240124 1月の次は2月
ドラえもんとカピバラさんでしのぐつもりで向かったGH夕勤。なんと今回は一度もカピバラさんを描くチャンスを与えられず、新たな禅問答に頭をフル回転させられたのであった。
「もうすぐにがつ?」「そうだよ、もうすぐにがつ」
「あしたはにがつ?」「あしたはまだにがつじゃないよ」
「あしたはにがつ?」「あしたはまだいちがつだよ」
「あしたはいちがつ?」「そうだよ、あしたはいちがつだよ」
「あしたはいちがつ?」「そうだよ、あしたはいちがつだよ」
「やだ!」
と、ここで突然、大きな声が出て手を振り回し不穏な動きが始まった。不穏は他の利用者さんにも伝染する。早くおさめなければならない。「にがつ」がお気に入りのようだ。これでもう一度はじめてみよう。
「もうすぐにがつなんだよ」「もうすぐにがつ?」
「そうだよ、もうすぐにがつだよ」「あしたはにがつ?」
「あしたはいちがつだよ。すごいね、にがつはだれがおしえてくれたの?」
「ママ」
うっかりするとすぐに「あしたはいちがつ」に戻ってきてしまう。「あしたはいちがつ」が何度も繰り返されると、「あしたのあした」も「あしたのあしたのあした」もずっといちがつという意味になってしまうのかもしれない。とにかくお気に入りの「にがつ」にならなければならない。しかし嘘はいけない。家に戻ったときママと話すことと違ってしまってはいけない。
すると、急に時を戻された。
「おしょうがつのつぎはにがつ?」
いつも「つぎ」と「あした」のことを話すのに、なぜか「おしょうがつ」に戻った。時は常に流れていることをどのように理解しているのだろう。いやだけど、「おしょうがつ」「あした」「いちがつ」「にがつ」と名前がついているだけでそこに動きは本来含まれない。いつだって「今」しかないのだ。
何か……わたしにとってそれは天啓のようであった。わたしは「今」を確かめるためにいつも明日の話をしている。
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