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無人島に持っていきたい1枚

どうも、高木です!

僕らの2ndフルアルバム『COLORS』がリリースされてもうすぐで1ヶ月経つんですね。いつも聴いてくださってありがとうございます!

『COLORS』はみなさんにとってどんなアルバムでしょうか?

面白いサウンドだな!って思ってくれた人。生活や人生の中の1ページにしまってくれた人。歌詞に感銘を受けてくれた人。まあそれなりやな!って人。笑

人によって様々な聴き方があると思うんですが、正直自分達だと全く想像つきません。
どんな風に受け取ってもらえたのか是非コメントで教えてください!

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さて、タイトルにもある通り今回のテーマは《無人島に持っていきたい1枚です》。
最近このフレーズを聞くこともなくなりましたが、中にはピンとくる人もいるんじゃないでしょうか。

これは、「無人島にCDアルバム1枚を持っていけるとしたら誰の何の作品を持っていくか」というテーマです。

今でこそ音楽配信サービスによるストリーミング再生が主流ですが、Apple Musicや Spotifyが登場する2015年以前はCDの流通が一般的でした。
それこそ、iPodを筆頭としたデジタル再生機器が登場してからはデータコピーが蔓延したことでCDが売れなくなったなんて言われたりもしましたが、この時代にはまだCDアルバムを「1枚」とカウントする文化があったように思います。

そして、この議題はそんな時代に存在した「もしも」のトークテーマです。

今回は僕のとっておきの『1枚』をご紹介します。

FANTASMA / CORNELIUS

1989年にフリッパーズ・ギターで小沢健二と共にデビューした小山田圭吾のソロプロジェクト《CORNELIUS》の3rd Full Albumです。

小山田さんの名前は去年の東京オリンピックの際に、不名誉な形ですが耳にした人も多いんじゃないでしょうか。
彼の人間性は僕には分かりかねますが、天才中の天才であることはここで断言しておきます。

このアルバムとの出会いは僕が高校生くらいの時だと思います。

当時、メディアに出てくる音楽以外を発掘したくてよくCDショップに通っていました。タワーレコードやHMVなどでは新作のCDが試聴出来たので、なんとなく雰囲気でカッコよさそうなロックバンド、今まで聴いてこなかったルーツミュージック、ポストロックやシューゲイザーなどのアンダーグラウンドミュージックをひたすら視聴し続けていました。

しかし、当時お金がなかったので新品の作品だとよほど気に入ったもの以外は購入できません。なので、その物欲を埋めるべく僕は中古CDショップのワゴンセールを漁るようになりました。

このワゴンセールは中古製品が値引きされているのでとにかく安い!フルアルバムCDが100〜300円程度で手に入るんですよ。
しかし、そこに置かれているCDは全く無名のアーティストがほとんど。その上、視聴が出来ないのでジャケ買い(CDのアートワークの好みで購入する行為)を要求されます。

なので、なんとなくお洒落っぽそうだなあって作品をいつもは選んでいたのですが、その時だけはやけに無骨なCDが目に止まりました。
それが今回ご紹介する「FANTASMA」です。

今見るとお洒落さがわかります。


オレンジと白だけのデザイン、ゴツゴツしたいかにもプラスチック!って感じのCDケース。正直「なんだこれ」って最初は思いましたが、怖いもの見たさのような気持ちが勝ったので購入してみることに。

しかし、帰って聴いてみてビックリしました。
まったく意味がわからん!!そもそもこれって曲なん?

やっぱ僕らにとって音楽って、《イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ》って流れが主流じゃないですか。けど、FANTASMAの1曲目(上記のMic Check)はその概念をぶった斬るものだったわけです。

結果としてよく分からないものはよく分からないまま。CDには棚の奥の方で眠ってもらうことにしました。

それから数年経ち僕が大学生になった頃。
その時にはバンドをやるようになり音楽仲間も増えて、好きな音楽を共有し合い、高校当時より音楽の幅も広がるようになりました。
この時には自分のPCも手に入れてネットで音楽を探すようになっており、CDは全て段ボールに詰めて押し入れに移動させていました。

ただ、ふと昔のものを掘り返したくなる瞬間ってあるじゃないですか?棚の奥の漫画を読み返すみたいな。
そんな感じで、高校生の時に購入したCD達を聞き返したんです。もちろんFANTASMAも。


この時の衝撃だけは一生忘れないと思います。


購入当時は全く理解できなかったFANTASMAがめちゃくちゃカッコいい!凄くお洒落!凄く最先端じゃん!
あまりにびっくりして調べてみたら、1997年の作品だったことに更にびっくり。
この記事を書きながら作品を聴いていますが、令和にリリースされた作品と言われても違和感ありません。
曲のバリエーションが豊かな上に実験的で聴き飽きることがないんです。

本当の唯一無二ってきっとこういう作品のことをいうんだと思います。色褪せないとかどうとか以前に、そもそも褪せたかどうかの比較対象がないみたいな。

それでいて、2022年までの音楽を振り返った時にFANTASMAは予言書でもあったと思います。
2010年以降のオルタナティブロックの要素や、近未来的な電子サウンド、教会的な声楽の要素など、昨今のポップスにとって重要な役割を持つ要素などを既に実践していたことには恐怖すら感じます。

僕自身これまでに相当な数の音楽を聴いてきた自負はありますが、こういう不思議な感覚に陥る作品はFANTASMA以外に知りません。
これは新しい音楽に対する僕の感性が劣化しただけなのか、世の中の誰もこの作品に追いつけていないのかは分かりませんが、、、。

ただ、少なくともFANTASMAは未だに次の時代への糸口を持っている作品だと僕は思っています。

CORNELIUSの『FANTASMA』。
皆さんも是非聴いてみてください。

僕らの『COLORS』も誰かにとって唯一無二な《1枚》になっていればいいなあ。


それではまた次回の記事でお会いしましょう!

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