「接地面」ときたか。〜金曜ロードショー「千と千尋の神隠し」からの「ジブリの立体建造物展図録〈復刻版〉」〜

1.7の金曜ロードショーは「千と千尋の神隠し」。

23時すぎに帰宅すると、妻と末っ子は寝ていて、上の子2人で鑑賞中。我が家では「トトロ」と「ラピュタ」はもう何十回と見てるけど、「千と千尋」は「カオナシが怖いから」という理由で滅多に見ない。

おそらく今日はTVをつけてて、自然な流れで見始めて、最後まで見たくなっちゃったんだと思う。

「千と千尋」といえば、物語の中心的な舞台、湯屋「油屋」の印象が強い。

そんなわけで蔵書から取り出したのが、「ジブリの立体建造物展図録〈復刻版〉」。

昨年購入し、年末のご褒美としてじっくり見ようと思っていたけど、しばらく開封しらしていなかった1冊。様々なジブリ作品の「建造物」について、制作資料や宮崎駿監督・監修者である建築家の藤森照信氏の解説や対談などとともに味わうことができる。

この1冊で何日過ごせるだろうって思える読み応え。たぶん仕事で何か落ち込んだり行き詰まったら、今年はこの本を開くと思う。

全ては読めていないけれど、とても印象的だった対談の一節。

宮崎 建物の絵を描いていて一番困るのは、土台のところがどうなっているかなんです。

藤森 ああ、接地面ですね。

宮崎 まわりの空間と建物の境目のところが苦労しますね。とくに外国の場合は、よくわからないんですよ。日本人だったらここに植え込みをするんだけど、外国だったらしないだろうなとか。
スタジオジブリ編「ジブリの立体建造物展図録〈復刻版〉」

絵も描かなければ、建物も立てない自分からしてみれば、「1番困るのは、土台のところがどうなってるか」だなんて、想像もしていなかった観点。でもきっとそういうところにもしっかり目を向けてるからこそ、「油屋」のようなある意味非現実的でインパクトのある建物も自然と受け入れて物語に入り込めてしまうのかな、などと思った。

そして、そんな宮崎駿監督の発言を受けて、「あぁ、接地面ですね。」と至極当たり前のように受け止めたような藤森氏のリアクション。自分としてはツボでした。あぁ、幸せな読書タイム。

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