見出し画像

春のボカレトロ名曲 5選


※トップ画像は、PIAPROから「はつね」(作者:ハジダさん)をお借りしました。問題があればご指摘ください。


懐かしい春のボカロ有名曲を、5作品ほど選んでみました。

ボカレトロの定義は様々でしょうけど、現在から10年以上前に投稿されている作品を扱うことにします。

ボカロ黎明期の楽曲で、いまや聴かれる機会も少なそうですが、春の息吹を伝え続けてきた名曲。輝きは失われていません。

それでは、5選をどうぞ。


**


1.桜の季節 - Full.ver 【初音ミク】(オリジナル)

2007/11/2 ゆうゆPさん

さくら さくら 舞い踊るように
あたたかい思い出包み
さくら さくら 咲かせておくれ
あの人のいない道を

「深海少女」の作者、ゆうゆPさんの初投稿は、この「桜の季節」のショート版でした。「死別」をテーマとした切ない和風曲ながら、明るく前向きな印象で多くの支持を受けます。後の「白の季節」「クローバー♣クラブ」「極楽鳥」「天樂」そして「深海少女」へと連なる第一歩となった楽曲だといって良いでしょう。

ニコ動投稿以前は、『篠螺悠那』(ささらゆうな)名義などでBMS作者や東方楽曲アレンジャーとして活動していました。2007~2015年までボカロシーン黎明期から黄金期まで影響を与えた後は空白期となりますが、2022年頃から少しずつニコ動にボカロ曲を投稿されています。

(参考)

【初音ミク】 深海少女 【オリジナル】

2010/9/1 ゆうゆPさん

深海少女 まだまだ沈む 暗闇の彼方へ閉じこもる
深海少女 だけど知りたい 心惹かれるあの人を見つけたから



2.【初音ミク】桜前線異常ナシ【オリジナル曲】

2010/4/23 ワタルPさん

桜前線ハ異常ナシ この枯れた体は花のように 舞い上がれ
遠く遠くに見える 雲を眺めては目を閉じる

VOCALOID桜曲/春曲では、約170万再生と最も再生数が伸びている作品。勢い良いリズムに乗せた和風楽器の協奏音が美しく、ワタルPさんの名を一挙に知らしめた代表作です。

まだ花は少ないけど 少しずつでいい
枝を伸ばして 蕾を増やし 大地に根を食い込ませ
高く高く 咲き誇れ

上記から分かる通り頑張る人への応援歌ととれる歌詞で、背中を押された人も多いのではないでしょうか。気に入った方は、ぜひ過去曲の巡回を。

ワタルPさんは2009~2013年まで投稿していたミクマスター。ツイッターやSoundcloudでは2020年頃までの足跡を追えますが……今は何をしてらっしゃるんだろうか。お元気だと良いなあ……



3.【初音ミク(40㍍)】STEP TO YOU【オリジナル】

2009/2/16 40㍍Pさん

会いに行こう そう決めたんだ
ここで 「ああだ、こうだ」 悩むよりも
会いに行って傷つく方が 心は軽くなる
だから会いに行こう そう決めたんだ
春を告げる風に吹かれて
二人の花びら 舞い散る

ややゆったりめ(BPM115)の、春の切ないボカロック。作者ブログによれば、自分が作り上げた幻想ではなく、在りのままの君に会いに行こうという切なくも前向きな曲、だそうです。

40㍍P(40mP、40メートルP)さん、押しも押されもせぬ有名Pですね。代表作は「からくりピエロ」「恋愛裁判」「トリノコシティ」など多数にわたります。2008~2014年まで主にミクマスターとして投稿を続け、2015年からはイナメトオル名義でシンガーソングライターに。その後も毎年ボカロ曲を投稿するなど、ボカロシーンに寄り添ってくれている方。

(参考)

【初音ミク】恋愛裁判【オリジナルMV】

2014/6/10 40mPさん

まさに恋愛裁判
君は僕にどれくらいの罪を問う?
最終弁論 涙の後に君から告げられた
僕は有罪(ギルティ)

【初音ミク(40㍍)】 からくりピエロ Karakuri Pierrot【オリジナル】

2011/12/2 40mPさん

それは偶然で そして運命で
知らないほうが良いと知ってたのに
触れてしまったの 君の温もりに
その笑顔で その仕草で
僕が壊れてしまうから


4.【初音ミク】夢と葉桜【オリジナル曲】

2011/7/17 青木月光さん

この川の流れるが如く
穏やかに音色が聞こえる
吹く風が頬を撫でていく
懐かしい思い出が滲む

美しさに震えてしまうほど見事な和風バラード。しんしんと沁み透る音色にどこか郷愁を誘われます。

これが初投稿という青木月光さん。3人組のボカロPらしいですが、今でも詳細は不明。他には「神居古潭」という曲を発表したのみ。よろしければ、ぜひお聴きください。

(参考)

【Mew】神居古潭【オリジナル曲】

2012/4/20 青木月光さん ※VOCALOID3発売記念コンテスト参加曲

花の散りゆくように
季節の巡りゆくように
繰り返す無情に願うのは
永久に継がれる静寂



5.【初音ミク】OVER【オリジナル曲】

2009/4/19 鮭P(Shake Sphere)さん

そう 穏やかに季節は変わっていく
頬をかすめるよ 淡く柔らかい風
Ah どこからか 微かに聞こえてくる
それはあの日の 優しいメロディー

切ないベースラインが印象的なR&Bを得意とする、鮭P(Shake Sphere)さんの代表作。春色の切ない失恋ソングです。

Shake→鮭(しゃけ)PというP名由来。
主にミクマスターとして、2008~2010年頃に活動されていました。

実は「oga」と「low」の2人から成るユニットであり、全ての楽曲は2人の共同で制作されていました。今は何をされているのかしら……「OVER」以外の代表作は「ポラリス」「End of Rain」「Last Smile」など。

(参考)

【初音ミク】ポラリス【オリジナル曲】

2008/12/12 鮭P(Shake Sphere)さん ※星のうた・バラード

いつもキミを探していたよ
二度と迷わない
星の終わり見届けよう
変わらない想いがあるんだ

【初音ミク】Last Smile【オリジナル曲】

2008/4/19 鮭P(Shake Sphere)さん ※「ベースラインの魔術師」タグ

君がくれた 笑顔のわけ
まだ僕には わからないんだけど
まばたきさえ できないほど
最後の笑顔は 美しかったんだ


**


2007~2011年、春のボカロ名曲を紹介してみました。

もちろん他にも懐かしい名作は数え切れぬほどあるのですが、紹介するには余りに人生は短すぎます。

よろしければ、上記から探してみて下さい。

ではまた、vocanote記事で。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?