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今さら聞けない現代バスケ戦術の学び方【その1】


バスケの戦術に関する本や映像資料を漁ると、たとえばピックアンドロールのような個別具体のプレー(アクション)を紹介するものが大多数を占めている。

ピックアンドロールはそういったアクションの1つとしてあまりにも有名だが、3人4人といったより多い人数が関わるアクションやモーションオフェンス、複数のアクションを組み合わせたセットプレーなど、見慣れていないと複雑に感じるプレーも多い(しかも、詳しく知ろうと思えば思うほど日本語の情報が減っていく)。

「戦術を勉強しよう」と思って、そういったプレーを紹介しているブログや動画をいきなり見ると、日々現場に立っているコーチですら「難しい」「自分が指導しているチームには合わない」と思ってしまうことも少なくない。

また、そうしたプレーは膨大にあるので、どこから勉強し始めて、どこまでを覚えたら「戦術に詳しい」といえるのか。

スキルトレーニングの真似しやすさ、「良い練習ができてる感」との戦い

戦術の話とは変わって、最近はドリブルやフィニッシュのスキルを紹介した短い(見やすい)動画が溢れている。なので、そちらの方が「うちのチームでも真似できる」「やらせられそう」となってしまいがちだったりもする。

もちろん育成年代に限らず、バスケをプレーする上でボールハンドリングが重要なのは間違いない。でもコーチとしては、「自主練ではなくチーム練習で何を教えるべきか」を考えると、選手も見ているであろうSNSで見かけたドリブルやフィニッシュばかりを扱っているだけでは不十分だ。

なぜなら、それらのスキルは、「どんな場面でボールを持って」「どんなディフェンスをされているのか」によって必要なもの・使えるものが変わるからだ。そして、その場面というのは、チームの戦術(5人の動き・いる位置)によって左右される。

だから、1人が好きにコートを動いたりボールを持ったりしてどうにかできるものではない(ことが多い)。あるいは、練習させているスキルが、チームで使っている5人の動きの中ではあまり使えないこともある。

だからこそ、スキルトレーニングの前提として、戦術(状況判断、バスケIQなど、言い方はいろいろあると思う)のトレーニングをチーム練習でやることが重要だ。

スキルトレーニングはクローズドな(=ディフェンスがいなかったりダミーだったりする)ドリルになることも多いので、上達したかどうかが分かりやすく、練習中も「良いドリルをやってる感」を得やすい。

一方で、実際の試合のシチュエーションとのズレが大きい場合、練習中のやってる感とは裏腹に、試合では「(練習ではできているのに)なぜかうまくいかない」という感覚に襲われたりする。

反対に、戦術理解のための練習はある程度工夫しないと、説明が分かりにくくて長いもの(選手が飽きてしまう状況)になったり、意図した状況を作り出せなかったりなど、いわゆるカオスな状況にもなりうる。

とはいえ、ドリルを工夫しすぎて状況設定が過度に細かくなると、今度は実際の試合に転用しづらくなってしまう。コーチの腕が問われやすく、自分がわからない練習はさせられないからこそ、優先度が下がってしまう(分量の問題で、どんな練習をすべきかについては次回以降で触れます)。

この記事で得られるもの

戦術は重要性が高いにも関わらず、学ぶ上でのハードルが高い。その一番の理由は、「なぜそうするのかが分からない」からだと思う。

なぜ1が右サイドでベースラインドライブをして、その間に反対側でショートコーナーにいる4がウイングにいる2にバックスクリーンをかけるのか?

ハンマーアクション

これはハンマーというプレーの1種だが、すべての選手の動きに理由があるし、このプレーをやるべきチームとそうでないチームがある。

その「意図」や「理由」を考えず、闇雲にプレーを暗記しようとすると、それぞれのプレーを関連付けて覚えることができないし(ハンマーにも派生形のプレーや、同じ意図を持った別のプレーが存在する)、必要なときに使うことができない。

それを解消するために、この記事では自分がこれまでバスケの戦術に関して学んできたことをまとめてみた。冒頭に挙げたような、いきなり見ると ”とっつきにくい” 動画やブログを理解しやすくなるための入り口として、ここにまとめたことを使っていただけたらうれしい。

ちなみに、この記事には独自理論のようなものは一切書いていない。もっというと、「よく考えれば当たり前」なことの集合体でしかない(なので、何か目新しいことを期待している人・当たり前なことをわざわざ読みたくない人には向いていないかもしれない)。

バスケには100年以上の歴史があって、偉大なコーチや選手が積み重ねてきたものがある。だから、そうした先人たちの知識・知恵を学ぶほうが、NBAをはじめとする最高峰で行われていることを理解しやすくなるはずだ。ただ、それらの「当たり前」がそもそも言語化されていなかったり、1つの資料に体系立ててまとめられていなかったりするからこそ、この記事が存在する意味があると考えている。

