寒ぅなってまいりました。

 今朝、寒すぎて目が覚めました。

 昨晩のちょっとした蒸し暑さに付けていた冷房の切るタイマーを設定し忘れていたせいかもしれませんが、実際今日から気温は下がり始める予報のようで、いよいよ秋から冬への移行期に入ってきたなぁと感じます。

 秋から冬といえば高校、大学受験が佳境、追い込みです。

 推薦系や就職系は進路が決まるところも増えてきました。

 塾と学校非常勤で高3生を担当しているのですが、受験する本人でなくとも重圧を感じています。

 あまり焦りが感じられない人、全然進路に届きそうにないと焦る人、関係ない教科だからと眠る人など、様々に奮闘する様子は自称育成厨としては垂涎もの……もとい青春を感じる光景です。

 進路を手助けする仕事をしておきながら、自らの進路は確定していないという現状にモヤモヤしつつ、生徒たちと共に課題をこなす日々です。

 さて、寒さはやる気を引き出すものなのか削ぐものなのか。

 自分にとってはどちらかというと引き出すものなのですが、それが何故なのかと言われるとあまりはっきりした事は言えません。

 なんとなく、寒さに抗う力が働いているのではないかと考えています。

 暑さというものは抗おうとすればするほど暑さが増し、気怠さを感じて動けなくなります。

熱中症のリスクがよく言われるようになって久しいですが、これは暑さに抗うということの無謀さを示しているといって良いでしょう。

 北風と太陽の勝者は太陽でした。

 彼らの視点では服を脱がせた方の勝ちというルールにより勝利した太陽が良きように描かれていますが、旅人に目を移すと、北風の時は風に抗って服を固く握ったにも関わらず、太陽の暑さの前には抗うことをやめ、思い切り脱ぎ捨てています。要は彼は抗うことをやめ、諦めたのです。

 暑さは諦めを引き出す一方、寒さは抗う力を引き出すというエピソードと言えるかと思います。

 抗うと言えばど根性野菜などはコンクリートに抗ってその堅牢な体を突き破り、自分の生を全うしようとしています。

 困難な課題に抗う姿勢は物語を生み出し、逆境に抗って勝利する演出は名場面だと言われることが多いでしょう。

 醜い抗いは嘲笑のタネとなり、もはや往生際が悪いというものになってしまいますが、努力でもって課題に抗う姿勢に醜さを感じる人は少ないでしょう。

 年齢を重ねるほどにというほど重ねていない身でありますが、抗う姿勢は応援したくなるという気持ちが強くなってきました。

 この応援もまたドラマを生み、物語を生み出します。

 語りを生み出す物語というものは面白いものです。

 面白さを引き出す抗い。それをさらに引き出す寒さというものは、こういう見方をすればなんとなく付き合っていけそうな気がします。

 夏場にはまた夏の暑さとの付き合い方を考えなければなりませんが、ひとまず冬はこれで乗り切ってみてはいかがでしょうか。


 受験のみならず、仕事、生活のあらゆるときに、抗わなければならない場面は多々あります

 場面場面で手を抜きつつ、抗わなければならない時は抗っていく。

 そんな生き方が必要な時が人生にはあります。

 抗わずに生きていたいという気持ちも尊重しつつ、やらなければならない時というものを見極めていきたいものですね。

 寒さ厳しくなってくる冬に進路の大詰めを迎える受験生。

 今年は新型騒動あり、僕が経験した受験戦争とはまた様子が異なっているかもしれません。

 入学後の学生生活と勝手が異なっているでしょう。
 サークルのOBOGとの関係というものも、この2年ほどで大きく異なってきているように思います。

 失われたもの、これから失われていくものはおそらく全貌を把握できないでしょう。

 失うものあれば得るものありです。

 ゆっくり無くしたものを取り戻しつつ、新たな一歩を踏み出していきましょう。

 自分自身の将来も見据えつつ。

 旅人のように脱ぐまいと握りしめ、ど根性野菜のように課題を突き破って進む手助けに全力を注いでいきます。

 なんだか校長先生の訓話のようになってしまいました。

 果たして自分自身の進路は一体どこへ向かうのか。

 日々研鑽しつつ、生徒たちの踏み台又は支え棒として機能していきたいです。

 それではまた。


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