見出し画像

僕の好きなクリエーター047 スタンリーキューブリック2

スタンリーキューブリックの謎

シャイニングと言う映画が有る この映画監督がスタンリーキューブリックである 原作はスティーブンキング。

スタンリーキューブリックと言えば2001年宇宙の旅や、時計仕掛けのオレンジなどの名作を手がけた監督であるが、どうして後年、シャイニングと言うホラーB級映画を撮ったのであるか?謎である。原作者のスティーブンキングはこの映画をひどく嫌っていたとか。それもまたなぜなのか調べていないからわからない。 しかし、2012年にその謎が明かされるドキュメンタリーフイルム。ルーム237という映画が出来たとか。僕はみていないけど 笑

博士の異常な愛情

それはさておき、ともかくここではスタンリーキューブリックの映画で僕が2番目に好きな博士の異常な愛情と言う映画を紹介しよう(ネタバレ注意)

この映画は反戦映画であり、全体的にブラックコメディ的な感じで描かれている。

映画の内容は第二次世界大戦が終わり、かつてアメリカと旧ソ連(今のロシア)が冷戦と呼ばれる時代に突入する頃の話である。冷戦とは核の抑止力によってお互いを牽制し合う戦いで、両国とも地球を何度も壊滅出来るほどの核兵器を保持していた。していたと過去形にしたが、正確には今も相変わらず所有し続けている。 いつ核戦争が起こってもおかしく無い状態の世界で、世界終末時計は1953年には2分前に進んでいた。 丁度アメリカとソ連が水爆実験に成功した頃である

世界終末時計

世界終末時計とは核戦争による人類の滅亡を午前零時に例えて、その終末までの時間を零時になぞらえ、残り時間を(零時まで後何分)という形で抽象的に示す時計の事である。実際の動く時計ではないが、核戦争を起こる危険性を時計の文字盤で世界に掲示している。

キューブリックのこの映画が公開されたのは1964年 この頃の世界終末時計は12分前である。今現在我々が生きている2021年では世界終末時計は100秒まで進んでいる。2022年はまだ発表されていない。何が言いたいかというと、この映画が出来た頃よりも 今の方が核戦争が起こる可能性は緊迫していると言う事である。この時代でもキューブリックは核戦争の危機感を映画で表現した。

白黒映画であり、映画の冒頭には実際のアメリカ空軍によって、『この映画のような事態は実際にはあり得ない』とわざわざ注釈がついている。 まるで、原発安全委員会の安全宣言の様で、よけいに不安にさせられる一文である。

博士の異常な愛情 ネタバレストーリー

ストーリーはアメリカの将校が精神異常をきたし、クーデターを企て、アメリカ空軍にソ連への核爆弾投下指示をしてしまう。それを受けたB52爆撃機32機がソ連上空に飛ぶのだが それをなんとか阻止しようとするアメリカ大統領の奮闘、空爆攻撃指令を受けた飛行機のパイロットが暗号を解読し、それが核攻撃指示だと気づいたときの爆撃機戦闘員の驚きや、困惑を描く。

アメリカ大統領は緊急回線で爆撃中止命令を爆撃機全機に緊急命令を出すが、一機が中止命令を受け取ることが出来なかったため、ソ連に核攻撃を開始してしまう。 ソ連にその危機をアメリカ大統領は連絡し、アメリカ爆撃機を撃ち落とす提案をソ連大統領に非常回線を通じて指示する。が、冷静さを失ったソ連大統領はアメリカに対し、皆殺し兵器と言う世界が壊滅する最終兵器を対向手段として使おうとする。進退窮まったアメリカ首脳陣はもはや、シェルターに逃げようとするが、女を集める算段や、自分たちの命の心配だけを博士と話し合うことになる。 博士はハイル!と叫び、左手を高々と上げようとするが、自ら静止し、しかし、さもうれしそうににやにやと笑いながら これから地球がどうなって行くかアメリカ大統領に説明する。

ラストシーンでは最後の中止命令を聞けなかったアメリカ爆撃機がソ連上空から爆弾を落とすシーン。ブラックユーモア的に爆弾の最終検査している司令官が、爆弾と一緒にソ連の大地にあやまって投下されてしまう。爆弾にロディオのようにのったまま司令官はウエスタンハットを手に『ヒャッハー』と奇声を上げソ連上空を落下しながら舞ってゆく。ここでこの映画はおしまいである。

あとは、延々と続くキノコ雲の本物の映像。また合いましょうと言う歌が皮肉にも流れ、映画は終わる。 僕はアインシュタインは、「第三次世界大戦でどのような兵器が使われるのか、私は知らない。だが第四次世界大戦は石と棍棒によって戦われるだろう』と言ったのを思い出す。

シリアスで暗い内容をコメディタッチでからかうこの作品 は必見である 

余談ではあるけど、特にピーターセラーズが1人3役を演じているが同一人物とは全くわからない。この映画を見て、登場人物で誰と誰が、ピーターセラーズか?当ててみて欲しい。 この人は元々イギリスのコメディアンなのだが、演技派である。惜しくは54歳で心臓病によって永眠。

キューブリックに影響を与えたもの

ちなみに、キューブリックの飛行機嫌いは有名で彼は自分で飛行機の免許も持っているくせに ある時点から生涯にわたって一般の旅客機にさえ乗ろうとしなかった。 

スパルタカスの撮影当時はまだ飛行機に乗っていたみたいだが ロリータ撮影後あたりから全く飛行機に乗らなくなったらしい。

僕の見たキューブリックの映画は、古い順から 博士の以上な愛情(1964年)  2001年宇宙の旅(1968年) 時計仕掛けのオレンジ(1971年)  シャイニング(1980年) フルメタルジャケット(1987年) アイズワイドシャット(1999年) であるが、どれもこれもキューブリックが飛行機に乗らなくなった以降の作品である。

僕は飛行機恐怖症が作品に何らかの影響を与えたと睨んでいる。 僕の見たこれらキューブリックの一連の作品には ある共通点が有るからだ。

それは何かと言うと、『信じていた者が突然に裏切り、反逆を仕掛けてくる』 という共通点である。

サポートなんて とんでもない!いや、やっぱりお願いします。次の商品開発の足がかりにします。決して呑みになんか行きません!