そもそも「戦術」とは何か

バスケに限らず、「戦術」は多くの業界で使われている言葉だ。これに似た言葉に「戦略」というものがある。この二つは、定義(違い)が曖昧だったり、人によって定義が違ったりする。

戦略と戦術は明確に分けて理解すべきだし、それがコーチとしてチームを強化する上ですごく重要になってくる。もう少し詳しくいうと、チームに戦略がなければモーションやセットプレーといった戦術は最大限の効果が発揮できない。

だが実際のところ、戦略と戦術を明確に分けて考えている人はあまり多くないというのが、ミニバスからプロまで、カテゴリを問わず色々なコーチと会話をしてきた筆者の肌感覚だ。

※その原因の一つとして、英語ではstrategy(戦略)とtactic(戦術)は発音もスペルも違った単語なのに、日本語では二つがすごくよく似た言葉ことがあるんじゃないかと考えている。

戦略 > 戦術

まず戦略とは、このような意味だ。

①いくさのはかりごと。特に、戦いに勝つための大局的な方法や策略。戦術より上位の概念。② ある目的を達成するために大局的に事を運ぶ方策。特に、政治闘争、企業競争などの長期的な策略。

出典:コトバンク

戦術よりも、戦略のほうがより大きいものを指している。戦略がもとになって戦術が決まる、というようなイメージだ。

そして、戦術とはこのような意味を持つ。

戦術は言うなれば、戦略実現のためのパーツ

① 作戦および戦闘を最も効果的に遂行するための術策。「戦略」の下位の概念。戦法。② ある目的を達成するために取る手段、方法。

出典:コトバンク

つまり戦術とは、戦略に沿って考えた具体的な「手段」のことを指している。戦略と戦術の関係性を整理すると、下のようなイメージになる(あくまで概念図)。

戦略に合致した戦術が組み立てられているか。戦略と戦術がチグハグになっていないか。

戦略と戦術について、アメリカのとあるビジネス管理・効率化ツールを提供している会社のブログを読むと、すごく面白いことが書いてあった。

About 2,500 years ago, Chinese military strategist Sun Tzu wrote The Art of War. In it, he said, “Strategy without tactics is the slowest route to victory. Tactics without strategy is the noise before defeat.”

(訳)およそ2500年前、孫子は著書『孫子の兵法』の中でこう書いた。「戦術なき戦略は、勝利への最も遅い道である。戦略なき戦術は、敗北の前の雑音である」

出典:Strategy vs. Tactics: The Main Difference & How to Track Both

試合でたまに見かける、ボールを持つ人(ハンドラー)やスクリーンをかける人(スクリナー)などに意図がなく、誰彼構わずピックアンドロールを連発するオフェンスは、まさに「戦略なき戦術」なのかもしれない。

チームに合った戦略の見極め方

戦術については、「ハンマー」や「UCLAカット」、あるいはいくつかのを組み合わせたプレーなど、具体的なイメージがつきやすいだろう。

では、バスケにおける戦略とは一体何を指すのだろうか。ここからはその例や、考え方について紹介したい。

まず戦略は、このようなものが例になる。

【戦略の例
(自チームの分析)
自チームには選手は走力・体力がないものの、ボールハンドリングが良いビッグマンがいる。

(戦略)
なので、
①ペースを落としたゲーム展開にして、
②ビッグマンのポストプレイや、ディフェンス全体がビッグマンに惹きつけられることを利用して他の4人がカッティングで合わせる
という点の取り方にしよう。

戦略は、ビジネスでは下のような考え方をすることが多い。これは、バスケでも応用ができる。

戦略をつくる=「限られた資源」を「どこに投下するか」を決めること。
※ここでいう「資源」は、「戦力」と言い換えることができる。

「どこに投下するか」を決めるというのは、逆にいうと「何を諦めるか・捨てるか」を決めることでもある。それを決めるためにも、まずは自チームで利用できる「資源」が何かを分析しなければいけない。

資源とは、ビジネスだと「人・モノ・金」の3つが要素だといわれる。そのほかにもSWOT(Strength, Weakness, Oppotunity, Threat の略)などのフレームワークで整理されることもある。

こうした考え方を踏まえて、バスケで資源になりうる要素は、次のようなものがある。

これはあくまでも一例で、もっと広げて考えると練習環境やコーチ(チームの成長スピードに関係する)、選手リクルートの可否などもチームの資源になる。だが、まずは上のリストがミニマムな要素になると思う。

