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【NFT】クリプトアートを販売してみた

最近、NFT (Non-fungible token) が流行っているようなので、試しにクリプトアートを作成して販売(出品)してみました。プラットフォームがたくさんあってどれを選ぶべきか分からなかったり、実際に出品しようとしたら100ドル以上のガス代を要求されて戸惑ったりしたので、クリプトアートをどのようにして出品したのか、つまずき部分を含めて共有しようと思います。

以下が、実際に作成したクリプトアート(NFT)です。娘の絵を拝借しました(笑)。

なお、OpenSea で NFT を作って販売する方法については、ピプリクトさんの以下の記事(全3回)によくまとまっています。MetaMask(仮想通貨のウォレット)の作り方、プラットフォームごとの特徴、 OpenSea での出品方法はこちらを読んで頂くのが良いと思います。

この記事では、NFT の出品で実際にかかった費用や、できるだけコストを抑えて出品する方法、無料で NFT を作成する方法について説明します。2021年3月14日時点の情報ですので、その点はご了承ください。

・出品にかかる費用とその理由
・ガス代を節約する方法
・プラットフォームごとの違い
・出品時にガス代がかからない理由
・私のお勧めのプラットフォーム
・著作権について
・物理的な絵画をNFTにする方法
・まとめ

出品にかかる費用とその理由

NFTを作成するためには、デジタル作品に Ethereum の契約情報(contract)を付与する minting (鋳造)プロセスが必要です。プラットフォームの出品手数料は無料ですが、この minting のためにブロックチェーンのマイニング業者にガス代(gas fee)を支払う必要があり、それにお金がかかります。minting 費用は、契約情報のサイズと相場で決まります。私が平日の夜に OpenSea の販売アカウント開設のために minting した際には、100ドル強のガス代がかかりました。

ガス代を節約する方法

Yahoo Finance の記事によると、Ethereum のガス代は需要と供給によって決まるため、需要の少ない週末の方が手数料が安いようです。また minting の際の Ethereum 決済には「高速」「平均速度」「低速」の3種類のオプションがあります。「低速」でも数分で決済されたので、特に理由がなければ「低速」でコストを抑えるのが良いと思います。

プラットフォームごとの違い

クリエーターが出品できる主なプラットフォームは下記記事が詳しいです。

ここで紹介されているプラットフォームのうち、 OpenSea と Rarrible は無審査で利用可能で、 SuperRare と Nifty Gateway には審査があります。OpenSea, Rarible に加えて Mintable, Mintbase を調べたので紹介します。

OpenSea
取引額ランキング1位のマーケットです。出品無料とされていますが、実際には出品アカウント作成時にガス代がかかります。無料とかかれているのになぜこんなに(約120ドルのガス代)を請求されるのだろう、と戸惑いましたが、OpenSea とアカウントの間のコントラクトを成立させるために必要なようです。それ以降のNFT出品には手数料はかからないのでご安心ください。

Mintable
シェアはどのくらいか不明ですが、 gasless market を使えば初期費用もなしの完全無料で NFT を作成できます。メニューバーの "Mint an item" から作成してください。ただし、作成した NFT は Mintable 内でのみ閲覧可能です。OpenSea など、他のプラットフォームに作品を表示するには、売買または譲渡によってトランザクションを記録する必要があります(コミュニティで仕様について確認しました)。実際に作成してみたNFTはこちら。

Mintbase
取引額ランキング15位のマーケットです。ガス代の高騰に問題意識があるようで、ストアを開設しようとすると、「ガス代が高くて、売り上げがないと儲からないけど大丈夫?」と聞いてくれます。現在、NEAR という仮想通貨を用いたマーケットプレイスをテスト中なようです。

Rarible
取引額ランキング2位のマーケットです。Wallet を使ってログインしたら、すぐに出品が可能ですが、NFT を作成するごとに minting が必要で、ガス代がかかります。数千円の作品に対して数十ドルのガス代がかかるので、単価の高い作品でないと割りに合わなそうです。

出品時にガス代がかからない理由

OpenSea と Mintable は出品時にガス代がかかりませんが、それはトランザクションの作成を遅延させているからです。売買が成立した時に初めてブロックチェーンへのトランザクションの記録を依頼し、その際のガス代は購入者が負担することになります。ブロックチェーンに記録されたNFTは誰からも(任意のプラットフォームから)閲覧できますが、ブロックチェーンに記録される前の状態では、OpenSea ないし Mintable 内でしか NFT を閲覧することはできなそうです(Mintable についてはコミュニティで質問して確認済み)。詳しくは、OpenSea、Mintable の下記記事をご覧ください。

私のおすすめのプラットフォーム

初期費用がかかりますが、それ以降の出品費用が無料になる OpenSea がお勧めです。Mintable では完全無料で出品することができますが、取引高が少なく、OpenSea などその他のプラットフォームのユーザにみてもらうには、結局ガス代を支払う必要があります。

著作権について

NFT を購入したからといって、購入者に全ての権利が譲渡されるのではなく、あくまで契約で明記された権利のみが譲渡されるようです。全著作権を譲渡するような契約オプションもあります。下記の記事が詳しかったです。

物理的な絵画をNFTにする方法

下記の YouTube が詳しかったです。以下のような方法が紹介されていました。

・物理絵画とNFTをそれぞれ独立に売る
・物理絵画をスキャンしてNFT化したあと、物理絵画を破棄する(その過程を動画にしてNFTに添付する)
・手段として物理絵画を描き、NFTだけを販売する
・NFTを作って、それを元にした物理作品を販売する

集英社の採用している Startrail という、物理絵画にトークンを添付して販売する方法もあります。

まとめ

NFT は様々な可能性のある面白い技術だと思いました。ガス代の問題も徐々に解決してゆくと思います。

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