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合格発表

第二志望の学校から第一志望の学校まではさほど遠くないはずなのですが、この日はとても遠く感じました。第一志望校までの坂をのぼる足も非常に重く行きたくない気持ちでいっぱいでした。 「落ちている」ことを確認しにいくのはかなりきついんです…
この段階ではまだわからないはずなのですが、わかっているのですから。色々な塾が色々なグッズを配っていましたが受け取る気にもなれないし。

合格発表の会場は異常な熱気でした。
受験生と保護者はもちろん各塾の関係者、版元やテレビ局まで。最難関校の注目度ってこんなに凄いんだな~と初めて知りました。遠くに娘の塾のお友達が見えましたが小さく手をふるだけにしました。
多分、一緒に喜ぶことができないから。

学校関係者が掲示板に紙を張り始めました。番号の若い順に張り出されますが全面貼り終わるまえに
最前列方面から悲鳴にもにた喜びの声が聞こえます。嬉し泣きする女性の声や大騒ぎする男性の声。
ああ、受験番号が若い人はやっぱり発表も前の方で見て、合格すると叫んだり号泣したりするんだな…なんて冷静に周りを観察する自分。娘も冷静で「みんなすげえな…」なんてつぶやいていました。しばらくして娘の番号近辺が張り出されました。
「ないね」
「うん、ないね」
一応補欠合格者まで確認して
「帰ろう」
「うん」
こうして学校をあとにしました。

帰り道は正直なところあまり記憶に残っていません。無言で坂を下りた後、どの路線の駅からどの電車に乗ったのかもわかりません。どこかで塾に結果を連絡したような気がしますが曖昧です。

最寄駅からずっと一緒で前を歩いていた親子連れがいました。お母さんが女の子の背中を塾バッグの上からポンポンしました。それをみた娘の目から大粒の涙がポロポロとこぼれました。
「あの子とお母さんの気持ちを考えたらさ~なんかさ~」と娘。
それは、娘の気持ちなんじゃないかな…と思いました。でも、娘はそれ以上何も言わずに涙を拭きました。私も何も言えず無言でホテルに戻りました。

部屋は狭いですし空気は激しく重かったです…

さっき一緒に食事をしていた友人に落ちたことをメールで報告し「すみませんでした」と謝りました。
あれだけ親身になっていただいたのに合格でお礼ができなかったことが 非常に申し訳なく、ふがいなく思いました。そしてもう一人、いつも私のことを心配してくれる遠方に住んでいる友人にも報告しました。 実家の両親にもどこかで報告した気がしましたが忘れました(汗
そのほかのお友達には連絡しなくて申し訳ありませんでしたが、15時をまわってアップがなかった段階で察していただろうと思います(苦笑


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https://note.com/leciel_ruban/n/n6ccec850ed73

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