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カメラとの距離感

カメラとの距離感についてです。自分の場合、純粋なカメラ好き、写真好きの方々と比較すると、ずいぶんと立ち位置が違うような気がします。基本的には雑誌編集の一工程として撮影をしているので、どうしても異なります。愛がないと言うか……そうかといって本職の方のように真剣に取り組んでいるかというとそうではなく、雑多な編集作業のひとつとして取り組まざるをえません。取材、執筆、デザイン、広告取り、その他の方々へのパスワークと同時進行ですから。

純粋にカメラを楽しんでいる方からすれば、撮影・現像の仕方がひどく雑に思えるでしょうし、本職の方からすれば雑な上に8000Dという機材が中途半端すぎるでしょう。ただ、仕事として納期に間に合わせるためにはどうしてもスピードが命ですし、大きすぎるファイルデータはデザイン工程で自分の首を絞めることになります。機材はそりゃ良いものを使って仕事をしたいのですが、今や小さな出版社では会社の備品として購入なんて夢の話で、自分で購入しないといけない時代です。

もうひとつ、皆さんとの決定的な違いは、撮影画像をRGBのまま世に出すことはほぼなく、CMYKが主戦場であるところです。最近は印刷所も人員削減ですから、入稿時の画像の色調整も編集者がやらないといけません。

そんなカメラとの距離感だったのですが、ここ1年ほどで大きく変化しました。仕事の撮影の大失敗を機にカメラの購入を検討し、調べ始めているうちに趣味家的に興味が湧き、今やぞっこんになりつつあるのです。撮ること自体が楽しくなってきました。30代前半にロモにはまった頃の感覚を思い出しています。つまり仕事としてのカメラだったところに、別の軸で趣味のカメラのラインができ始めているという状況です。必然的にカメラが欲しくなっています。

ただ、やっぱり仕事のため、読者のためが大きな部分なので、カメラがいくつも欲しくなる感覚とは異なるようです。もし神様が世のすべてのカメラを並べて、どれでも持っていってよいと言ったなら、「ありがたいのですけどカメラより太陽を頂くことはできませんか?」と返します。読者に響くか否かは、機材より光環境によるところが断然大きいと思っているので。良い機材でも光環境が極悪な時はそれなりの写真しか撮れないと思っていますし、逆を言えばそれなりの機材でも完璧な光環境があれば読者に響く写真が撮れますから。欲しいのはカメラではなく良い写真。

光に関しては先日、カメラ系ユーチューバーの武川さんという方がその重要性を説いていらっしゃいました。あの方は百戦錬磨のプロカメラマンですからレベルが違いすぎるのですが、写真に対して真摯に向き合っている方だと思いました。膨大な知識と経験をもとに話せる稀有な存在だと思います。

近い将来、知らない人の前で自己紹介をする機会があるかもしれないので、人前だと緊張してモゴモゴしてしまい、頭の中で言いたいことがこんがらがって話の流れがグダグダになってしまうので、ここにまとめました。


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