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AI似顔絵を描く

最近ずっと湯治していたので、インターネットの回線よわよわな山に籠っていました。ほとんどの場所が圏外で運が良ければネットに数分つながる感じ。気合でAIアートを生成していましたが過酷すぎてへこたれました。

そんな中、虹色侍ずまさんにハマってしまった私はAIアートで彼の似顔絵を描いてみたくなりました。

さあ、その過程を解説しながらAIアートで似顔絵を描く方法をまとめてみますよ。

はい、この方です。歌っている時の表情を描いてみたいですね。

ただイーロン・マスク氏のような有名人と違ってずまさんのことをAIは知りません。名前を入れるだけでは出てこないんです。

虹色侍ずま

名前をプロンプトに入れて出てきた画像はこちらでした。残念!!

仕方ないので特徴をテキストプロンプトで細かく刻んでいきますよ~!


まず「パッと見た見た目をテキストプロンプトで描く」というところから始めます。

「20代後半の男性、マイクを持って歌っている、ハンサム、黒縁眼鏡、黒いキャップ、長袖の白いシャツ、イヤフォン、坊主頭、細い目、垂れ目、面長、朴訥とした、シャイ、笑顔、白い背景。Chinacore.」

これで出た画像の中で良いものを選びます。その画像のURLをイメージプロンプトに入れます。足りていないテキストプロンプトの文字列を足し引きします。イマイチ単語がわからないときは自分が作った画像をデスクライブにかけて単語を探しますが今回はあまり良い単語をアドバイスしてもらえなかったので自力で。

良さそうな単語を元のプロンプトに加えてバリエーションをかけ、その中で良かったものが出てきたらイメージプロンプトの参考画像としてプロンプトの一番最初の部分に張り付けておきます。

ちなみに本人の写真を使うと補正がかかって余計に似なくなるのであまり頼れないです。

この状態で何回か回すとそれっぽいのが出てくるので、それをSNOWというアプリで加工します。

顔の眼鼻口眉などの位置を好きな位置に変更できるアプリなので、テキストプロンプトだけではどうにもならない部分を修正します。

出来上がった画像をさらにイメージプロンプトに加えます。古いURLの中でイマイチなものを削除して常に3枚の画像を使って絵を描かせます。5~6枚使うと何回生成してもほとんど同じ画像が出来上がってしまうので増やしすぎないようにしています。

参考資料として使う画像を組み替えながらバリエーションをかけて良い画像を出します。

やり方自体は簡単です。生成画像のうちの良かった画像を参考資料にして生成を繰り返し、途中でSNOWで修正をしながらその画像をイメージプロンプトにさらに加えるというもの。

ずまさんは特徴がはっきりしているのでそれほど難しくないだろうと思っていたのですがそんなことはありませんでした。

似て非なるものが大量に生産されてしまったんです。

たとえばこれ。

違うね…。

違うの見るとへこたれそうになるけれど負けずに細かく指示を出していきますよ。

テキストプロンプトでとりあえずここまでもっていきました。

良くないけど表情の指示語を増やしたり減らしたりしながら整えていきます。

イケメンとかハンサムとかゴージャスとかいう男子を褒める言葉もてんこ盛りにします。そうしないと猿顔のクリーチャーが紛れ込んでくるので。

似てるのか似てないのかわからなくなるほど似てないのを見たのでもう頭がこんがらがっています。こういう角度でずまさんを見たことがないので似てるのか似てないのかもわからない。多分似ていない。

そこから気合で回します。
1枚それっぽいのが出ました。

本人の目はそれほど細くないんですが、イメージは細めなのでこれをSNOWで細くします。でも全然完成じゃなくてこれも参考画像行きです。

今回一番難しかったのが目の部分です。

AIは一度に複数の要素を1か所に指定するとスルーしちゃう特性があります。たとえば「垂れ目」と「小さい目」「細い目」というようにするとどれかが飛ぶか全部が反映されません。まつ毛とか二重瞼という単語を使えば別カウントされるのですが「目」という表現で描かれるものは難しい。

「目」の場所に「目」の指定(垂れ目、細目)と「眼鏡」の指定の2つが被っていることをAIは上手く処理できません。眼鏡が大抵は優先されて目の指示が飛びます。ですからこの部分をSNOWに頼ります。

AIはこのタイプの男性に髭を描きがち。これもSNOWで消します。顎もちょっとだけわかるかわからないか程度だけど長くしましょう。あんまりやり過ぎたら元の方が似てたということになりかねないので要注意。

肌色と肌質をSNOWのフィルタ機能で調整します。ちょっとドライな肌質っぽくなったかな???

こんな感じで少しずつ顔を寄せていきます。

①テキストプロンプトで生成した画像の中で良いものを探して画像URLをイメージプロンプトに加える
②SNOWで加工して、その画像URLをプロンプトに加えて生成する
③必要な単語を足し引きしながら調整する


イメージプロンプトの威力は強いので枚数を増やせば増やすほどテキストプロンプトが通りにくくなります。動詞がスルーされたり、似たような構図や似たような服装のキャラクターだらけになるので、生成過程ですぐ飽きます。

本人の顔に正確な絵を描いても似てるようには思えないことが多いので、ある程度デフォルメしたほうが似てる気がします。実際よりも顎を長くしたり、眉毛を途中から消したり、首を太くしたりすると良いかも。実際の年齢よりもかなり若く年齢設定しておくと少し似た感じになります。

この絵を描くことで、頭全体に対する耳の大きさとか、眉頭の位置や目じりの角度とか、歯並びとか猫背とか人物を描くときにもっと細かいプロンプトが通るようになればいいと思いました。


そしてAIは元々偏見を持って生まれてきています。いろいろな偏見がありますが、今回の場合は「いつも帽子をかぶっている男性はスキンヘッドではなくハゲであるという偏見」でした。頼んでもいないのにつるピカの頭がガンガン描かれます。

この場合は帽子の単語を前方に配置したり、cap::2.0のように比重をあげてやって必ず帽子をかぶってもらえるようにします。

これ以外にも偏見はあって、「男性歌手」というだけでタトゥーやピアスだらけにされます。これらはネガティブプロンプトでは回避できない程の偏見の補正がかかります。この場合は「男性歌手」というような単語を使わず、「マイクを手に持って歌っている」という程度の指示で十分です。

こういう感じでまるでモグラたたきのように1つ解決したら次の問題を解いて行くのです。

通常とは少し違った部分に配慮してプロンプトを組まないといけませんが、似顔絵はコツを掴んだら思った以上に簡単にかけるかも。

鍵はSNOWのようなアプリケーションを上手くつかうことかな。

皆も描いてみて!


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