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なぜ海外移住用のビザ取得についてネットで質問すべきではないか

過去にシンガポールでのビザ取得についてnoteを書いたところ、Twitterやnoteで質問をいただく機会がありました。書いた動機は、これからシンガポールで勉強する、仕事する人の励みになるかなと思ったからです。

https://note.com/legoboku/n/nae2d6fd63d9b

https://note.com/legoboku/n/naa393d708f6a

https://note.com/legoboku/n/n7d3106ec880b

そこで私の経験についての事実に関して質問された場合は、快く回答することはありました。一方で、ビザ制度や申請方法などの知識について聞かれた場合は内心モヤモヤすることがあり、そ回答を拒否してICAの公開資料を読んでください、ICAに質問してくださいと言うようにしました。

この記事では、なぜ私がビザ関係の質問への回答をやめたのか書きたいと思います。

素性が分からないネット上の回答者の言うことを信用すべきではない

まず第1の理由は、ネットで見つけただけの人に質問する場合、相手の素性が分からないことです。どういう経歴の人か分からない、どういう知識を持っているのか分からない人状態で、相手の言うことをなぜ信用できるでしょうか?

あなた自身がよくわかっていない以上、実は相手の知識があやふやで正しくないことを言っているかはあなた自身には判断できないし、悪意を持って嘘をつく可能性は否定できません。

例えば、私が最初に受けてモヤモヤした質問は「私がPRを取得した場合、息子が兵役に参加する必要がある。息子が兵役になる年齢になる前にPRを放棄した場合、息子が何か不利益を受けることはあるか?」でした。私の回答は「そんなこと分からないし、なぜ私が答えるべきではない。ICAに聞いてください」でした。

これはそもそも兵役逃れというシンガポールでは刑事罰にあたる行為をやろうとしているようにも見えます。仮に実際問題なかったとしても倫理的な問題があります。私が「問題ありません。どうぞやってください」と言って、本当に実行に移して子供が刑事罰を受けた場合、子供の人生に大きな傷痕を残すことになります。そのことについて親としての道義的責任はどう思いますか?

質問者の素性が分からないと適切に回答できない

もう1つの問題は、回答者から見れば、質問者の素性が分からないので、適切に回答できない点です。

先日、LTVP (Long Term Visitor Pass) とシンガポールでの婚姻届について質問を受けましたが、まず前提としてLTVPはシンガポール市民とPRの家族向けが合法的にシンガポールで滞在するためのビザです。質問者が市民もしくはPRの家族ではなければ、質問者が申請すべきは DP (Dependent Pass) の方です。

よって適切に回答するためには、質問者の素性について把握するためにいくつか質問する必要があります。しかし、無償でそこまでやる必要がないと考える人が多いと思うので、実際には単に聞かれたことに対して答えるだけだったりします。すると、質問者はビザ制度について誤解を抱えたまま、間違った助言を受けてビザ申請を行おうとしますが、結局は誤解していることに気づき、時間とお金を浪費してしまうことになります。

ビザ制度や入国申請状況が刻一刻と変わるので回答者の過去の経験は今では無効かもしれない

さらに、シンガポールのビザ制度や審査基準などは変わりますし、現在はCOVID-19の入国許可の状況が日に日に変わっています。よって数ヶ月前の体験であっても今現在では無効ということがあります。

例えば、以前は EP (Employment Pass) を取得している人の家族で DP (Dependent Pass)を取得している人は、企業からオファーをもらい、シンガポール政府から LoC (Letter of Consent) を取得して合法的に就労することができました。

しかし、2021年5月1日から DP 保持者で就労したい人は、EP もしくはSPassを取得する必要があると法律が変わりました。よって5月1日以前にLoCを取得して就労していたDP保持者が、過去の経験を元に「自分はLoCで就労できた」と言ったとしても、それは今っでは間違いです。よって過去の経験にある人に聞いてもダメです。

政府公式発表を理解してないとビザ剥奪・国外追放になる危険性もあるので、結局は政府の公式発表を読むしかない

もし仮に誰かに助けてもらい、英語の政府公式資料を一才読まずに無事にビザを取得したとしましょう。しかし、いざ入国するとシンガポール政府が発表する指示や法律に従う必要があります。もし、シンガポールの法律に従っていない場合、最悪、ビザが剥奪され、国外追放になる可能性があります。

例えば、ニュースを見ると、度々、隔離や集会に関する政府のガイドラインに違反した方が逮捕され罰金を受けたケース、外国人の場合は就労ビザが剥奪されて、国外追放になったと言うケースを見かけます。具体的な例は以下の記事を参照ください。

https://www.straitstimes.com/singapore/courts-crime/12-foreigners-deported-and-barred-from-singapore-for-non-compliance-with-safe

この人たちは政府の発表を読んで理解していたかは私には分かりませんが、知らなかったでは済まされません。シンガポール政府としては公式に発表している以上、その法律に違反している人を見つければ罰則を与えます。

もし国外追放を受けた場合、これは大事ですし、今後、海外に出る際に何かの支障をきたす可能性があります。

シンガポールの法律についてはシンガポール政府の公式発表をちゃんと読んで!!!

ここまでダラダラと書いてきましたが、要は本来は外国人であるあなたが、海外の当該国で合法に滞在し、就労する上での根拠となり、生命と財産と同じくらい大事なものがビザです。それほど大事なものを他人に頼らず、自分でちゃんと理解して、自分で処理すべきだと言うことです。素性のよく分からない他人に、自分の生命と財産を預けるべきではありません。

そこで、ここまで読んで「では誰を信頼したら良いの?」と質問する人もいるかもしれませんが、シンガポールの法律を作っているのはシンガポール政府ですので、世界で唯一シンガポールの法律について正しく情報提供できるのもシンガポール政府です。必ず自分が必要な情報については政府のWebページを読みましょう。

特に入国関係を担当しているICAまた外国人の就労を扱っているMoM、COVID-19絡みの安全ガイドラインを扱っているMoHは必須の情報源なので、ニュースを見て何か重要な発表があった場合は、必ずWebページの該当部分を読みましょう。

日々のニュースは、StraitsTimesCNA を見ていればOKだと思います。

どうしても自分で英語の文書を読むのが嫌だという人は、何がしかのエージェントを雇って日本語に翻訳した文書をもらうなりする手はあるかもしれまん。が、私はやったことないので、どれくらい費用がかかるかは知りません。

おわりに

最後になりましたが、海外に出る以上、英語のニュースや政府文書を避けることはできません。安易に信頼性の低い二次情報に頼らず、政府などの一次情報を原文で読む習慣をつけましょう!最初は大変かもしれませんが、慣れれば大したことないです。では今後も頑張って、海外生活を楽しみましょう!

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