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2024箱根駅伝 「復路」振り返りと次回への展望|創価大学

※見出し画像は、よろず工房:Yasuyuki様が「みんなのフォトライブラリー」にご提供いただいたものを使用させていただいております。ありがとうございます!

 本記事は、「往路」振り返りの記事の続きです。未読の方は「往路」編(下記埋め込み)を先にご覧いただければ幸いです。

 さて。2月になってしまいましたが、前記事に引き続き、自分の備忘録として「復路」の振り返りを遺しておきます。今回もメインは出走選手のPBプロット(ハーフ vs. 10000m)と区間順位まとめです。以下の目次から気になる区間だけでもご覧いただければ幸いです。


復路区間の出走選手のPBプロットと区間順位

 ここから復路各区間の出走選手のPBプロット(縦軸:ハーフマラソン vs. 横軸:10000m)のデータラベルに区間順位の結果を付したものを示していく。但し、全ての大学ではなく、前回大会シード校+私が個人的に気になった大学(大東大・東海大・帝京大・東京農大)を加えた14校のデータのみ。尚、PBプロットの説明(図中に引いた点線の意味等)については以下のXポストをご参照のこと。

・6区:#川上ブラザーズの末っ子|川上選手が区間3位の快走

 3年連続で山を駆け下ったレジェンド・濱野 将基(49期OB)さんの後を受けて6区を担ったのは、1年生の川上翔太選手。彼の実兄・川上勇士(東海大OB・サンベルクス)さんは昨年まで3年間山下りを走った選手(で濱野さんんとは6区の戦友)。従って、お兄様曰く”川上家4年連続の山下り!”。
 往路7位時差スタートから5秒後に残りの大学の選手が一斉スタートで追いかけてくる、なかなか緊張感がある展開。このプレッシャー等による腹痛もあったらしく、最初の上りでは集団に吸収され、徐々に追いていかれるように見えて、”何とか耐えてくれ!”と。だがしかし、下りに入るとどんどんと追い上げ、最終的には区間3位の激走!!今回の記録(58:12)は、創価大学箱根6区新記録(濱野先輩越え)!(他大も含めた)箱根6区1年生新記録!そしてお兄ちゃん越え!となった。

↓この結果を受けての濱野さんとお兄さんのXでのやりとりが、とても微笑ましくて好きw↓

濱野さんと川上兄さんのX(旧ツイッター)でのやり取り

 6区出走選手のPBプロットと区間順位(データラベルに記載)は以下の通り(Fig.1)。山下りも特殊区間でトラック1万やハーフPBとの相関はあまりない感じとはなったが、今回の区間賞の武田選手は法政の往路を走れるほどの実力を有するとされる。”過去2年間と比べると、下りに特化したトレーニングは積まず、平地での走力アップに励んだ。”とのこと。

Fig.1 :箱根6区出走選手のハーフマラソン PB vs. 10000m PB|データラベルに名前(大学名):区間順位を表示|前回99回シード校+αの大学のみ表示

今回の6区の主な区間順位のハーフ換算タイムは以下の通り:
区間1位 0:58:52
区間5位 0:59:27
区間10位  1:00:28

 下り特殊区間なので、通常のハーフとはもちろん単純には比較できない(ハーフの日本記録が1:00:00なのでそれを超えている)。川上選手の区間3位はハーフ換算59:05(2:48/kmペース)区間一桁にはハーフ換算60分半(2:50/kmペース)のスピードが目安となる。平地(トラック・ロード)でのスピード且つそれを下りとハーフの距離で活かせる適性が必要と考えられる。
 出走後のインタビューで川上選手は来年は57分台を目指すとのこと。6区は非常にダメージが激しく、あまりのキツさに「二度と走りたくない」とか意外と2回目が記録が伸びない(1度目のキツさがブレーキになる?)とも言われるが、復路小田原中継所に文字通り飛び込んだ後の悔しそうな雄たけび(本気で前の法政大を追っており、抜いて区間賞を目指していたと思われる)が印象的だった彼ならば、来年度以降も山を駆け下ってくれるのではと大いに期待してしまう(もちろん、平地の走力を磨けば、往路平地区間の候補にもなるでしょうが…)。

