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権力、人質犯、交渉人による三つ巴の駆け引き「ザ・ネゴシエーション」を紹介

「ザ・ネゴシエーション 협상」は2018年に韓国で製作されたヒョンビン、ソン・イェジン主演のサスペンス映画だ。

この映画をざっくりいうと

◇腐敗した権力、目的不明の人質犯、人質を救いたい交渉人による三つ巴の駆け引き。
◇タイムリミットのあるなか、交渉人ハ・チェユン(ソン・イェジン)と凶悪犯ミン・テグ(ヒョンビン)の短時間の交渉/駆け引きでテンポよく進むストーリー。
◇凶悪犯テグの交渉能力・残虐さ・カリスマ性・信念に終始惹きつけられる作品。ワルな色気がすごい。

あらすじ

ソウル市警危機交渉班の警部補ハ・チェユン(ソン・イェジン)は、事件現場で犯人との交渉中に人質と犯人の両方を死なせてしまう。
それから10日後、事件に大きな責任を感じて辞表を提出しようとしたハ・チェユンのもとに再び応援要請が入る。
ミン・テグ(ヒョンビン)と名乗る人物が、タイ・バンコクで危機交渉班のチーム長と韓国人記者を拉致し、ハ・チェユンを名指しで交渉相手に指名する。彼は外事課が以前から追っていた、国際犯罪組織の武器売買業者のリーダーだった。
拉致の動機、要求も不明。目的が見えないミン・テグに対し、交渉の糸口を掴めないハ・チェユンに焦りが募り始める―
特殊部隊の救出まで残り14時間。警察を嘲笑い、残忍な人質ショーを繰り広げるミン・テグと、数日前に起きた事件のトラウマに苛まれながらも、今度こそ人質の命を救おうと後に引けない交渉人ハ・チェユン。果たして交渉の行方は―

ヒョンビンの色気はここから

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凶悪犯テグの交渉は一室内のビデオ通話で行われるという非常に限定的なシチュエーションになっている。そのため画を動かすために、ヒョンビンがよく動く。ぐっとカメラに近づき、アップの顔で話しかけたり、カメラ目線での話しかけが多い。

いつもと違う悪役を演じるに当たり、観客の期待を超えようと、演技に工夫を凝らしたという。役作りに関しては、「目はうつろに、投げやりな喋り方で、強行に出る場面ではむしろ力を抜いて演技をするようにして、観客に何を考えているのか読めないようなキャラクター作りをしました。」と語った。(公式サイト)

このうつろな目、投げやりな喋り方、感情の静動の起伏の激しさ、型破りな余裕を感じさせるための上部ボタンを留めないスタイルのはだけた胸元が組み合わさり、非常に色気があるのだ。

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映画に関係のない邪念がわいてくるほどなので、ぜひ観てほしい。

真の主役は凶悪犯テグ

交渉人チェユンと凶悪犯テグのW主演であるが、真の主役は凶悪犯テグだ。

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チェユンとテグの交渉が進むと、人質事件の目的や背景・真実が明らかになる。人質を救いたいという強い思いを持ったチェユンは、人質事件の動機を理解していくにつれて、テグと対立する交渉人の役目から、彼を守る立場へスライドしていく。外見や立場のワイルドさに隠した、内面に抱えた心の傷は敵対相手が守りたくなるほどで、チェユンの立ち位置も変える。

人質事件のきっかけから、交渉の攻防、チェユンの立場の変化、結末まで、テグの信念と人生が軸になっている。

腐敗した権力に反発する交渉人チェユン

チェユンは、最初のソウル人質事件で人質を亡くしてから、罪の意識と力不足を感じ辞職願を出すが、テグが犯した人質事件で交渉人として指名される。

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腐敗した警察上層部・国家情報院が隠したい事実があることにより、彼らの思惑に振り回されながらも、確固たる意志を持って反発し、人質を救おうと必死に立ち回る芯の強い姿は、「私の頭の中の消しゴム」「白夜行 -白い闇の中を歩く-」「ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女」「殺人の疑惑」「荊棘(ばら)の秘密」で演じた役柄とは違う魅力のイェジンが見られる。

ポスターデザイン

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予告動画

作品概要

ザ・ネゴシエーション
협상
2018年

監督:
イ・ジョンソク(ヒマラヤ 地上8,000メートルの絆/脚本)

脚本:
チェ・ソンヒョン(それだけが、僕の世界/監督・脚本)

出演:
・ヒョンビン(コンフィデンシャル 共助、王宮の夜鬼)
・ソン・イェジン(荊棘の秘密、ラスト・プリンセス 大韓帝国最後の皇女)
・キム・サンホ(ありふれた悪事、ワンドゥギ)
・チャン・ヨンナム( 無垢なる証人、虐待の証明)
・チャン・グァン(殺人の告白、王になった男)
・チョ・ヨンジン(瞳の奥の殺人者)

評価:★★★☆☆


魅力ある作品なのでぜひご観賞ください。
最後までありがとうございました。

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