アンガーマネジメントで読み解く なぜ日本人は怒りやすくなったのか?
【書籍情報】
タイトル:なぜ日本人は怒りやすくなったのか?
著者:安藤俊介
出版社:秀和システム
定価: 1,650円(税込)
出版日:2022年1月7日
【なぜこの本を読むべきか】
10年前の10倍、日本人は怒りやすくなっている。
最近は、人気ユーチューバーやインフルエンサーが叩かれる光景を目にする機会も増えた。
怒っている人は自己防衛で攻撃しているため、逃げるのが一番だ。
逃げることは、アンガーマネジメントの基本でもある。
本書は、アンガーマネジメントの考え方を紹介した一冊だ。
本書は以下のような方にオススメしたい。
アンガーマネジメントの考え方を知れば、無駄なストレスで消耗することがなくなり、穏やかに暮らせるようになる。
つまり、自分のやりたいことができる、生きやすい人生になるのだ。
【著者紹介】
安藤俊介
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会代表理事。
2003年に渡米してアンガーマネジメントを学び、日本に導入し第一人者となる。
アメリカに本部を置くナショナルアンガーマネジメント協会で15名しか選ばれていない、最高ランクのトレーニングプロフェッショナルに、アジア人としてただ1人選ばれている。
【本書のキーポイント】
📖ポイント1
怒りは防衛感情。人は自分の心を守るために怒っている。自分が大切にしている価値観が否定されたときに怒りが生まれ、マイナスな感情・状態によって大きくなる。
📖ポイント2
自己肯定感が低い人は、守るものが多いため怒りやすい。自己肯定感の低さは変えることができ、理想の未来を思い描けば自己肯定感が上がることにつながる。
📖ポイント3
無駄に怒らないために、まずは6秒待ってみよう。6秒あれば理性が働き、衝動的に怒ってしまうことがなくなる。
【1】日本人が怒りやすくなった理由
怒りはエンターテイメント
最近の世の中は、怒っている人だらけだ。
日本人が多くの怒りを消費している理由は、怒りが簡単に楽しめる娯楽だからである。
特に、以下の3つの要素が大きく影響している。
怒るのにお金はかからない。
お金がある人は、旅行に出かけたりワインや食事を楽しむことができるが、お金がないと娯楽の選択肢が少なくなる。
さらに、コロナ禍で外出する機会まで減ってしまった。
あり余った多くの時間は、手っ取り早く使える身近なもので消費される。
中でも、暇つぶしに最適なのがスマホだ。
余計なお金はかからないし、どこにいても手軽に楽しめる。
たとえば、ゲーム・音楽・SNS・ニュースの確認など、スマホさえあれば何でもできる。
評論家のように、ニュースにコメントすることまで可能になった。
さらに、X(旧Twitter)・ブログ・Facebookなどで個人が日常を発信することも増え、インターネットが発達する前には見えなかったことも見えるようになった。
つまり、誰でも発信できるようになったことで、失言や暴言、不謹慎な行動まで見えるようになってしまったのだ。
上記のような行動は、怒りのターゲットとなる。
インターネット上で他人の行動を攻撃をする人は、自分の投稿に”いいね”がつくことで認められた気分になる。
手軽に承認欲求が満たされることも、怒る人が増えている一因だ。
身近にあるスマホで、安く気軽に発信やコメントができる場所が増えたことで、怒る人も増えているのである。
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怒っている人は防衛している
怒りは防衛感情とも言う。
動物では目の前に脅威が現れたとき、逃げるか闘うかの選択をする“闘争・逃走反応”が見られる。
大切な命を守るために倒せそうなときは闘い、勝ち目がないときは逃げる。
人間も同じだ。
ただ、人間の場合は守るものが命だけではない。
たとえば、次のように守りたいものがたくさんある。
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