伝統建築を守るとは?
自分が生まれ育った田舎の町には
「町並み」
と地元の人から親しみを込めてそう言われている、いわゆる江戸時代の頃に建てられた浅黄色をした漆喰壁の伝統建築群があります。
7年前、独立してから3年目かな。
町並みに存在するある一軒のお宅(保存地区だが、人は住んでおられます)の柱の根継ぎや腐ってしまった框(カマチ)などを取り替えるお仕事が舞い込んできました。
根継ぎと言うのは柱のダメージのある部分だけを取り除き、新しい木材と入れ替える施工内容です。
今まさに差し込んでいる途中の画像ですね。
鬼太郎が柱を差し込んでる途中でしょうがぁ‼️
って北の国からの五郎さんはいらないですね…はい。
足元は石の上。見えなくなる所ですがちゃんと石の丸みに合わせて柱をのせております。
よく見える画像が無かったのが残念…。
こうやって、伝統的な技法で挑戦してる時ってワクワクするんです。全然儲けにならない仕事ですが、面白かったら、自分はやっちゃいます。(笑)
だからボトムの人間のまんまなんだな(汗)
こんな作業をしてましたらね、観光客の方もちょくちょく見学に来られて、まぁ中までは入らせないですけど、危ないので。
そしたら、あるインテリぶったおじさんが来ましてね、
おじ「お兄さんまだそんなやり方でやってんの?」
なんだ?この感じ悪いおじさんは?
おじ「今は床下にダンパー入れるんだよ。強いよー」
うるせぇな。会話にならないから追い返しました。
自分は「伝統建築の保存」とか伝統建築を守る」の定義って、やっぱり当時の技法と知恵で守っていかないと意味がないと思ってます。
ダンパーの油圧で地震の揺れをいなす理屈はわかりますが、カルチャーは守られてない。
出来る限り当時の文化も込みで守らないと「保存」にはならないと自分は思うんだよね。
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