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質問の一流、二流、三流


【書籍情報】

タイトル:質問の一流、二流、三流
著者:桐生稔
出版社:明日香出版社
定価:1,760円(税込)
出版日:2023年10月16日

【なぜこの本を読むべきか】

質問は、最強のコミュニケーションツールである。

たったひとつの質問で、部下との関係性が変わったり、モチベーションが上がったりする。

さて、あなたは日々、どんな質問をしているだろうか。

本書は、一流の質問力を身につける方法を紹介した一冊だ。

本書は以下のような方にオススメしたい。

■聞きたいことがうまくまとまらない
■質問しようか迷って、結局聞けない
■聞きづらい質問をするのが苦手

一流の質問力を身につければ、日常の会話から仕事まで、円滑に進むようになる。

あなたが問いかけた質問が、人生を豊かにしていくのだ。

【著者紹介】

桐生稔

株式会社モチベーション&コミュニケーション代表取締役。
全国40都道府県で伝わる話し方セミナー、研修を年間2,000回開催。
セミナーや研修では、60分に20回以上笑いが起こり、会場が盛り上がり、最後には衝撃的な感動が走る「心を震わすメソッド」を届けている。

【本書のキーポイント】

📖ポイント1

相手が答えやすい質問をすると、気持ちよく答えてもらえる。答えたことで想像が広がり、行動を起こすことにもつながっていく。

📖ポイント2

最初に質問から入ることで、興味を引くことができる。さらに質問しながら徐々に興味を引き出していくと、契約につながる可能性が高まっていく。

📖ポイント3

自分を成長させるには、過去の自分と比較しよう。自分に問いかければ、毎日小さな進歩をしていることに気づけるようになる。

【1】相手が答えやすい質問

選択肢を出す


あなたは相手に決断を促すとき、どのように質問をするだろう。

たとえば、営業でアポイントを取る場合。

「いつがいいですか?」と聞くのは二流だ。

一流の人は、次のように聞く。

「来週と再来週でしたら、比較的どちらがご都合よろしいですか?」

「いつがいいですか?」と聞くと、「また、改めて連絡します」と言われてしまうかもしれない。

一方、「来週と再来週」のように、具体的な選択肢を出すことでアポイントを取りやすくなる。

人は選択肢を提示されると、選んでしまう習性があるからだ。

このように、選択肢を提示する話し方を「選択話法」という。

選択話法は、相手に選択肢を与えることで、こちらが望む結果を無意識に選んでもらう方法だ。

質問次第では、相手の行動を誘導することもできる。

悪用するのはよくないが、決断を促すには有効だ。

相手に任せて決断させるのではなく、決断を助けるつもりで選択肢を提示しよう。

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仮説を使う


相手が思わず答えてしまう質問の仕方がある。

それは、仮説を使うことだ。

つまり、「もし」から始まる質問のことである。

たとえば、子供に「将来の目標は何?」と聞いたら、言葉に詰まる子もいるだろう。

しかし、

「もし、何でもチャレンジできるとしたら、やってみたいことはある?」

と聞けば答えやすい。

仮の話であれば、答える内容に責任が発生しないため、気軽に答えられる。

営業の現場でも、一流の人ほど仮説をよく取り入れている。

営業していく中で緊張するのは、お金の話をするときだ。

いい雰囲気で進んでいる商談でも、お金の話になると一気に空気が張り詰めてしまう。

そこで、一流の人は次のように質問する。

「いったん費用のことは置いておいたとして、もし購入したら、効果はあると思いますか?」

「もし」を使うと仮の話になるため、お金の話をしているときとは一変して答えやすい。

そのうえ、購入したときのことを想像するため、購買意欲まで高まっていく。

仮説は答えやすいだけでなく、想像が広がり、次の行動を起こすきっかけにもなるのだ。

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経験を聞く


あなたは困っているとき、周りの人にアドバイスを求めることができるだろうか。

どんな人でも、ひとりで解決できることには限界がある。

だからこそ、困ったときや悩んだときに、適切なアドバイスをもらえる質問を知っておくと役に立つ。

多くの人は、アドバイスを求めるために「どうしたらいいですか?」と質問をする。

しかし、この質問だと聞かれる側は答えにくい。

一方、一流の人が使っている質問は「どうしてますか?」だ。

微妙な違いだが、これだけで相手の反応が大きく変わる。

たとえば、あがり症の人があなたにアドバイスを求めてきたとする。

「私、あがり症なんですが、どうしたら克服できますか?」

このように聞かれたらどうだろう。

あがり症を克服する方法はいくつもあり、その人の状態を聞かないとアドバイスしづらい。

一方、

「〇〇さんもあがり症だったと聞きましたが、どうやって克服したのですか?」

と聞かれると答えやすい。

自分の体験談を話せばいいため、これまでに試したことをいくらでも話せる。

答えやすい質問をすれば、アドバイスをする人は自分の経験談を話せて嬉しいし、質問した側も多くの情報をもらえる。

経験を聞くことは、聞く側と答える側の双方にメリットがある質問なのだ。

【2】成果につながる質問

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