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古細菌とシトクロムの関係性

いつしか「レクチン」「CYP3A4」と検索するのが癖になっていました。ある時、検索結果の中に気になるサイトを見つけました。それはある生物学の本でした。

インターネットで見つけた古細菌の研究者の本の紹介ページの中に、「シトクロムを作るのは古細菌である」と書いてあったのです。

その本は近所の図書館にあったのですぐに借りました。続けて3回借りて毎回延長していたので半年はずっと我が家にありました。さすがに「もうそろそろ買ったら?」というくらい読んだので観念して購入しました。

知識のない人でもわかるようにかみ砕いて説明してあるのですが、限界までシンプルに分かりやすく書いてあって著者の優しさが伝わってきました。

ついでに気になっていた古細菌関連の本を図書館ですべて借りてきました。

勉強をし始めた頃、私にとって糖鎖の本は魔窟のような恐ろしさがありましたが古細菌は種類の違う魔窟でした。ジャンル違いなだけでその深淵を覗くことはゾクリとしたものを背筋に感じます。生半可な覚悟ではいかぬと。

そしてとてもシンプルでわかりやすいタイトルの本がありました。それは「アーキア生物学」という本で実際の古細菌について細かく書いてありました。

この本に出てきた古細菌の名前を検索しては実際の写真や生息している場所の写真を見ていました。古細菌は小さすぎて見ることはできませんが、古細菌が生息している環境には特徴があり、それはそこにいる古細菌の種類によって違いが感じ取れました。

これは面白い!

単純に私は古細菌に一気にのめりこみました。


古細菌とはどんなものなのか?!

古細菌はとても小さな生き物です。1/6000mmくらいのサイズで普通の顕微鏡では見えません。DNAを持っていますが数が少なく原始的です。無機物を食べて生きたりしていて摩訶不思議です。

・高温
・高圧
・酸性

そんな場所を好むので、地下深くにいます。酸素が苦手でメタンガスなどがある場所で生きています。温泉や火山の噴火口、間欠泉などにいます。そしてとても小さいサイズなので目に見えないし細胞の中にいます。酸素が苦手なので地球上で生きるためにはほかの生物の中に入り込んでミトコンドリアを利用してエネルギーを作らせてそのエネルギーで生きています。細胞の中に核のある生物はこの古細菌がミトコンドリアを利用して生まれたと言われています。いろんな種類がいて1つの温泉を調査すると12000種類くらいの新種が発見されるというくらい膨大な広がりを見せてくれる興味深い生き物です。

これがシトクロムを作っていると本には書いてありましたが、CYP3A4も古細菌が作っているのかどうかは書いてありませんでした。そこまで詳しい本ではなかったので、私は本格的に土壌微生物学について調べ始めたのですが古細菌の情報はとにかく少ないのです。培養に成功したのもごく最近のことで研究が進んでいません。浄水場で水をきれいにするのに古細菌を利用するであるとか、コンクリートなどを古細菌にボロボロにされてしまわないようにして長期間建物を維持するといった方向性での研究はあっても、病気と古細菌について調べている人があまりいませんでした。

でもその本の中で山中先生は認知症との関連について述べられていました。研究は進んでいないものの、古細菌が医療と結びつけば大きな成果が生み出される可能性を感じました。

この本は私に次のような考え方をもたらしました。

「人間は生物なので医療のことを勉強するにはまず生物としての人間がどのようなものなのか知る必要があるし、そのためにはとても小さな部分まで掘り下げて考えていくことが重要で、たとえそれが遠回りに見えたとしても一番の近道である」

私がシアル酸やシトクロムについて勉強しているのを知っていた周囲の人々は「何で微生物やってんの?!」と不思議がりました。確かに遠回りをしているように見えたと思います。なにか私がヤケになっているように見えた人もいたでしょう。ですが私は最短距離で目的に近づいている実感がありました。


ピンクの岩塩と古細菌

私の子どもはピンク色の岩塩を食べた時に低緊張が強く出ていました。塩を食べるとよだれが止まらなくなるんです。精製塩で具合が悪くなったことはありません。なぜピンクの岩塩は悪いのか不思議に思っていたのですが、古細菌について調べた時にわかりました。

ピンク色の岩塩には古細菌が含まれていたのです。

高度好塩古細菌が塩湖をピンク色にしていて、そこからできる塩はピンク色だったのです。古細菌の代謝生成物によってはレクチンと同じように生体異物としての働きがあるのではないか?と疑いを持ちました。

となると、古細菌の種類によっては私たちに有益に働くものとそうでないものが存在するのではないかと想像しました。

レクチン以外にも私の子どもが食べれなかった食べ物のいわゆる法則に当てはまらない例外は古細菌由来のものならば、古細菌の種類とその働きについてもっと勉強したいと思いました。そして毎日のように古細菌の名前と生育環境を調べていました。

