長男・将棋教室中からの、日本将棋連盟「イメージと読みの将棋観ファイナル」

将棋教室に通う長男の、送り迎えの待ち時間。

というわけで、バッグに入れてきた蔵書がこちら。

将棋雑誌「将棋世界」で10数年にわたって連載されてきた講座をまとめたものらしい。待ち時間の間に読み進めた。(記事を書いたのは帰宅後。)

私は何かのきっかけで接点を持った「知らない世界」について知ることがとても面白くて、特に詳しくもないのにマニアックな専門書を読んでみたくなったりしてしまう。

将棋は長男がハマるまで、ルールも分かっていなかったし、数年たっても一向に上達しない。プロ棋士の棋譜を見ても、その意味や凄さがわからないし、詰め将棋は3手詰めで挫折した。長男の影響で将棋を覚えた娘にも小学校入学前の段階で負け越すレベルである。

でも、こういった本を読んでると、おぼろげに将棋の世界の奥深さが垣間見れて、とても楽しい。

特に本書では冒頭に収録されていた藤井聡太二冠(当時)インタビュー「読むということ」が痺れた。

ーある局面を見て最初に持ったイメージと、より深く読みを入れていったあとの認識とでは、どれくらいのずれがあるものでしょうか。

藤井 序盤であれば、第一感と読みのずれはそれほどないでしょうが、中盤に近づくほど読みの比重が大きくなる。終盤になればさらに大きくなる。なので、中終盤は第一感と読んだ結果の認識の差はかなりあると思います。
日本将棋連盟「イメージと読みの将棋観ファイナル」(p.8)

聞き手である鈴木宏彦氏の質問がとても洗練されており、かつ専門雑誌の取材だからか、「対局中の藤井聡太の頭の中」を覗かせてもらえたような内容であった。

本書の中身自体も、新旧様々なプロの対局のある局面を、別の複数のプロ棋士が解説したりする内容。ネットニュースなどのインタビューではなかなか踏み込めないであろう深さと具体性。だからこういう本は面白いなぁと思う。


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