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リカルドぺレイラ不在で勝つ方法

3月中旬、レスターファンにとって残念なニュースが届いた。     「リカルドぺレイラが負傷により今季終了」

これにより、残りの10試合ぺレイラ抜きで戦わなければならないことになった。恐らく、今季加入したジャスティンが右SBを務めると思われる。そこで今回は、ジャスティンとぺレイラとの違い、個人的に勧めたいBプランについて書いていく。

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今シーズン2部に昇格したルートンから5年契約でレスターに加わったジャスティン。エバートン戦でプレミアデビューを果たして以来、プレミア4試合1アシスト、リーグカップ2試合1ゴール、FAカップ2試合という結果を残している。出場試合こそ少ないが、出た試合では精力的なプレーでファンの心を既に掴んでいる。90分通して走れるスタミナ、相手に当たり負けないフィジカル、内外を的確にオーバーラップする攻撃センスが彼の魅力だ。対人能力にも優れていて、穴のないSBという印象だ。

ただ、今季のぺレイラはベストイレブン級の活躍を見せている。ペレイラも非常に運動量が多く、身長は高くないが当たり負けないフィジカル、内外を的確に走り分けるオーバーラップが魅力だ。さらに彼のすごさは記録にも出ている。パス数はSBの中で4位、ボールタッチ数もリーグ4位(25節時点)、ドリブル成功数もリーグトップ、3ゴールを挙げるだけでなく、タックル数はリーグトップなど攻守共に凄い記録を出している。

恐らく、ジャスティンとぺレイラの一番大きな違いはオンザボールの部分だろう。ポゼッションサッカーを掲げているレスターだが、ビルドアップにおいては、相手にはめられているシーンも多々ある。多くのチームがSBに誘導してそこで圧縮するやり方を用いているので、どうしてもぺレイラと、チルウェルに負担がかかる。しかし、彼らはプレス耐性が異常に高く相手のプレスを無効化してしまう。実際、レスターの得点シーンの多くが、SBが相手のプレスを巧みにかわし、そこから疑似カウンターを開始したものだ。

ジャスティンも足元の技術が低いわけではない。ただ、プレスを回避する能力はぺレイラと劣る。また、ジャスティンが使われた試合は、相手が前からはめに来るタイプのチームではない試合だ。アーセナルや、シェフィールドなどきちんと整理されたチームを相手にしたときにおそらく彼の真価が問われるだろう。

あまーてぃ

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ここで少し離れて、右サイドのメカニズムを整理する。下の図はレスターのスタメンを背番号で表したものだ。青は今シーズンの主なスタメン、赤くなっている2人は直近の試合のスタメンだ。(尚、あくまで右サイドの話なので、他のポジションはいじっていません)

図1

では、まず今シーズンの主なスタメンでの右のメカニズム。

図4

右SHで使われているアヨセペレス(17)は外に張るタイプではなく、内側に入っていきボールに絡むタイプの選手だ。そのため、右の外側にスペースができる。そのスペースをペレイラ(21)が使い、そこでのドリブルや、パスなどで多くのチャンスを作り得点にも関与できる。ペレイラが上がったことによりできたスペースにティーレマンス(8)が降りていきボールを回すこともある。これが右のメカニズムだ。

では直近のスタメンでの右のメカニズム。

図3

直近では右SHにオルブライトン(11)が使われいて、オルブライトンが序列を覆しつつある。オルブライトンはペレスのような中に入ってコンビネーションするタイプではなく、外に張ったところから縦に仕掛けてクロスを供給するタイプだ。(個人的には左のオルブライトンのほうが好きだが)   今までは、ペレスがハーフスペースを取っていたが、この場合だとプラート(26)がハーフスペースをとる。ティーレマンスに比べて攻撃時は高い位置をとっている。

オルブライトン(11)とプラート(26)は、ペレスやティーレマンスと比べて、守備の意識が高く攻撃時もポジショニングを細かく意識するタイプだ。そのため、得点力やオンザボールの精度は劣っても、攻守においてバランスが良くなる。ただ一つ、この配置だと明確な欠点が。それが、

ペレイラが攻撃に関与しづらくなることだ。図の通り、ペレイラが上がるスペースが消え、ドリブル突破や外側のスペースを彼が攻略することが配置上難しくなる。そのためぺレイラの存在感も持ち味も消え、せっかくの武器を一つ失う。それでも、タックル数の多さやプレス耐性の高さなども魅力のため十分チームに貢献しているが。

おそらくこれはジャスティンが出場しても同じ現象が起こる。彼もオーバーラップを得意としているし、彼が出るのに攻撃に関与できないのは少しもったいない。1つ目のシステムならそのままジャスティンを使えばいいと思う。ただ、2つ目のシステムつまりBプランでは、まだ本領を発揮していないあの選手の起用を勧めたい。戦術上理にかなった配置にするためにはジャスティンよりも適していると思う。

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今冬に好調のウルブスから加入したCBのベネットだ。彼を右のSBに使うことを勧めたい。残念ながら、過去のベネットのプレーを見直すことが出来ないので、改めて見たら意外とダメだな~と思うかもしれないが、おそらく彼を起用すべきなんて人は中々いないと思うので一つの案としてはいいかなと笑。

ベネットはウルブスでは主に、3CBの右で使われていた。昨シーズンは34試合出場、今シーズンも11試合出場した。ウルブスでは継続的に出場していた。まさか、レスターに来るなんて思ってもなかったので、きちんとは見ていないが自分が過去に見た試合で、非常に堅実だなという印象を受けた。決してスピードがあるわけではないが準備力も高く、印象としては2CBでは少し身体能力の面で不安だけど、3CBなら安心というバルザッリとか、ピシュチェクとかああいうイメージを持った。

そこで右のSBにベネットを使えばいいと。もちろんぺレイラやジャスティンと同じ役割をやらせるわけではない。攻撃時はオルブライトンが右の幅をとっていて、ハーフスペースもプラートがとるなら上がる必要がない。フィルターとして機能するのはジャスティンよりもベネットかなと。そのため攻撃時に3バックに可変して相手のカウンターに備える。守備時もオルブライトンが状況によってウイングバック的な形をとって、5バックになることもできる。そのためベネットは緊急事態のための補強ではあったが、彼の起用法一つで今までになかった戦術の引き出しを作ることができるのだ。これが個人的に勧めたいBプランである。

最後まで読んでいただきありがとうございました。情報も結構しっかり調べたのですが、誤りなどありましたら教えてください。Bプランへの意見や、ジャスティンとぺレイラのことについて、ベネットのプレースタイルについてなど反応していただければ嬉しいです。              完

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