古細菌は生物の細胞の中にいるのです。当然人間の体にもいます。


古細菌と病気の関連性

ちょうどその頃、アメリカの有名な科学雑誌で高名な研究者が数名で「認知症の原因となる微生物についてその証拠を見つけてくれた人には1億円をあげちゃうよ」、という内容の懸賞記事を特集してありました。

当然私はそれを読んだ時に「絶対古細菌だ」と思いました。
そしてその種類もある程度想像がつきました。


私はただのお母さんなので、確認したくても古細菌が見れる顕微鏡もなければ認知症の患者の脳もありません。中を見てみたい!一度でいいから見てみたい!

ああ!モヤモヤします!


脳性麻痺と古細菌の関連性

私は古細菌を知れば知るほど、脳性麻痺の子どもの脳にも悪玉古細菌がいると思うようになりました。脳虚血イベント発生時に酸素がなかった間に古細菌は増えてしまったのだと思ったのです。認知症も似たようなものだろうと思っていました。酸素があるときには古細菌は増えることができないけれど、脳に酸素がいかない時間があった人の脳で古細菌が増えていたとしたらどうでしょうか。

このころには私は「善玉古細菌」と「悪玉古細菌」の存在を感じていました。それは互いに敵対しています。

がん細胞は自分でCYP3A4を作ることができました。そのせいで抗がん剤が効きにくくなります。

もしも癌細胞の中に古細菌がいるとしたら?
シトクロムを作っていたのは癌細胞ではなく癌細胞の中にいる古細菌だったとしたらら?

案外しっくりきませんか?それも脳性麻痺の私の子どもはシトクロムが少ない体質です。癌細胞の中にいる古細菌が少ない体質だとしたら?もしその原因菌を調べることができたら?

癌も認知症も除菌で治るじゃないの!!!
もしくは自分にとっての善玉菌が増える要素を増やしてやるか、善玉菌を体に取り込むかすればいいだけなんじゃない?!

と、思って海外の論文サイトを検索したら認知症の患者の脳内を除菌する薬を使ったら認知症が改善したという記事がちらほら見つかりました。そしてその論文は日本人の研究者が発表していて山中先生の本に出てきた大学と同じ大学の教授でした。

「ほ~~ら~~~~~!」

それを見た瞬間、私は叫びました。


脳の中の古細菌

レクチンとシトクロムとプレグナンX受容体とコルチゾールはつながって、さらにシアル酸とゴルジ体が繋がって、ついに古細菌にたどり着きました。

古細菌にたどり着いたことは決してゴールではありません。これからが勝負です。どの古細菌を取り込めばよいのか考える必要があります。

ピンク色の岩塩の古細菌は絶対に癌患者にとっては善玉古細菌。私たちにとっては悪玉です。私の子供の体調が良くなるものはそのものが良いのではなく、古細菌にとって栄養になるものだったのではないか?と思えばいろいろと納得がいきます。

グリコーゲン合成酵素キナーゼ阻害剤の金属がなぜ体調不良を引き起こしたのかも、古細菌ベースで考えれば「悪玉古細菌の方の栄養だった」と言えるでしょう。

人間の脳細胞を作っているのは古細菌。
古細菌は脳の中の物質を代謝し、代謝生成物そのものが脳細胞だったとしたらどうでしょうか。

私はそのような思い付きをした瞬間に、スッキリしました。
私の妄想には根拠がありません。
ただ想像しただけです。

その妄想を生化学の、特に糖鎖の研究者2人にぶつけてみたところ誰も笑いませんでした。

「あるね!だって生物の起源は古細菌からだものね!ミトコンドリアが存在するんだからアーキアだってあるね!そもそもミトコンドリアはアーキアに利用されているんだから!」と真剣に聞いてくれました。

「感染あるね。だってあなたの家系図を見る限りは絶対優性遺伝してるように見える。ミトコンドリア関係なさそう。でも核DNAも関係なさそうなんだよね、おかしいんだよ。どんなデータを見ても全然納得できない。でも感染だったら余計に僕にはお手上げだ」

認知症も癌も脳性麻痺も古細菌の感染によるゴルジ体の病気だ!
古細菌を制する者が人間の病気のほとんどを治せる!

と、思ったものの私はただのお母さんなので頭の中で妄想するだけです。大学や研究室に所属するわけでもないので、実験をすることができません。そんなことは他人に任せておいて自分は自分のすべきことをします。

「筋肉を作る古細菌がいるはずだ」と、思って毎日のように生物学のサイトとにらめっこをしました。

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