現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全
【書籍情報】
タイトル:現代病「集中できない」を知力に変える 読む力 最新スキル大全-脳が超スピード化し、しかもクリエイティブに動き出す!
著者:佐々木俊尚
出版社:東洋経済新報社
定価:1,760円(税込)
出版日:2022年1月28日
【なぜこの本を読むべきか】
インターネットには「良質な情報」がたくさんあるが、同時に「おかしな情報」も大量にある。
今こそ、「読む力」が決定的に重要な時代になっている。
本書は、インターネット時代にふさわしい「読む力」の最新ノウハウを紹介した一冊だ。
本書は以下のような方にオススメしたい。
情報が洪水のように押し寄せ、なかなか集中できないという現代病。
しかし正しいやり方を知れば、書籍も記事もいくらだって読める。
同時に、効率的に “知” を自分の中にストックしていくことも可能なのだ。
いくつもの視点を知れば、全体像が見えてくる。
【著者紹介】
佐々木俊尚
作家・ジャーナリスト。
「ノマドワーキング」「キュレーション」などの言葉を広める。
2000年代にはネット犯罪分野で多数のスクープを放つ。
2006年、国内の影響力のあるブロガーを選出する「アルファブロガー・アワード」を受賞。
2010年、『電子書籍の衝撃 本はいかに崩壊し、いかに復活するか?』を刊行。
【本書のキーポイント】
📖ポイント1
世の中には偏った情報があふれている。
私たちがすべきことは、その偏りを見抜くことだ。
📖ポイント2
X(旧ツイッター)はネガティブな印象が強いが、情報収集のツールとしては非常に有効である。
📖ポイント3
本には、物事の全体像をきっぱりと見せてくれる力がある。
本の持っている力を取り込み、自分の「知肉」に変えていこう。
※知肉とは、世界観を学んで自分の血肉のようなものにしたいという思いから、本書でそう呼ばれている。
【1】「偏った情報」を避けるために
「偏りが強いメディア」を見抜くポイント
世の中には、ありとあらゆる情報があふれている。
しかし、すべてのメディアが「良質な情報」を発信しているとは限らない。
では、偏りが強いメディアを見抜くポイントはあるのか。
結論、ある。
ここでは、3つのポイントを紹介しよう。
1つ目は、出来事の構図を単純にしすぎて、しかも断言していないか、という点である。
ほとんどの社会の出来事は複雑で、何が原因だったかという因果関係も一筋縄ではいかない。
仮に明確な答えがすぐに出るのであれば、人間関係はここまで面倒にならないだろう。
2つ目は、匿名の証言やコメントが多すぎないか、ニュースソースが不明ではないか、という点。
匿名じゃないと証言してくれない内部の人というのは確かにいるが、専門家のコメントまで匿名にするのは怪しい。
記者が頭の中ででっちあげた「関係者」「専門家」で記事を書いていることも、実際には多い。
そして3つ目は、「正解」に過剰に偏っていないか、という点だ。
正解に見えるものは、ほとんどの場合は「後出しジャンケン」である。
たとえば、「超一流のビジネスマンは、財布にいつも10万円を入れている」という見出しの記事。
しかし常識的には、「超一流でお金があるから、財布にはいつも10万円入れていられる」のである。
因果関係が逆なのだ。
ここまで書いた3つのポイントを踏まえて、みなさんには「良質な情報」を掴んでいただきたい。
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SNSを「人間関係用」と「情報収集用」で分けて使う
SNSを考えるうえで、「エコーチェンバー」という用語がある。
「残響室」という意味から、同じような信念や考えを持つ人たちが閉鎖的な場所に集まると、お互いに「そのとおりだ!」と言い合いつづけ、ひとつの信念だけが増幅されてしまうことをたとえている。
エコーチェンバーに入った人は、その外側にいる人の声に耳を傾けることはない。
そういった状況に陥らないためにも、SNSは「人間関係用」と「情報収集用」に分類した方がいい。
たとえば「人間関係用」に適しているSNSは、以下のとおりだ。
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