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【All for one story】11人で1つの物語を作ってみたら、爆笑不可避だった

一か月と少し前にはじめた、みんなで1つの物語を作るという知的なこの遊び。

この度、ついに完成しました!!

All for one story第二部

なぜやってみたのか?どんなルールで書いているのか?などはこちらの記事からご覧ください。


さてさて、11人の小説家が書く物語はいったいどんなものなんだ!

はじまりはじまり~~


All for one story


タイトル
「」

これは僕の大好きなおじいちゃんがいつも話してくれたおとぎ話。
おじいちゃんのひいおじいちゃんに起こった不思議な話。


梅雨がまだ明けたばかりで、すごく暑い日だった。
おじいちゃんんが亡くなったという知らせが届いた。

半年前におじいさんの家に行った時には、新しくトマトを育て始めたと笑顔で話してくれるような元気で活発なおじいちゃんだった。
共働きの両親に代わり、子どものころは毎日一緒にいてくれた。僕がいじめられたときには、いじめっこたちから守ってくれて、僕が寝れない夜には、色んなおとぎ話を話してくれるような強くて優しいおじいちゃんだった。
桃から生まれた男の子と鬼の話、月に帰ったお姫様の話、亀を助けた優しい少年の話。
そんなおとぎ話を聞くたびに僕は目を輝かせて、僕にも特別な力があるんじゃないかとわくわくして逆に眠れなくなっておじいちゃんを困らせていた。
今になって、それらの物語のほとんどはよく聞く有名な童話だったと分かる。

たった一つの物語を除いて。
友達の誰も知らないし、インターネットで調べても出てこない物語。

「これはわしのひいおじいちゃんにあった本当の話なんじゃぞ?」
から始まるその物語を話すときのおじいさんの顔はまるで、子どもに戻ったみたいにわくわくしていて。
それが新鮮で、嬉しくて、僕の一番好きな話だった。

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この物語の主人公の名前は、壮介。産まれたのは今から150年前。日本では、時代のうねりの真っ只中にあった、明治維新の始まりのその時だ。
日本は変化に敏感だった。欧州の文化、人、モノ。何から何まで新しい、斬新なものばかり。それと同時に、変な者に対する偏見も強くなっていった。変化に馴染めない者は置いていかれ、日本の古き良き文化は、まるで悪しきもののようだ。壮介も例に違うことなく、新時代に合わせて歩を進めていた。
そんなある日、一人の侍と出会うのである。彼との出会いが壮介の人生に大きな影響を持つことになる。

その日は、風が吹き、荒波が押し寄せ、空から龍が舞い降りるのではないかと思うほどの、自然の恐ろしさを感じながらも、神秘的で幻想的な日であった。

壮介 「トモとはぐれちゃった。こんな雨じゃ探しもできない。」
どーーーーーーーーーーーーーーーん
壮介 「うわっ!!!」
かの有名な、おむすびのように壮介はコロコロコロコロ転がっていって、終いには穴に落っこちてしまった。

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しばらくして目を覚ました壮介だったが、そこは真っ暗で何も見えない。あたりには何もないし、壮介が持っているのはお昼ご飯の小さなおむすび3つだけであった。
壮介「ここはどこだ?何が起こった?どうしよう、とにかく外に出なくちゃ」      壮介は黒い世界の中、必死に出口を探し始めた。
だんだんと暗さに目が慣れてきたころ、先の方に大きな黒い物体があることに気づいた。恐る恐る近づいていくと、それはうずくまった侍のようである。寂しさと不安に駆られていた壮介は、ためらうことなく、その黒い物体に声をかけた。
壮介「すみません!すみません!起きてください!」                 するとその物体はのそのそと動いて、ふわ~と大きなあくびをして起き上がった。    壮介「穴に落っこちてしまったみたいで出口を探しているんですが、知りませんか?」   侍「んあ?知らぬな、、、わたしも急に大きな音がしたと思ったら、気づいたらここ     に、、、、いったい何があったんだ?」                    壮介「わからない、実は僕も同じなんです。一緒に出口を探して早く外に出ましょう。」
そう、これが壮介と侍との出会いである。そして2人の冒険が始まる___

