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[企業法務]ブレインストーミング

企業法務の仕事の中心的なものとして契約書の作成や事業部門等からの問い合わせに対する回答があると思います。

一番最初の作業であり、なおかつ一番重要な作業は「ヒアリング」による「事実関係の把握」があります。

「契約書の作成依頼」であれば、「相手方」「契約を締結する目的」「業務上のリスクとして依頼者が想定していること」を聞いた上で、「事実関係を把握」していきます。

依頼者もさまざまなので、決まった型はないかと思いますが、話をただ聞くのではなく、不明点についてはどんどん質問をして、「分からないこと」が極力ない状態で「ヒアリング」と「事実関係の把握」を終えられるのがベストです。

「問い合わせ対応」も同様で、問い合わせをした人が把握している「問題の原因」「問題の内容」「相手方の主張」などを聞いた上で、「問題の全体像」を把握していきます。「契約書の作成依頼」とは異なり、実際の「メールの文面」や「会議の議事録」など文書として残っている記録があるのであればすべて提出してもらうことも重要になってきます。これは「事実関係の把握」に役立つだけでなく、「証拠集め・証拠保全」の観点からも重要になってくるでしょう。

これらの作業が終わると法務担当者がボールを預かることになります。

「どんな法律が問題になってくるのか」「どんな法的リスクが考えられるか」「どんな種類の契約が必要か(NDA、売買、請負、業務委託など)」などを見極めていくのが法務担当者の腕の見せどころになってきます。

このときに頭を再度フル回転させる訳ですが、「ブレインストーミング」や「マインドマップ」の手法を取り入れると精度や効率の向上に役立つかもしれません。「インプットしたものをとりあえずアウトプットする」のが重要です。その際に何らかの形で視覚化、可視化していきましょう。

収集した情報に基づいて「マインドマップ」を作成し、点を線でつないでいくと、何かが見えてくるかもしれません。また、「マインドマップ」を眺めると「ブレインストーミング」をしやすくなるでしょう。特に「ヒアリング」の法務側の担当が1人であって、法務部が複数人で構成されるチームの状況であれば尚更です。マインドマップを見ながら議論を進めて、法務担当者としての回答を見つけたり、さらなるリスクを特定したり、新たな解決策を見出したりできるでしょう。もちろん一人法務の場合も一人でじっくり考える際に「マインドマップ」は役に立ちますし、1人で「ブレインストーミング」的に脳みそをこねることもあるでしょう。

何事も最初が肝心とはよく言われますが、法務の日常的な業務についても同じことが言えると思います。「事実関係」や「問題の本質」を誤解すると次の作業が無駄になってしまったり、依頼者の信頼を失ったりする可能性が大きいです。


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