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噛み犬は作られる

最近、また噛み犬専門のトレーナーの記事がネットニュースに流れてきました。
見た人もいるかと思いますが…どう感じましたか?

記事的には、それで何が言いたいの?と言いたくなるような、記者の想いというようなものが全く見られなくある意味、噛み犬専門トレーナーの宣伝広告ですか?の内容でした。

ドッグライフコンサルタントの佐藤です。

噛み犬って作ること出きるんですよ

といったら驚きますか?
警察犬などは、噛むことをトレーニングしていて今でこそ暴力的なトレーニングはせずに噛むことを強化していると思います。
昔は、追い詰めて噛みを出させたりしたこともあったようです。

警察犬の訓練をしたことはないので詳しいことはわかりませんが…

家庭犬でもおやつの使い方ひとつで噛む行動を強化したり人間にとって不適切な行動を強化したりすることがあるんです。

たとえば、おやつを焦らしたりしたときに、たまたま犬がした不適切な行動の時におやつをあげてしまえばその行動をすればおやつをもらえると学習するんです。

焦らしておやつめがけて飛び付いておやつゲットできたら飛び付くことが増えるんですよね。
吠えることだってそうです。
吠えたら自分がほしいと思ったもの、おやつだったり安心感だったりを手に入れられれば吠えることが増えるんです。

これは行動分析学が証明しているれっきとした学問に基づいた行動で犬がリーダーになろうとしているだとか、その場を支配しようとしているとかではないんですよね。

ぶっちゃけて言うなら人間の不適切な行動の結果、犬が悪者になっているというだけです。

2年待ちなら

記事には噛み犬の数が増えている。
犬に優しいトレーニングをした結果、飼い主が犬に遠慮して叱らないから噛み犬になる。
依頼は増えていて2年待ちなどと書かれていた。

今年1月に放送された番組を見た方も多いと思うが、犬をあそこまで追い詰めると狂暴になるか、無気力になるかです。
なかには、あの方法でうまくいく個体もあるとは思います。

しかし、多くの犬は狂暴になり噛みが出たときにより強く噛まれることがあります。
パニックになればよりその傾向は強いと思われます。

今現在、噛みで悩まれてここの門を叩こうとしているならば…
どうせ2年は待たないのいけないのですか、その2年を犬を学ぶ時間に当ててみませんか?
2年間、犬ってどんな動物で、自分は犬に対してどんなことをしてきたか振り返ってもらいたいのです。

犬を理解し、自分の行動を振り返ることはかなり精神的にも辛い作業になると思います。
でも、犬だって大好きな飼い主さんを噛みたいとは思っていないんですよ。

命を守ろうと必死なだけなんです。
ちょっとしたボタンの掛け違いが今の状況になっていると考えてください。

時間がかかる?

犬に優しい取り組みは時間がかかると言われることがありますが、取り組む飼い主やトレーナーに知識と技術があればそんなに時間はかからないとも言われています。

ただし、行動を変えるという点では時間はかからないかもしれない。
しかし、精神的なものに対する取り組みは問題行動に至る時間や問題行動が発生した時間の長さに比例して大きくなります。

なので、早めに対処することが問題を悪化させない方法ですが、飼い主さんが出会うトレーナーの質の問題もあります。
基礎を学ばず、行動だけに焦点を当ててしまうとこじれてしまうケースも出てきます。
そういうケースが今回問題となっているケースだと思われます。

犬に優しいトレーニングをした結果、ひどくなった。
それは、感情(情動)の部分のトレーニングができていなくて行動にばかり目がいっている結果かと想像しています。

犬も感情の動物で個体差がある。
個々を理解し対応することが重要です。

本人に話を聞いた

私は、噛み犬専門のトレーナーに直接話を聞いたことがあります。
色々と伝わってくる話では真実が見えてこないと思ったから。
それで、彼から聞いたことは絶対容認できないと思いました。
彼は彼なりに犬を愛し、犬を守りたいと思っているのかも知れませんが方法が人道的ではないのです。

お話を聞いた時はすでに待機リストが存在していました。
また、成功例しか聞きませんが、噛み犬専門といいつつ改善されない犬は返却せず、引き取るため更正率には反映されない。

入所後、半年は放置です。
愛情遮断を使い、人間への依存度を高めて恐怖で攻撃的になっているものをさらに痛め付け無力感学習、一種のうつ状態にして従わせている。
と私は受けとりました。
ある意味恐怖政治です。

テレビで見た犬たちは攻撃的なシグナルは一切出ていませんでした。
怖くて怖くて仕方なくて自分を守るために必死だったようにしかみえませんでした。

そんな犬たちに私たちは何をしてあげるべきなんでしょうね。
そこを考えられるようにしたいですね。

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