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新たなる「帝国主義論」

21世紀の現代、新たなる「帝国主義」が世界をどす黒い霧で覆い隠している。

かつての「帝国主義論」は、資本主義は、資源と労働力と市場の確保のため、植民地争奪戦争を必然化するとしている。そして、それは武力と軍事力を用いるものであった。21世紀の今、新たなる「帝国主義」が跋扈している。それは「グローバリズム」と「新自由主義」だ。

莫大な資金は、より多くの資金をさらに獲得する為に世界のマーケットを独占し、さらに、より多くの資金を獲得する為に、世界のマーケットの争奪戦を繰り広げる。溢れる資金の行方はその投資先、つまりは「経済的植民地」の争奪戦争という銃を使わない戦争を必然化する。

「経済的植民地」の争奪戦争は、かつての帝国主義による植民地争奪戦争と重なって見える。唯一の違いは、かつての帝国主義は武力と軍事力を用いるのに対して、"新しい"帝国主義は経済力と金融資本を武器として用いるという点にある。

「グローバリズム」と「新自由主義」は、正に現代版の"帝国主義"である。有り余る資金を持つものは、"投資"という手段を用いて、資源を強奪し、安い労働力を求めて、非正規雇用を生み出し、更に、市場を求めて世界で暗躍する。

この、新たなる"帝国主義"は、健全な中間層を壊滅に追いやった。その結果、グローバルエリートとプレカリアートとの二極化を生み出した。かつての資本家と労働者との二極化とが重なり合う。

21世紀というハイテクの時代に突如として現れた19世紀から20世紀にかけての邪悪なイデオロギーが墓場から蘇った。「帝国主義」は「グローバリズム」と「新自由主義」という形で姿を変えて今日も労働者階級から搾取を続けている。

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