#413 「日本ハウズイング事件」東京地裁(再々掲)
2016年6月8日に配信した「会社にケンカを売った社員たち」第413号で取り上げた労働判例を紹介します。
■ 【日本ハウズイング(以下、N社)事件・東京地裁判決】(2014年12月24日)
▽ <主な争点>
住込管理人の管理人室退去と自主退職など
1.事件の概要は?
本件は、N社に住込管理人として雇用されていたXらが同社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることの確認とバックペイの支払いを求めたもの。
2.前提事実および事件の経過は?
<N社およびXについて>
★ N社は、マンション管理事業、ビル管理事業、不動産管理事業等を主として行う会社である。
★ XおよびYは、平成25年4月、N社が管理しているマンション(以下「本件マンション」という)の住込管理人として、夫婦で採用されて労働契約を締結し(以下「本件労働契約」という)、同年5月から勤務を開始した者である。
--------------------------------------------------------------------------
<本件訴訟に至る経緯等について>
▼ 25年7月、N社のA課長、B主任がXらを訪れ、本件マンションの管理組合の要望(昼休み時間も管理人室のカーテンを開けてほしい等)に応えるように求めたが、Xらが断ったところ、A課長らはXに対し、退職届を書くように求めたが、Xは書かないと述べた。
▼ Xらは同年8月10日、A課長、B主任立会いのもと、後任者に引き継ぎを行い、管理人室を退去した。Xは管理人室に居座らなかった理由としては、「後でN社から管理人としては解雇しているので、居住権がない、家賃を払えといわれても困ると思い、退去した」旨述べている。
ここから先は
2,113字
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?