・7区:#潤から惇の時代へ|石丸選手が区間一桁でまとめる

 ハッシュタグ(#潤から惇の時代へ)のごとく、前回葛西潤選手(現・旭化成)が区間賞を獲得した7区に石丸惇那選手②が出走。本人のインタビュー(復路終了後)では、”80%ぐらいは補欠。小暮さんがケガで、それを自分が多分、背負って走った”とのこと。
 序盤で法政大に追いつき、中央大(区間賞となった吉居駿選手)には抜かれたが、法政大は引き離し、その後また吸収されるなど、見かけの順位変動はあったものの、各定点ポイントでみると着実に区間一桁の順位のタイムで推移し、最終的には区間8位の1:03:42でタスキ渡し。復路一斉スタートの影響で見かけの順番とは違い分かりにくいが、6区で川上選手が7位→5位に上げた総合順位を7区でも石丸選手がキープした格好で、昨年の箱根10区での悔しさ(区間15位で順位を4→8位に下げてしまった)を払拭する走りになったのでは!

 7区出走選手のPBプロットと区間順位(データラベルに記載)は以下の通り(Fig.2)。区間賞の吉居駿選手②はハーフのタイムはこれからという点と、万全ではないと伝えられていた東海大・石原選手と東農大・前田選手をの除けば区間2・3位および上位は比較的持ちタイムを反映した結果になっているか。

Fig.2 :箱根7区出走選手のハーフマラソン PB vs. 10000m PB|データラベルに名前(大学名):区間順位を表示|前回99回シード校+αの大学のみ表示

 今回の7区の主な区間順位のハーフ換算タイムは以下の通り:
区間1位 1:01:51
区間5位 1:02:48
区間10位  1:03:08

 往路前半区間に比べれば比較的マイルドなペースで、ハーフ換算62分ギリで区間賞区間一桁には3:00/km(ハーフ換算63分ちょっと)でカバーする必要がある。石丸選手は復路終了後のインタビューで”5km 14:20-30、10km 29:10程度でカバーし、後はキロ3分で押しきる”というプランだったと明かした。これだとハーフ換算で62分半ばぐらい?で区間4位相当。石丸選手の区間8位タイムはハーフ換算すると1:03:08で、15㎞以降を押し切れなかったとのこと。まだ2年年生ながら、入学から2年連続で三大駅伝を皆勤した石丸選手。来年は往路1区(3年生時の箱根1区は葛西選手と同じ)出走を個人的に期待!

2/4の丸亀ハーフで1:02:31のPB更新を早速果たしました!!

・8区:恩師の背を追った遊行寺の坂で…|小池選手

最後まで決めかねていた8区(築舘コーチ談)
直前で外れた一年生の齋藤(吉田主務談)
とのことで、最後の最後でラストピースとしての8区に出走が決まった(と思われる)小池選手①。5000m 13:35のスピードを活かして前半はかなり突っ込んで入り、序盤定点では区間トップペースで途中までは快調だったものの、その影響か後半の勝負の遊行寺坂に苦しめられる展開。この8区は、築舘コーチのXポストよると小池選手の恩師たちがかつて走った区間でした。小池選手の結果は区間15位の1:06:16。これを受けた小池選手のXポストは以下の通り。

https://twitter.com/rikiriki_2004/status/1742742671943422307

 いや、タイム自体はそれほど遜色ないとは思い、気になっていつの記録か調べてみましたところ、高見澤監督(佐久長聖)は第77回の記録榎木監督は第71回の記録(は2年時で1年生の第70回は1時間6分31秒)市村コーチ(佐久長聖)は第79回の記録。30年前ですが、榎木監督の1年時の記録(区間賞です)よりも今回の小池選手の記録の方が良い(でも区間15位)。近年の記録の短縮はスゴイ…。ということで、説教云々は(飛ばしすぎて疲れた後半で)國學院大に追いつかれても着いていけ、絶対離されるな…という点について。その結果の以下のポスト、微笑ましくてスキw。

https://twitter.com/tittikiti697/status/1742371488001634410

  8区出走選手のPBプロットと区間順位(データラベルに記載)は以下の通り(Fig.3)。持ちタイム1・2位が期間順位が(最)下位に沈むまさかの結果(中大・阿部選手は直前の発熱の影響が大きかったようですが)。その他は、持ちタイム上位が比較的順当に区間上位になっている印象。

Fig.3:箱根8区出走選手のハーフマラソン PB vs. 10000m PB|データラベルに名前(大学名):区間順位を表示|前回99回シード校+αの大学のみ表示

