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”ALOHA” は挨拶であり、愛であり、哲学である、という奥深さ

ハワイのあいさつ、ALOHA。

親指と小指を立てた、陽気なシャカサインとともに、初めて出会った人にも気軽に交わす言葉ですが、その”ALOHA”には挨拶以外に少なくとも3段階の意味があることは、あまり知られていないかもしれません。

その深い意味を知るとALOHAは、挨拶であり愛の言葉であると同時に、私にはマントラのような、深淵なる祈りの言葉であるようにも聞こえます。

ここではALOHAの意味を、僭越ながら私なりの解釈を交えてご紹介します。

1)「愛しています」

やあ、おはよう、こんにちは、こんばんは、いらっしゃいませ、またね

という、いつでもどこでも使えるカジュアルな挨拶の言葉=ALOHA が、

愛してます

という動詞でもある とお伝えすると、たいてい驚かれます。「やあ」という軽さと「愛してます」が同じ言葉だなんて!

日本でもよく知られた「アロハ・オエ」という曲がありますが、オエ 'oe は あなた という意味なので、非常に単純に訳すと” I love you”という意味になります(この曲自体にはALOHAの意味の深さや歴史的背景などから、それだけには収まり切れない、せつなさや悲しみ、そして決意のようなものさえ含まれていますが…)。

ハワイでも日本と同じく、言霊が信じられているので、ALOHA!という軽い挨拶の中にも、間違いなく「愛」が込められています。その懐の広さこそがALOHAだと感じます。

ちなみに、フラナビゲーターのよしみだいすけ氏によると、フラでよく踊られる曲の少なくとも3分の2には、ALOHAという言葉が含まれているそうです。初々しい愛から、濃密な大人の愛まで、フラがALOHA=愛の表現方法であることは間違いありません。

2)「いま、ここに生きている喜び」を分かち合う

ALOHA は、”ALO”と ”HĀ"に分けられます。”ALO” は「顔」や「正面」を意味し、”HĀ"は「息」を意味します。古代ポリネシアでは、額と額をつけて息を交換しあう伝統的な挨拶方法があり、それがALOHAの語源だという説もあるそうです。それは「いま、ここに生きている喜び」を分かち合い、お互いの生命や魂を祝福しあう儀式でもあります。

3)「すべてのものに思いやりの心を持ち、謙虚さや忍耐強さを忘れず、自分自身の心と体と魂のバランスを保って、ハーモニーを奏でる美しい世界を作ろう」

ALOHAの5つのアルファベットにはそれぞれ意味があり、ハワイ州法にも規定があります。1986年に定められたハワイ州法5-7.5は「アロハスピリット法」と呼ばれ、そこには以下のように記されています。

A akahai(アカハイ) 思いやり、優しさ・・・優しさを持って感じ考える
L lōkahi(ローカヒ) 調和、ハーモニー・・・調和の中にしっかりと立つ 
O ʻoluʻolu(オルオル) 心地よさ・・・感情と共に思考のバランスをとる
H haʻahaʻa(ハアハア) 謙虚さ・・・謙虚さを示し謙虚である
A ahonui (アホヌイ)  忍耐強さ・・・自立を学び忍耐強さを持つ

自分自身の心や精神といった内面を整え、他人には思いやりをもって接すること。私が私であることを受け入れ、認め、愛すること。謙虚さや忍耐強さを忘れず、すべてのものと調和すること。

こんな哲学的な考えが、ハワイ州の法律として定められ、アロハスピリットに基づいて行動する事が定義づけられているとは、ハワイ人とは、どれだけ叡智にあふれた人々なのかと驚きます。

そして日本でも、この短くて誰でもすぐ覚えられて、ちょっと楽しい気分になる素敵な挨拶の言葉がもっともっと広まったら、私たち日本人の日常生活が、より豊かで愛に満ちたものになるのではないでしょうか?

※以下のサイトを参照させていただきました。ありがとうございます。

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