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天邪鬼

人と話していると、自分の伝えたいことと、相手に実際に伝わっていることの違いを日々感じる。

言葉足らずでそれが起きることもあるが、今までそれぞれが見てきた世界と、今見ている世界の見え方が違うのだから仕方がないとも思える。

けれど、会社や学校などの箱の中では、個は集団になるために、他人の考えに合わせ、世界観を無理に交わらせ、規則で縛ったりする。

人々は集団で活動するために自分を偽り、やがて個を失って集団に染まる。

会社で定年まで勤め上げて、晴れて自由の身になった時、残されたのは老いた身体と、生きるために必要な金だけ。

「人は支え合って生きている」と臭いセリフを聞くが、生活のために個を捨てるのならば、もはや何のために生きているのかわからない。

私は無理に理解しようとする集団よりも、誰にも理解されない個でありたい。

しかしこれもまた、同種の個を求めて集団になろうとしている証なのだろう。

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