 今回の8区の主な区間順位のハーフ換算タイムは以下の通り:
区間1位 1:03:06
区間5位 1:04:01
区間10位  1:04:29

 遊行寺坂の登りを有するタフさもあり、全般的なペースは7区よりもマイルドになり、3:00/kmを切れば区間賞区間一桁にはハーフ換算64分半程度が必要という結果になった。
 正直、私自身がまだ小池選手の走りの特性というのを理解できていないが、8区が5000mのスピードを活かせる区間かというと、?マークがつく。前述の通り、最後のピースをはめ込んだ(区間は違うけれども、昨年10区に1年生の石丸選手の例のような)感じを受けた。来年は?今後も見せてくれるであろう成長曲線に期待しかない。

・9区:#響と凌 |三大駅伝全てで実力を発揮する難しさ|吉田凌選手

 復路のエース区間とも言われる9区は、今年度の出雲駅伝・全日本大学駅伝でそれぞれ最長距離のアンカー区間で着実に結果を残してきた吉田凌選手③が出走。復路6・7区の良い流れが8区で途切れかけたのを凌選手なら引き戻してくれるのでは。と観ていましたが、区間中盤までは一桁順位のタイムを刻んでいたものの中盤後半にかけてペースが上がらず、最終的な区間順位は15位でタイムは1:04:36。11月末の日体大記録会で上がっていない(ように私には見えた)調子が、箱根に向けてもなかなか戻らず万全ではなかったのかもしれません。10月初旬の出雲(区間5km~10㎞程度)、11月初旬の全日本(区間10km~20km程度)、そして正月の箱根(区間20~23km程度)の三大駅伝全てで実力を発揮する難しさを感じた走りとなった。

 9区出走選手のPBプロットと区間順位(データラベルに記載)は以下の通り(Fig.4)。

Fig.4 :箱根9区出走選手のハーフマラソン PB vs. 10000m PB|データラベルに名前(大学名):区間順位を表示|前回99回シード校+αの大学のみ表示

 今回の9区の主な区間順位のハーフ換算タイムは以下の通り:
区間1位 1:02:53
区間5位 1:03:39
区間10位  1:04:14

 9区も平均的なペースは比較的マイルドで、今回の結果なら3:00/km弱で押し切れば区間賞区間一桁にはハーフ換算64分半程度が必要となった。これはFig.4に示した今回出走の選手達のハーフPBと比べれば、決して高い数字ではない(特にこの区はそれが顕著に思える)。9区の距離が23㎞とハーフよりも少し長いことを勘案しても、駅伝当日に向けたコンディション調整やいわゆるピーキングの重要性がより強調されるとなった。
 来年度の新主将となった吉田凌選手。副主将の小暮選手と、W吉田の響選手とともに、#51期三銃士 としてチームをけん引して #Next Stageの高みに導いていただきたい!

※新主将となり初レースの2/4の丸亀ハーフで1:01:58の創大歴代2位のPB更新となりました!

・10区:最初で最後の箱根駅伝を最高の笑顔で|上杉選手

  そしてアンカー10区は「覚悟」の4年生・上杉選手が出走。(「覚悟」の件については区間予想の記事に書いたので宜しければご覧下さい。)中継所スタート時に後ろは2分以上離れている状況を判断して、キロ3分のペースをしっかりと刻みながら、最初で最後の箱根駅伝を”楽しんで”最後は笑顔でのゴールとなった。

 上杉選手の区間11位のタイム(1:10:16)で単純に距離(23.0㎞)で割ると3:03/kmペースとなり、ほぼプラン通りかと思われる。
 10区
出走選手のPBプロットと区間順位(データラベルに記載)は以下の通り(Fig.5)。

Fig.5 :箱根10区出走選手のハーフマラソン PB vs. 10000m PB|データラベルに名前(大学名):区間順位を表示|前回99回シード校+αの大学のみ表示

 今回の10区の主な区間順位のハーフ換算タイムは以下の通り:
区間1位 1:03:09
区間5位 1:03:59
区間10位  1:04:26

 10区は、9区とほぼ同様のペースで、今回の結果なら3:00/kmを押しとせば区間賞区間一桁にはハーフ換算64分半程度が必要となった。これはFig.5に示した今回出走の選手達のハーフPBと比べれば、決して高い数字ではない(この辺りは9区と同様の傾向か)。10区の距離が23㎞とハーフよりも少し長いことや比較的気温が上がることに加えて、今回は特に復路一斉スタートチームが多く、シード権の争いなど見かけの順番と実際の総合順位などが分かりづらかったことも影響していると考えられる。

復路まとめ(は選手インタビューにて)

復路終了後の出走選手のインタビューは以下のリンクより。

MVPは…

今回の箱根駅伝(往路も含めた)MVPは6区の川上翔太選手①
そして、故障期間も含めて”お兄ちゃんのように(上の動画での談話)”寄り添い続けた築舘コーチ!更に、下記の通り経験者としてアドバイスをされた6区の先輩レジェンド濱野さん(創価大49期OB)と実兄の川上勇士さん(東海大OB・サンベルクス)を、誠に勝手なが個人的なMVPとさせていただきます!