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 侍のようなものはタツと名乗った。壮介がこれまで一度も気にならなかった天井に、立ち上がった途端頭をぶつけるほどの、大柄の男だ。
 いくら目が慣れたと言っても、この光源の見当たらない暗がりの中では服装まではわからない。しかし、壮介が彼を侍だと思ったのは、彼が腰に刀を差していたからだ。もちろん、明治のこの世ではもう見ることのない身分の者である。
 先程は焦っていたためためらうことなく声をかけたが、今となっては怪しく感じた。しかし、同時に少しわくわくしている自分もいた。
 刀についてタツに尋ねると「刀狩り……? ふうむ、そうか。ならばこやつは置いていこう」と未練もなく言う。
「いいんですか?」
「なんせ世に疎くてなあ。なあに、わたしとお主、おのこふたりだろう。何が襲い来ようとも、心配の必要はあるまい」
「でも、」
 その時、壮介の言葉を遮るように。
『ウ"ォォォォーーーンッ!!』
 大きな咆哮が、この空間に響き渡った。どしん、と身体に沈むようなその声に、壮介は思わず身体をすくませ、耳を塞いだ。
 反してタツは怯むことはなかったが、咆哮がやんだ後「やはり刀は持っていくことにしよう」とささやいた。こくり、と壮介も応える。
「大きな獣がいるのかな……それに気が立ってるみたいだ。タツさんは驚かないんですね」
「……知っているからのう」
「ええと、なにを?」
「この声の主を。_龍の、声をな」
冗談を言う声色では、決してなかった。

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「り、りゅう??」壮介は侍に聞き返した。
「おいおい、真に受けんなよ。」侍は軽く笑った。
「なんだこいつ」と心の中で呟きながら壮介は聞いた。「じゃあ今のは何だったんですか?」
「そんなこと俺に言われてもね~」侍は困惑した様子だった。
「だめだこいつ」と思い始めたその瞬間、侍の懐で何かが光った。
「何ですか、それ」気付いたら壮介は聞いていた。
「スマホだよ。充電が溜まったから通知がきたんだ。」侍はだるそうに答えた。そう。侍はなんとスマホを持っているのだった。そして画面には「4G」と表示されていた。しかし、壮介は「スマホ」が何のことか分からず、もう一度聞いた。「スマホ、何すかスマホって?」
しかし、その侍はもう「スマホ」に夢中で答えてくれなかった。画面には塔が6つ映っていて、侍は怪獣を塔の前に置いていった。一通り終わると画面には「CLASHROYALE」と表示されたが、壮介はそれが何のことだか、分からなかった。
「君もクラロワやる?」侍は壮介に尋ねた。他にやることもないので、壮介は「クラロワ」をやることにした。ときどき「Twitter」と書かれた通知が来たが、壮介はそれを無視した。
気付いたら侍はいなくなっていた。壮介はクラロワをやり続けた。充電がなくなりそうになったので、侍が置いていった「モバ充」と書かれた機械を使って充電が溜まるのを待った。

