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「出版プロデュース」と「出版代行」は別物。(ご質問にお答えします)

このところ、何人かの方から
同様のご質問を受けることがあるので
まとめておきます。
自身の大切な著作物・肖像権を守るために
ぜひご一読していただきたい
大事なお話。

ちょっと長くなりそうですが、
できるだけ簡潔に記しますので
お付き合いください。


ご相談内容について(プロローグ)

出版相談を受けていると
何人かの方から「すでに電子書籍を出版しています」と
言われることがあります。
それで、よくよくお話を伺ってみると
出版プロデューサーを名乗る方(以下、Aさん)に
「海外で電子書籍を出版しませんか?」
「ご自分の作品が海外で出版できますよ」

などと声を掛けられ、
電子書籍化していただけるという内容。

ですが、更に話を聞いてみると
「印税は一切もらっていない」、
どういうことかというと
つまり電子書籍化で発生するであろう印税は
全てAさんが受け取るというわけです。


そこで皆さん、不思議に思って
わたしに相談してくるんですね。




なぜ、そんなことになるのか?

そのからくりはこうです。

電子書籍(Kindle)を出版するためには
KDP(kindle direct publishing)に事前登録する必要があるのは
すでにご存じの方はほとんどだと思います。

Aさんはご自身のアカウントを使って
著作物を登録。

すると、毎月Amazonからいくばくかの印税が入る
仕組み。
Aさんは自身で創作する苦労もすることなく、
他者の著作で丸儲けできるわけです。

一冊当たりの印税は実に幅広いですが、
登録している著作物が多ければ多いほど、
ちりも積もれば山で、
以前から海外出版を持ちかけているAさんは
実際、かなりの印税をAmazonから受け取っているはずです。

参考までの一例ですが、
わたしの場合、一部は読み放題プログラムに登録しているのもあり、
だいたい1冊あたり月10,000円程度は
印税収入として毎月末、Amazonから受け取っています。
(詳しくは講座等でお伝えしています)

やむを得ず、わたしのKDPアカウントで代理登録する際は
事前に合議し了承を得ています。
編集制作費がペイ出来たら、それ以降の印税は
折半と決めています。

普通に考えてみたら
著作物や肖像権は、それを所有する著者のものであり、
出版する前にそれらの権利確認・印税分配に関しての合議は
当然すべきであり、出版プロデューサーと名乗るのであれば、
事前にそれらの説明はきちんとなされるべきなのです。

商業出版の場合


商業出版の場合は、事前に(もしくは出版前)
必ず出版社との間で出版契約書を交わします。
契約期間は出版社にもよりますが、
おおむね3年~5年程度です。

出版プロデューサーが企画編集まで関わる場合は
事前に著者と印税配分について合議し、
その内容を出版社に伝えた上で
三者間契約書を結ぶことになります。

コミックエッセイの場合は、漫画家さんに対しても
権利が発生するので
さらに4者で契約を結び、それぞれ署名捺印します。

※出版社が各者に対し、それぞれ個別に契約を結ぶこともあります。

つまり、発生した印税は
それぞれ合議の上で分配されるのです
ね。

それが今回のAさんの場合、完全に抜けているということです。


Amazon kindleの場合

Amazonは通常の商業出版社と
仕組みが少し異なりますが、
要は商業出版社と同じく、著作物を販売する権利を所有しています。

POD(プリントオンデマンド出版)の場合は
1冊注文があるごとに印刷・発送する
印刷所の役割も負っています。

通常の商業出版の場合
著作物を編集制作→印刷所へ入稿→取次(トーハン・日販など)
→書店へ配本→出版

という流れですが、
編集制作以外の一連の流れを有しているのが
Amazonであるということです。

ちょっと話がそれましたが
本来は著作物を有する著者とAmazonとの
2者間契約ということになります。

それが今回のケースでは
KDPに登録したAさんが著者に代わって印税を受け取る権利を
有しているということです。



後々後悔しないために(まとめ)


たとえ話をするならば
自分が大切に育てたかわいい子ども(著作物・肖像権)を
業者の巧みな話を鵜呑みにして身売りするようなものです。

しかし誤解しないでいただきたいのは
それが合法か違法か?
について論じているのではありません。
なぜなら、
どんなに不利益な契約
(と言っても口約束レベルでしょうけれど)
であっても、
著者である本人が合意したのですから。

ただ、これだけは言っておきたい。
Aさんがやっているビジネスモデルは
出版プロデューサー業ではなく、
出版代行業。

初期投資の安さに惹かれて、後々後悔しないために
ご自身できちんと調べてください。

「自分の写真を海外出版で利用された」と
不満を漏らす方も
いらっしゃいましたけど、
わたしに愚痴られても困ります。

疑問があれば、消費者センターに相談することを
おススメしますよ。



ということで、
この記事を書いている間にも
ご相談されていますが、
そういうことなのでご理解ください。

次回は「出版プロデューサーのお仕事」について
書きますね。
ではでは、また。



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