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カシミール・ラダック 移動の記録

2022年9月下旬~10月上旬にかけて、インド北部ジャンムー&カシミール連邦直轄領とラダック連邦直轄領を旅した。そのときの記録。
見どころや観光名所は素晴らしいガイドブックがあるのでそちらに譲るとして、本記事ではあまり日本語情報が多くない公共交通機関での都市間移動に絞ってコロナ後2022年秋時点での情報を残しておく。

(ネット環境があまりよくない地域も多いので荷物が許すのであれば紙のガイドブックを持っていくのがおススメ。)

(私は上の本を持って行ったがこちらはもう新刊では買えないので中古か図書館で探すしかない/下の本は電子版があるのでこちらの方がよいかも)

私が移動したルートは↓である。

予算に余裕がある方は飛行機+車をチャーターするのが早くて楽でトラブルもない

デリー(Delhi)‐ジャンムー(Jammu)

鉄道でも飛行機でもバスでもなんでもあり
移動手段に困ることはない

いい感じの時間帯を走る夜行列車だけでこんなに本数がある
(New Delhi Railway Stationと書いてアジアで最も治安の悪い駅と読む、ここから列車に乗る方は気を付けられたし)

私が乗車したのはニューデリー(NDLS)20:40発ジャンムー(JAT)5:00着のJammu Rajdhaniという列車
日本から事前に予約&二等寝台に乗ったのでRs.2000
現地で買えばもっと安いとは思うけど、私の乗った列車は満席だったので事前に買って正解。

巨大なニューデリー駅の16番線から乗車
みんな荷物が大きい
9月末の朝5時は真っ暗
明るくなるまで人通りの絶えない駅のホームで待機

ジャンムー&カシミールの鉄道はヒンドゥスタン平原の北端にあたるジャンムー地区とヒマラヤを越えた先のカシミール地区で分割されている。
両者を結ぶ鉄道は現在建設中とのことであるが、いつ繋がるかは分からない。(誰も政府の予定など信じていない…)


ジャンムー(Jammu)‐スリナガル(Srinagar)

ジャンムーからスリナガルまではシェアタクシーで移動した。
なおJKSRTC、いわゆる州営バスが朝7時ジャンムー発でスリナガルまで運行しているらしいが私は見つけられなかった。(Jammu and Kashmir statesはもう存在しないのよ、おじいちゃん)

ジャンムーのバススタンドはココ。
街の中心部から入ると手前側(南側)に近郊バスとシェアタクシーが、奥側(北側)に長距離バススタンドがある。
一番奥の長距離バススタンドの待合室の中にJKSRTCのチケット売り場があるので、前日までにチケットを買っておくのがよいだろう。当日だと売り切れることもあると聞く。(私が行った日はそもそも走ってなかったんだけどね)

近郊バスとシェアタクシー
左側の建物がバススタンド
ジャンムー行きのバスはこのさらに奥の建物から出るらしい

ここからシェアタクシーでスリナガルまでRS.1500、約12時間。
鉄道はジャンムーよりも先のKatraという街まで繋がっており、そこから峠を越えたBanihalという街から先のスリナガル方面もある。

早朝のバススタンド
ジャンムーを出たら早速検問に引っかかった
片側2車線の道を3車線分塞いで大渋滞
インド人は運転マナーが悪いというよりはただ単に運転が下手なのでは…

ジャンムーからスリナガルに越えていく道は軍用道路としても重要ということで改良が進められているのだが、峠の部分はまだ舗装も不十分な片側一車線の道があるだけで輸送のネックとなっている。どうしたら250㎞の距離で12時間もかかるのよ…。

片側一車線しかないのに横に3台並んだら、対向車も含めてドツボにはまるのは当然

私が捕まえたシェアタクシーは結局スリナガルまで行かず、途中のカジグンド(Qazigund)とアナントナグ(Anantnag)で他の客をすべて降ろしたところで今日はここまでとか言い出したので金は払ったとごねたら、他のスリナガル行きのシェアタクシー捕まえてきてくれた。意外と親切。

スリナガルのタクシースタンドはココ
その辺にホテルの客引きいっぱいいるので、適当についていったら宿にはありつける。ただスリナガル名物のボートハウスは、出入りするのにボートに乗らないといけないのでフラッと散歩したりできなくて割と不便そう。私は街中のHotel Samarというところに泊まった。


スリナガル(Srinagar)‐カルギル(Kargil)

スリナガルから先はJKSRTCのバスに乗った。
1日1本朝7時発である。
バス停の場所はココ。

高架横の広場のような場所にチケット売り場の小さな小屋がある。
ラダック方面行きのバスのチケットはここにある紙の台帳で管理しているようなので、窓側の座席を指定したりとかなり柔軟に対応してくれる。
カルギルまで約Rs.900。ラダック方面に向かって右側の方が景色がいいが、左側でもそれなりに楽しめる。

