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#18 「ソニー生命保険事件」東京地裁(再掲)

2003年12月17日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第18号で取り上げた労働判例を紹介します。


■ 【ソニー生命保険(以下、S社)事件・東京地裁判決】(1999年3月26日)

▽ <主な争点>
会社所有パソコンの質入れを理由とする懲戒解雇

1.事件の概要は?

本件は、S社の営業担当として勤務していたXが、会社所有のパソコンを3回にわたり質入れし、さらに質入れしたパソコンが質流れで販売されていた。このことは就業規則の「会社の金品等を費消または流用したとき」に該当するとして同社がなした懲戒解雇の効力が争われたもの。

2.前提事実および事件の経過は?

<Xについて>

★ Xは、平成3年8月、S社に入社し、営業担当社員であるライフプランナー(生命保険募集人として生命保険契約の締結の媒介、保険料の集金等の業務を行う)として勤務していた者である。

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<本件解雇と退職金不支給に至った経緯等について>

▼ 9年10月、質流れのパソコン(S社所有)を購入した者がそのパソコンをパソコンショップに持ち込んだ旨の連絡がS社にあり、同社はそのパソコンの貸与を受けていた者がXと判明したため、調査を開始した。

▼ 当初XはS社に対し、顧客先でパソコンを紛失した旨弁解し、最寄りの警察署に対しても虚偽の届出をしたが、同社が同警察署の協力を得て調査したところ、X本人がパソコンを質入れしたことが判明した。

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