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なかなか充電が溜まらず、スマホをいじり続けた壮介の目は少しずつショボショボしてきた。少し休憩しようと思い、一旦クラロワをやめると充電がさっきよりも速いスピードで溜まり始めた。
充電が「100%」と書かれたのを確認すると、壮介はまた歩き始めた。「さっきの変な侍はどこに行ったんだ…でも侍探しより僕が地上に出る方が先だな」
歩きながら、時々スマホを触っていると、地図らしき画面が出てきた。よく見ると、知っている地名がたくさん書いてある。「地図が持ち運べるなんて…そしてこの青い印は僕がいるところかな」壮介は自分の家がある地名を探し、その方向へ向かって歩き続けることにした。
歩きながら、壮介は写真がたくさん入った「アルバム」をスワイプしながら、侍が撮ったであろう写真を見返していた。侍の自撮りもたくさん入っていたが、全く興味がないのでスワイプしまくっていた。
ところどころに、明らかに今の時代で撮ったのではなさそうな写真が入っていた。見たことの無い建物や食べ物、キラキラした街、今の時代では絶対に許されない髪型や服…。壮介は思わず立ち止まって見入ってしまった。
その時だった。
ブーブー、ブーブーとスマホが震え続けた。
「……さんから電話です」と通知が出ている。
「なんだ?どうすればいいんだ?」
壮介はアタフタしながら、通知をもう一度よく見た。「え……?」
通知には、「壮介さんから電話です」と書かれていた。

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 壮介が電話をかけると、電話が切られた。
どういうわけか、宗介はほっとした。
すぐに、また電話がかかってきた!
壮介は思い切って電話に出た。
「タツ?どこにいるの?ボスは今とても怒っているよ!もうバイトに来ないと大変だ!!!」
壮介はびっくりした。
「タツ?」
「お前は何者だ!出てこい!」
「は?お前は誰だ?」
「俺は壮介だ!」
「……冗談言うな!早く来ないと助けられないよ!」相手はそう言って電話を切った。
壮介は困惑したが、地図に従って歩き続けた。やがて、二つの分かれ道に出たが、地図にはそのうちの一つしか表示されていなかった。好奇心に駆られて、壮介は地図に載っていない通路を選んだ。通路がどんどん狭くなり、壮介は腰をかがめて進まなければならなかったが、だんだんと、かすかな光が見えて、騒々しい音が聞こえてきたようだった。
壮介が出かけようとしたとたん、大きな手が彼を引き戻した。
さっきの侍だ!

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「気を付けろ!!」
侍はひどく焦った様子でそう言った。

訳が分からず戸惑う壮介を引っ張り、どんどん元の道を戻っていく。
体を小さく丸めて、早足で進む様子をみて、光の先には何か大変なものがあったのかと壮介は怖くなった。

出口から数十メートル程離れたところで、侍はようやく立ち止まった。
「どういうことですか?」
壮介はドキドキしながら訊いた。「あの先には、一体何があるんですか?」
「よく聞け。ここは」といい、唾をのんでから侍は続けた。
「この空間は、おそらく、過去と未来をつなぐもの__いわば時空間なんだ」
「時空間?」
壮介は信じられなかったが、侍の真剣な表情を見ていると本当なのだと思えてきた。

壮介は侍の現代らしからぬ雰囲気に納得した。
けれど、刀を持った装いと、「スマホ」という今より明らかに進んだ機械を持っていることを不思議に思い、侍に尋ねた。
「あなたは一体、いつの時代の人なんですか?」

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そういうと、侍はキョトンとした顔でこちらを見つめた。耳が腫れるほど大きな声で、
「俺か!?俺は宗家三代目龍(タツ)だ。」
私は、自分と同じ名前に出会ったのは初めてだったこともあり、呆気にとられていると、
宗達は「三代目といっても、わしの代で潰れてしまうんだがなぁ。」と言った。どうやら龍の奥さんが不治の病にかかったらしい。いろんなお医者さんに聞いても、100年後ならともかく現代の医療技術じゃ回復は困難との事だった。絶望していた龍は、ふとある人物を思い出した。近所町に住んでる突飛な男についてである。彼は、未来に行く装置を開発したと豪語していた男だ。龍は、もし本当であれば未来に行けば奥さんを助ける方法があるかもしれないと考え、その男に会いに行き、未来に行くと決めた。実際に未来へと出発する直前、突飛な男は、何か言いたげな顔をしていたが、龍は気にすることなく未来へと旅立った。