スリナガル観光のためのタクシーとかボートとかチャーターしたければこの辺でたむろしてるおっちゃんに声かければだいたい何とかなる

このバススタンドと道路を挟んだ反対側には別のタクシースタンドがあり、ラダック方面に行く長距離のタクシーをチャーターしたりシェアしたりできる。
レー行きのシェアタクシーも朝7時発と聞いた。
こちらにも事務所があるのでそこで聞けばキチンと対応してくれる。みんな仕事ができる。ここは本当にインドか…。

スリナガルの見どころを書き出したらキリがないので、ガイドブックなり他の方のブログを見てもらうといいと思うが本当に綺麗な街である。

東洋のヴェニスの名に恥じない見事な湖と運河の街である。

食事もどちらかというと中央アジアやペルシア(行ったことないけど)とかテュルク系に近い。もちろんケバブっぽいのもある。

スリナガルを出たバスはカルギルまでおおよそ8時間ほどかかる。コロナ前の情報だとこのバスはカルギルで一泊して翌早朝レーに向かうと書いてあるものが多いが、道路改良が進んだようで一日でレーまで到達するようだ。(おそらくレー到着は夜の9時を大幅にまわると思われる。)

カルギルまでの間にバスは2度ほど休憩を取る。道中最大のみどころであるZoji La峠は通過するので、景色を楽しみたい方は複数人集めてタクシーをチャーターする方が楽しめると思う。
スリナガルのバススタンドの横に売店らしきものがあるので水と多少の食べるものくらいは手に入れておいた方がよい。この先山岳地帯に入っていくが、最も手っ取り早い高山病対策はとにかく水を飲むことである。

カシミール渓谷はコメの産地

カシミールからラダックに入って少し下ったところに軍の駐屯地があり、乗客は全員一度降りなければならない。外国人は私一人だったが、書類を書いて窓口までパスポートを持っって何かよく分からない手続きを受けさせられた。ここはパキスタン国境に近い前線地帯である。外務省海外危険度レベル4の地域に入っている気がしないでもない。

welcome to ladakh
意外と面倒
あの山頂の向こう側はパキスタン

バスはカルギルの街の中心部を通り抜けていくので、運転手に声をかければ降ろしてもらえる。
カルギル着は午後3時半ころであった。
カルギルで泊まったホテルは街の中心のKargil Viewというところ。どうも外国人を泊める許可を持ってないような気がしたのだが…。(オフシーズンのカルギルはホテルが少ないので注意が必要かも)

カルギル(Kargil)‐レー(Leh)

カルギルはザンスカール方面の入り口である。ここにはタクシー組合があるので街の中心のタクシースタンドから各方面へシェアタクシーが走っている。

タクシースタンドはココ。
入口にレーやザンスカール方面へのシェアタクシーの料金表が貼ってあるのでぼられる心配もない。レーまでRs.1500、ザンスカール(パドゥム)までRs.2200。

この門の中に事務所的な小屋がある。
オフシーズンなのでみんな暇そう

レーに向かうシェアタクシーは朝10時半発で時間は決まっている様子。
シェアでなくチャーターするのならばRS.9000とのこと。3人以上のグループならばチャーターして途中でラマユル僧院などに立ち寄るなどを考えてもいいお値段。

レーまでは途中2回ほど休憩して、午後5時頃着。
明るいうちに到着できるのがありがたい。

以上、デリーからレーまでカシミール経由での移動手段である。

なお改めて言う必要はないと思うが、この地域は印パの国境紛争や連邦政府とJ&K州政府の対立、J&K内での宗教対立など様々な問題を抱える地域である。2019年のカシミールの特別な自治権が一方的に剥奪されたときにはスリナガル市内は一切の外出禁止や通信封鎖などの状態に置かれた。くれぐれもそれらのことを頭に置いたうえで慎重に情報収集をして旅をしてほしい。ちなみに外務省の海外危険度情報ではスリナガル市内はレベル2、その他のJ&K連邦直轄領内はレベル3、パキスタン国境付近はレベル4である。

以下宣伝を
この時の旅の写真をまとめた同人写真集「Kashmir -over the mountains and far away-」を2022年12月31日に開催されるコミックマーケットC101で頒布します。サークル名「御室紀行」、スペース番号は東W‐20a、頒布予定価格は一冊1000円です。

またこの本はメロンブックスさんでも委託販売していただいていますので当日参加できない方はこちらからも手に入りますのでどうぞよろしくお願いします。

次の記事はレーからバス&日帰りで行く上ラダック・僧院巡りについて書きます。

ではでは皆様もよき旅ライフを

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