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「人間関係が楽になるアドラーの教え」の読後感は、格下相手のスパー後の気持ちに似ている。

どちらも根拠のない万能感で満たされる、な僕ですが。

アドラー氏については就活時期にコンサルにめっちゃ薦められた記憶があるけれど、
当時鼻たれ小僧だった僕はコンサルという人種から胡散臭さしか感じ取れずに、「お前が薦めるものは絶対に読まん!」と固く決意したもので。

それから15年の時を経て…。
尊敬できる元アスリートの後輩から同じくアドラー氏を薦められて、
入門書として手に取ったのが、

岩井俊憲著:人間関係が楽になるアドラーの教え

これは、薦めた人によって読む読まないを決める、
引いては人によって態度を変える、そんな僕の為の本だった。

………

定期的にこういう心理系の本を読むと、
大枠で出来ている部分と
ずれている部分を確認できていいね。

何より本書は読みやすい。
一時間くらいで読めて、
自分の行動を振り返るのに丁度良い。

細々としたテクニックも紹介されていたけれど、
大枠として、

・対人関係においては「自分を変える」ことが一番手っ取り早いという点。
・合理的、建設的であること、未来志向であることを心掛ける点。
・怒りの二次感情の奥にある、根柢の願い(一次感情)を探る点。

上記思考が念頭にあればそんなに外れた行動はしないだろうと。
(他者から見たときの精度の問題あるけれど。)

………

そんな中で幾つか引っ掛かりがあったのでご紹介。

〇引っ掛かりポイント①
自分が相手と関わる技術的な部分で
・(根拠のない)大丈夫
・頑張れ
の連呼はお薦めしていないし、
確かに控えたい単語ではある(別に言われたとて真意を感じ取れれば些末なことではあるけれど)。
そしてそれに代わる言葉はずっと探していて…。
残念ながらそれが本書では紹介されない。

そこで僕は以下の言葉を提唱します。

「(貴方に幸)運(が訪れる)こ(とを祈っています)。」

そう、うんこ。

「うんこ」を連呼し、
「うんこ」を伝道していく37歳を目指します。

〇引っ掛かりポイント②
これは筆者の具体例であって、
伝えたいことの本筋ではないけれど、
それでも気になる。

筆者は子どもが産まれてから激太りしたらしい。
それは、子どもの食べ残しを自分が食べてしまうから。
その背景には祖母からの「お残しは許しまへんで」精神。

・祖母の教えを守って今の習慣を続ければ太る。
・食べなければ痩せるが、今までの習慣を捨てる(祖母の教えに背く)ことになる。

この二律背反に対して、
筆者は祖母の教えを捨てて、痩せることを選択した訳ですが。
(習慣を捨てることに最初は抵抗はあるけれど慣れるから、欲しい結果があるなら意識的に変えろ的な学び的なあれ)。

違うだろと。
「祖母の教えを守ってお残しは許さない。」「太らない。」
「両方」やらなくっちゃあならないってのが「父親」の辛い所だな。
覚悟スクワットはいいか?俺はできている。

これだろ。ブチャラティの黄金の精神。
全力でお父さんを遂行しろと。

………

他にも言いたいことは分かるけれど、「その例はどうなん?」って突込みどころ&引っ掛かりがいくつか。
けど、どれもこれも導入本として分かり易さを優先した結果って感じ。

これを足掛かりにして、アドラー氏の研究をより深く知っていきましょう、
という役割を十分満たした作品です。

最初にも述べたけれど、
サクッと読めて人間関係に対する自分の行動を振り返る本として、
良き一冊でした。


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