「~というわけなんだ。」
「いやいや、龍さん本当に未来に行ったんですか?どうやって?どんな感じなんですか?このスマホとやらも未来にあるんですか?」
「あー、もう、うるさい。そんなことはどうでもいいんだ。よく聞け、お前に頼みがある。俺の代わりに、そこの奥にある異空間装置に乗って、未来に行ってくれ」
「ええええ、なんでですか?龍さんがいけばいいんじゃないですか?」
「話せば長いんだが、どうやら異空間装置は一人一回しか利用できないみたいなんだ。つまり俺はもう未来には行けないんだ。」
「そこで、壮介。お前には赤くて丸い果実(トから始まる)を探してきてほしい。どうやら、それがうちの奥さんに効く薬らしい。」そう言って、龍は私を先にある異空間装置へと放り投げた。

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「ぐわぁぁん、おんぎゃぁぁぁぁぁぁぁ」。
耳が裂けるような喚き声によって私は目を覚ました。目の前には、宝石のように丸くて柔らかい赤ん坊がたわわと横たわっていた。龍が言っていた異空間装置は上手く作動したようだ。そう安心して、座っていた椅子から起き上がろうとした瞬間に割れるような痛みに襲われた。ふと、自分の脚を見ると、なんと自分の脚がごぼうのように細く、貧相であった。どうやら異空間に来たことで、体にダメージを負ってしまったようだ。全身の筋肉も衰え、髪もすっかり白くなってしまっている。ふと、目線を前に戻すと、今まで見たことのない近代的な物が溢れている。部屋は鹿鳴館のように西洋風のデザインが模様されている。そんな具合に物色していると、後ろから「おじいちゃん、収穫は?」と溌剌な声がそう語りかけた。振り返ると、肩につくほどの黒々と纏まった髪を伸ばした、端正な顔立ちの女性が立っていた。西洋人のような鼻立ちでありながら、美しく凛とした佇まいはどことなく龍を彷彿とさせた。
「私、今から仕事だからこの子のことよろしくねー」といい、彼女は足早にその場を立ち去った。

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「僕は……おじいちゃんなの……?」
どうやら彼女は壮介のことを知っているらしい。そして彼の体はずいぶん年老いてしまったらしい。
「ふぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
今の自分の状況とか赤くて丸い果実の正体とか、これから未来で調べなければいけないことがたくさんあるのに、赤ん坊が激しく泣き叫ぶから、壮介は仕方なくまずは赤ん坊をなだめることから始めた。
「いい子だから泣き止んでね~」
声をかけながら、赤ん坊が横たわっているゆりかごを優しく揺らす。赤ん坊の泣き声はだんだん小さくなり、最後には小さな寝息を立てていた。
さて、と壮介は考えた。まずここはどこなのか。いったん家の外へ出てみる。家のすぐ隣に広大な畑があることが分かった。よく見ると茄子が実っている。しかし一部、白くて薄い布のようなもので覆っている場所があり、そこでは何を育てているのか分からない。

(ブーー、ブーー)
ポケットの中から振動を感じて手を入れてみると、それはあのスマホだった。電話がなっている。
「もしもし……?」
「壮介か?未来に行けたようだな、よかった、よかった」
電話をかけてきたのはタツであった。
「お前を未来に送る前、ポケットに俺のとは別のスマホを入れておいた。時空が違っても連 絡ができる!」
それをきいて壮介はなんだか安心して、タツさんは結構頼りになるのかもしれないと思った。


以上、となります笑笑

いや~~~面白い!!展開が裏切られるというか、予想通りには進まなかった感じは個人的にはツボでした。

ただ、反省点としてフラグが立ちすぎてしまい、完成できなかった!ということが挙げられますね。


これを踏まえ、第2回は起承転結に2人ずつの8人でやってみようと思います!

次の目標は物語を完結させること

All for one story 2作品目

楽しみにしておいてくださいね★

また、参加したい!という方がいらっしゃいましたら、気軽にLeisurAnd のホームページからご連絡ください笑!一緒に大作を作っていきましょう~~


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