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[企業法務]コミュニケーション能力

企業法務に限った話ではありませんが、仕事をする上でコミュニケーション能力が必要になってきます。

そもそも「コミュニケーション能力」とは一体何か?職種によって違いはあるかと思いますが、少なくとも「情報を伝える」「情報を理解する」「情報を受け取る」「情報を理解させる」といった能力が核になってきます。

コミュニケーションは相手があってこそです。モノローグ(独白)ではなくダイアローグ(対話)がコミュニケーションに伴ってきます。

では、企業法務担当者のコミュニケーションの相手、つまり対話の相手は誰になるでしょうか。

複数の法務担当者で構成される法務部門であれば部門のメンバーが対話の相手になることはもちろん、地位や役職によっては経営陣が対話の相手になることもあります。また、法務業務のワークフローによっては事業部門(営業担当者等)の人が対話の相手になるでしょうし、法務業務の内容によっては総務部門、人事部門、経理部門等との対話や連携も必要になってきます。

このように対話の相手はさまざまです。対話の相手のリーガルマインドやコンプライアンス意識の有無もさまざまです。対話の相手のリーガルマインドやコンプライアンス意識を高めていくことも法務担当者の役割の一つとも言えますが、これは別の機会に。

基本的には「法律用語は難しいものである」という理解のもと、「対話の相手が理解できるように説明する」ことが必要であり、このような説明ができることが法務担当者のコミュニケーション能力の一つと言えると思います。(もちろん法務部門内でのコミュニケーションや弁護士とのコミュニケーションにおいては逆に「法律用語に変換する」ことが法務担当者のコミュニケーション能力の一つになってくるかと思います。)

難しいことを簡単に説明するのはなかなか大変な作業になってきます。たとえば、「善意と悪意」。法律上の意味と一般的な意味は異なってきます。この法律上の意味をどのように簡単に理解できるように説明していくか?といったことを考えるだけでも良いトレーニングになるでしょう。逆のパターンとして、何らかの問題が発生して法的な解決策を考える中で、「支払期日は知っていたのですが、銀行のシステムに障害が発生して支払いができませんでした」という話があった場合、これを法律用語に変換し、法務部門の上司や仲間と話し合ったり、弁護士に意見を求めたりするというシミュレーションをするのも良いかもしれません。

一朝一夕にこうしたコミュニケーションスキルを習得するのは困難ですが、日々研鑽してコミュニケーション能力を高めていくと、もっと法務業務がやりやすくなり、やりがいを感じられるようになると思います。

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