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世界を救うmRNAワクチンの開発者カタリン・カリコは、現代のキン肉マンだ

ジョジョはやっぱり7部だろと思う僕ですが。

ってわけで、コロナ禍も落ち着いた今、
改めて終息の立役者となったmRNAワクチンの開発者にインタビューした本を手に取ってみた。
この技術は近いうちにノーベル賞を取ることは間違いないと言われている。
(と思っていたら、2023年に受賞していました。無知恥ずかし)

増田ユリヤ著:世界を救うmRNAワクチンの開発者カタリン・カリコ

mRNAワクチンの理論については下記参照。

この仕組みについて特にすごい点は、

・不安定で分解しやすいmRNAを脂質膜で包んで安定化したこと。
・非自己mRNAを取り込んだ際に起こる炎症反応を抑えたこと。

の2点。

普通ワクチン開発なんて、10年かけて行うことがざらであるのに対し、
mRNAワクチンに対する上記2点の基礎研究+2020年にノーベル賞を受賞したゲノム編集技術があったお陰で、1年程で実用化ができたってわけ。

しかも有効率は95%超(有効率の高さゆえ副反応も大きくなる)。
生ワクチン(病原体直接摂取)以上の有効率を誇る。

生よりも凄いなんて…。
思春期男子も大興奮だし、
オカモト株式会社も嫉妬しちゃう。

………

そんなカタリンさんの半生を綴った本書ですが。
まさに才能と好きが一致した稀有な例。
これだけ見ればやはり天才か…。
と言われれば確かにそうなんだけど、
どちらかというと、諦める才能が欠如しているようにも感じる。

生活を危機に晒してまで、
しかも家族を巻き込んでまでやりたい仕事ってなんだと。
しかも、(当時は)全く評価されていない状況で。
やりたいだけで突き進むにも限度ってものがあると思う。
他者に評価されたいとかさ、そういう雑念が混じりこむもんだけどね、普通。
そういう不純物一切なしに、好きに全てを捧げられること。
これがカタリンさんの一番の凄味だと思う。

また、家族も素敵で。
旦那さんは
「君(カタリンさん)は、遊びに職場に行っている。」
って、笑いながら言うの。
そして、献身的なサポートを惜しまない。
そんな両親をみて育った娘はオリンピアン。
家族単位で見ても、カタリンさんの人柄が伺える。

………

最後は著者が山中伸弥教授(iPS細胞開発者)に行ったインタビュー。
山中伸弥教授自体もまた紆余曲折・波乱万丈な人生を送っていて面白いのだけれど。
この二人に共通する人生の姿勢が、
山中伸弥氏の人生モットーVW(Vision&HardWork)。
やっぱね、VWなのよ。人生は。パクらせていただきます。
ちょっと前、ネトフリで、シティーハンターの実写が流行ったけれどもね、XYZ~っつって。

そんなナンパなもんやないと。
カリコ氏はmRNAの研究に40年人生捧げとんのやと。
かたやシティーハンターの冴羽獠。通称:新宿の種馬。
女をとっかえひっかえのもっこりちゃん(羨ましいぞ)。

カリコ氏をジャンプキャラに例えるなら、キン肉マンが一番近い。
牛丼一筋80年。

まぁね、
方向転換を繰り返すことで上手くいく山中伸弥氏パターンもあれば、
馬鹿の一念岩をも通すパターンのカリコ氏パターンもある。
成功の形は人それぞれで、結果が出るまではどうなるかなんて誰にも分からないし、結果が出ないまま埋もれることがほとんど。

だからこそ、
過程で納得できることが大切なんだろうなと。
そのうえで結果で満足出来たら儲けたくらいの気持ちが。

そう考えると、至高のジャンプキャラは、
「納得は全てに優先するぜっ!!」
という至言を残したジャイロツェペリ一択になるけれど、
異論はありませんね??


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