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今日覚えたい文法

時制の一致は必要か否か。

来月の話(未来)をしている時に、

・(単純未来形)Est-ce qu'on t'a déjà dit que mon ami passera à Paris le mois prochain ?
・(条件法単純形)Est-ce qu'on t'a déjà dit que mon ami passerait à Paris le mois prochain ?

どちらが正解なんでしょうね。

・(単純未来形)Isa m'a dit ce matin qu'elle ne viendra pas à la fête demain.
・(条件法単純形)Isa m'a dit ce matin qu'elle ne viendrait pas à la fête demain.

どちらが正解なんでしょうね。

今日は文法のルールと実際の運用がどちらが優先されるのか、というお話です。感覚的には、おそらく「話し言葉では時制の一致をしない」ことが多いと思います。

とある文法書には次のような記載があります。

「もとの発話行為が過去のことであっても、その内容がそのまま現在から見ても有効であると伝達者(私)が判断した場合、もとのままの時制を間接話法においても使うことがあります。日常会話では、そういった状況がよく現れます」

これならわかるフランス語文法、NHK出版

これを読むと「日常会話では、時制の一致をしないことが頻繁にある」ということでしょうか。

話している時点から見て、従属節の動詞が表している事柄が「未来」である場合は、時制の一致をしない。
そんな状況が頻繁に現れるのでしょう。

別の参考書には、次のような記述があります。

§358 時制の一致の例外
主節が過去時制でも,従風節が主節の影響を受けない場合がある。
(2) 従属節の単純未米,前未米が現在から見てもなお不米に画するとき,すなわち未来が絶対的な場合(→§260注)
La météo a annonce qu’il fera beau demain. 天気予報ではあすは晴れだ。

現代フランス語広文典、白水社

では§260 を覗いてみましょう。

過去未来は主節の過去から見た未来であるが、従属節中の事柄が現在から見ても未来であれば、従属節中には単純未来を用いる。過去前未来の場合も同様である。
Je lui ai dit que Paul viendra (sera venu) demain.
私はポールが明日には来るだろう(来ているだろう)と彼に言った。

現代フランス語広文典、白水社

この参考書では記述が揺れています。
どっちでもいいのか、「絶対的な未来」の場合は一致はしないのか。

最初の例では、話している時点から見て le mois prochain(来月)が「絶対的に未来」ですね。こんな場合は、次の例では、demain(明日)が「絶対的に未来」ですね。

これらのことを踏まえて、ぼくが考える一つの結論です。
(手元にあるフランスで出版されている文法書には、これに関する記述がありませんでした)

「絶対的な未来」を伝える場合は、単純未来形でも条件法(=過去未来形)でも問題はない。特に話し言葉では、気にする必要はない。
「相対的な未来(メインの動詞で表されている過去時制から見た未来)」の場合は、ルールとしては時制の一致が行われるべきである。

ぼくは話し言葉のフランス語では、「絶対未来」の場合は時制の一致をしません。書くときには、原則的に時制の一致のルールに則って書いています。

では、時制ではなく時の表現の le mois prochain や demain はどうすればいいのでしょうか。いかなる場合でも「今」を基準の le mois prochain や demain でいいのでしょうか。

続きは明日です。

ご参考まで

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