ヴィンテージの服は買わない

<買わなくていいと思うもの>

自分が「ファッション」の中で買わなくてもいいと考えているのは「ヴィンテージの服」と「Itバッグ(流行のブランドバッグ)」と「高いのに質の悪いブランド物」。
ついでに「福袋」も加えて書いておきたい。

この記事ではヴィンテージの服を買わないことにしている理由について書いていく。


・ヴィンテージの服は買わない
私は「古着」はよく買う一方で、「ヴィンテージ」の服は一度も買ったことがない。
おそらく今後も買うことはないと思う。

ヴィンテージの服を買わない理由、そのひとつめは、古いのに、高いから。
私は繊細なデザインの服が異常に好きなため、レースとか刺繍とかフリルとか見るといいな~、と思ってしまう。
ヴィンテージでそういうので素敵なものっていっぱいある。
でも、やっぱりデザインのどこかが古くさい。
多くは服のシェイプが古くさい。
古くさいデザインの服は着こなしにくいのだ。
少なくともコーディネートのメインの一着にはならない。

古くさいデザインの服は着こなしにくいことを学習したのは中学生の頃。
私服の中学だったので、自分の服だけではコーディネートの手数が少なく、中二ごろから母親のお下がりをもらうようになった。
母親は167cm。
私は今は168cmだが当時は160~165cm。
なので、母親の服も着れた。

お下がりでもらえるのは、大昔に買って、本人がもう着ないもの。よく母親に、なんかいらん服ない?と聞いていた。
そうすると、クローゼットの奥の方から結婚する前に買った服を出してくる。
それを品定めして、着てもいいと思えるものを選んで着ていた。

お下がりの衣服はだいたい20年ほど昔のものなのでシルエットが古い。
なので、自分の手持ちの服にまぎれこませるのに工夫が必要になる。
古くさいアイテムをいかに古くさく見せないか試行錯誤するのがコーディネートの練習になった。
古くさい服を何とか着こなそうと試みるのも面白かったといえば面白かったが、やはりお下がりはコーディネートのメインの一着にはならない。メインの一着にすると、古さが目立つからだ

例外的にお下がりで役立った服としてはヨーガンレールの巻きスカートで、これは薄いブラウンのやや透け感のある薄手のコットンに、大ぶりの紫や赤の花と緑の葉のプリント。
色だけ書けば派手な印象を受けるが全体のトーンは抑え目でやや渋い雰囲気。
「高級感のあるエスニック」といった趣の、独特な雰囲気の趣味のいいスカートだった。元値も高そうだった。
母親はスカートを全然はかない人物。
なのにそれを買ったのはそれでも買ってしまうくらいこの服に魅力があったからだろう。
巻きスカートというのは流行りすたりのない型であるし、抑え目なトーンの大胆な柄に、柔らかい薄いコットンにたっぷりギャザーを入れて贅沢に生地を使った、その柄と素材使いの掛け合わせも良かった。

かくのごとく、よっぽど流行りすたりのない型でない限り、古い服は着こなしにくいのだ。
だから、私は、自分で服を買えるようになってからはシルエットの古い服は着ないことにしている
服というものは、それが作られたときの時代の影響を受けている。なので古い服はたいていがシルエットも古い。だから私はヴィンテージにも手を出さない。

それに、ただでさえ高いヴィンテージの服の中でも、私が好きなような繊細で凝ったものはめちゃくちゃ高い。
こういうものは、洋服を作るプロが、技術やデザインの参考のために買うものなんじゃないかなあ。美術品みたいな存在だと思う。
私は洋服を作るプロでもアパレル関係者でもないから、着ない服を買ってもしょうがない。
凝った仕様は好きだけど、私は、服は、自分が日常的に着る目的で買っている。だからヴィンテージの服は買っても活用できない。

さらに重要な理由。
あまりにも古い衣服はもはや「服」というよりも「服の形をした古い布」になっていて、服に自分の生気を吸い取られそうだから。

実際ヴィンテージ服のお店は、服屋というよりもどちらかというと骨董品店寄りの雰囲気なんだな。
これがヴィンテージの「服」屋ではなく、ヴィンテージ「家具」屋になると、確実に何かの「気配」を感じる。
だから、家具は、絶対にヴィンテージは買わないことを心に誓っている。
中古の家具を買ったら幽霊憑いてたって話たまにあるでしょ?あれ、絶対実話だと思っている。

そしてどうでもいい理由。
ヴィンテージを着ていることをアピールする人々が好きではない。

別にヴィンテージでも、さっき買ってきた新品の服でも何でも自由に好きな服を着ればいいのに、それがヴィンテージであることをわざわざアピールするのは、「ヴィンテージの服を着こなしてる自分ってすごいだろ?」って言いたいのだろう、要は。

同好の士同士でヴィンテージの服を着ていることに気づいて盛り上がるのはいいとして、わざわざ自らアピールするのって逆にダサい。
ブランド物をアピールしているのと全く変わらない。

ヴィンテージ市場は骨董美術と同じようなニッチでマニアックな世界だろうから、ヴィンテージを着ていることをことさらに言い立てる人は、そこに通暁しているアピールをして、自分を「おしゃれ上級者」と演出したいんだろう。
何も言わずさらっと着ているのがほんとのおしゃれではないのか?

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