濱野さんと川上兄さんのX(旧ツイッター)でのやり取り2

次回に向けて(少しだけ展望)

今回の各区記録のハーフマラソン換算のまとめから考える

 ここまで各区で示してきた区間1・5・10位の記録をハーフマラソン換算したタイムを下表にまとめて示す。

第100回箱根駅伝の主な区間順位(1・5・10位)の記録をハーフマラソン換算し色分けした表

 特殊区間(5・6区)を除いて、換算タイム1分毎に色分け(60分台は、それ以下を含む)して示してある。下記ポストに書いた通り、往路・復路で顕著な違いがある。

 今回の総合3位以上という目標の達成のためには、

  • 区間順位が2桁の区間を極力減らす

  • できるだけ区間1桁でまとめる区間を増やし

  • 好ましくは区間上位(5位以上)で”稼ぐ”区間をつくる

ことが必要だと考えられる。
 今回の結果でいうと、往路は絶好のスタートだった1区・2区の後の3区を一桁でまとめる-すなわちハーフ換算62分半以下は欲しいところ。第97回で区間3位だった葛西選手(当時2年)の3区3位の1:02:41(ハーフ換算は61分48秒)が、今回でいうと区間8位相当になり、次回以降のクリアすべき目安となるのでは。
 4・7区は相対的に”差がつきやすい”区間のようで、出来得るならば昨年までの4区嶋津選手や昨年の7区葛西選手のように”稼ぎたい”区間。今回の区間5位相当のハーフ換算62分半程度が目安となるか。
 特殊区間の5区はもう来年も吉田響選手に悔いなく#シン・山の神 を目指していただいて(そのためには区間新は必須)、6区 #川神様 (川上選手)ご本人の仰せの通り57分台の高みを目指していただければ。
 8区はやはり遊行寺の坂の後略がポイントでそれも踏まえてハーフ換算64分ギリ9・10区はハーフより長い23kmの距離と上がってくる気温条件を加味してもハーフ換算63分台のペースで押せれば、というところか。
 今回は往路の1・2区、復路の6・7区、それぞれのスタートは良かったので(それを来年も継続できるという前提ではあるが)、流れを切らさない往路3区復路8区の対応が次回の重要課題であろう|特に往路3区!。

最後に「鬼が笑う」次回(第101回)の区間配置予想

 あくまで現時点で、推しバイアス込みでの予想を遺しておく(丸数字の学年は来年度の)。この予想を大きく覆す新戦力の台頭を期待したい。

往路
1区: 石丸③
2区: Stephen②
3区: 小暮④
4区: 野沢③
5区: 吉田響④
復路

6区: 川上②
7区: 小池②
8区: 山口①
9区: 吉田凌④
10区: 竹田③
勿論、新4年生でいうと、5000m 13分台・10000m 28分台のPBを有する藤ノ木選手のハーフ距離への対応や、若狭選手の10000m 28分台突破や野田選手の復活も期待したいころであるし(あと、Leakeyの動静が伝わってこないのが結構心配)、今回既にエントリーに入っている、新3年生の山下蓮選手・黒木選手、2年生の織橋選手・齊藤選手の箱根出走も期待したいところ。
 そんな候補は多いなかで敢えて予想に加えた選手は、8区の山口 翔輝選手新1年生・大牟田高校出身)。都大路や都道府県駅伝に加えて直近(2/4)の南九州駅伝1区12.1kmを区間2位の36:36(10km・30分強相当)で駆け上った(登り基調で標高差約40m)タフなロード力に期待。また、10区の竹田選手は、2/11(日)の延岡西日本マラソンでフルマラソンに参加エントリーしており(今回の10区・上杉選手も招待されている)、実際に出走すれば創価大2年時としては初のフルマラソン?そのスタミナ(とその補給も含めて|食いしん坊キャラ)と、やはり夏の札幌マラソン(ハーフ)で優勝したタフさに期待しての予想。そして、#竹田の笑顔を守る会 ともてはやされる彼の笑顔でのゴールフィニッシュに期待してw


(ようやく2月初旬になって、復路分まで書くことが出来ました…遅すぎ)
ここまで読んでいただき、ありがとうございました・お疲れ様でした。

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