中心とした人間観に異論はないが、

フロイトのリビドーや道教的なボディーイメ

ージ、ゲーテ的な生命観にもつながるような

気の身体というものもそれはそれで素晴らしい。
















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