このような視点で自チームを分析したら、次は「ベンチマークするレベルと比べたときの強み・弱み」を考える。ベンチマークとは、特定チーム(〇〇高校に勝つ)もしくはランキング(県大会〇位)といった可視化できる目標ともいえる。

もちろん、現時点ではベンチマークには達していないことも多い。その場合でも、「うちのチームが〇〇高校に勝つには/県大会〇位になるには、きっとここが強みになるだろう」といった見立てをする(=仮説立てをする)。そしてこれを考えることが、コーチの仕事の仕事の面白さでもある。

このとき、例えば「アシストを増やそう」は結果論(かつ曖昧)なので、あまり良い戦略とはいえない。もう少し具体的に、「誰(もしくはどのポジション)を起点に、誰に対して合わせるプレーを増やす」といったレベルまで考えることで、戦術が決めやすくなる。

また、ベンチマークが非現実的すぎる(高すぎる)とチームの強みや特徴が出てこないこともある。その場合は、現実的な比較対象を設定することで見えてくるものがある。

一般論と自チームの実情、どちらも考慮する

戦略(=チームの勝ち筋)を考える上で、一般論もヒントになる。ここ数年間で広まっている「得点期待値」というのがそれに当たる。

得点期待値については色々なところで紹介されているので詳細は省くと、要は「ゴール下・フリースロー・スリーポイントの3つは得点方法として効率が高い」ということが科学的(統計的)に明らかになっている。なのでそれらのシュートを狙うと良い、ということなのだが、これは必ずしも全てのチーム・選手に当てはまるわけではない。

特にスリーポイントについては、適切な指導の有無や練習量などによって、期待値は一般論よりも低くなる。フリースローも、選手によっては確率が極端に低い場合がある。

この辺りは、「(各シュートの得点期待値は一般論に近づくはず、という前提を信じて)精度を高める」ための練習をしながら、同時に「現状の期待値に基づいた得点パターンを考える」のが現実的だろう。

また、最近では広まってきているが、単に身長だけでポジションを規定しないというのも大事な考え方になる。ユースの場合は全選手に全ポジションのプレーを練習させながら、身長にとらわれずその選手の強みになるプレーを見つけていくことが、戦略をつくる上でも必要だ。

取捨選択をするときの落とし穴

戦略を決める上で難しいのが「何を諦めるか」。
例えば背の小さいチームだからといって、「リバウンドを諦めよう」としてしまうと、それは重大な穴になってしまう(指導しているチームでもそれで失敗した経験がある)。

全てのリバウンド(特にディフェンスリバウンド)を捨ててはいけない理由は、攻撃回数に大きな差が出てしまうからだ。

バスケのオフェンスは、ざっくりいうと「攻撃回数 × 攻撃1回あたりの平均得点」で決まる。いくらディフェンスを頑張ってタフなシュートを打たせても、それが3回4回繰り返されれば、そのうちシュートは決まってしまう。特に、ゴール下で相手にオフェンスリバウンドを奪われることは避けたい。

なのでこの場合、もう少し分解して、下のように考えを整理するといいと思う。

「オフェンスリバウンドは諦めよう(その代わり確率の高いシュートを打って、全員がすぐにディフェンスに戻る、など)」

「イージーショットに繋がりやすいから、相手のビッグマンだけには絶対にリバウンドを取られないポジションに追い出して、他の4人のリバウンドはある程度諦めよう」

今回はオフェンスの話が中心だが、ディフェンスもこのような考え方で、自チームの戦力が活かせる守り方・弱点の隠し方を考えると良い。

戦略に基づいた戦術

先ほども挙げた戦略の例に対して、(オフェンスの)戦術を考えるとどうなるだろうか。

※再掲

【戦略の例

(自チームの分析)
自チームには選手は走力・体力がないものの、ボールハンドリングが良いビッグマンがいる。

(戦略)
なので、
①ペースを落としたゲーム展開にして、
②ビッグマンのポストプレイや、ディフェンス全体がビッグマンに惹きつけられることを利用して他の4人がカッティングで合わせる
という点の取り方にしよう。

もし自分がこのチームのコーチをしていたら、YouTubeで「denver nuggets 2023 offense」と検索して、ニコラヨキッチを起点にしたハーフコートオフェンスの中から、できそうなものを取り入れるだろう。

動画で取り上げられているプレーのうち、いくつかを描き起こしてみた。

AIカット → リップ(バックスクリーン)→ ハンドオフ
フレアスクリーン → バックカット
ズームアクション
ピンダウン → (1へのピックを)スリップ → バックスクリーン

これらのプレーはすべて、「5に一度ボールを預けて、そこを起点にして他の選手のカットやオフボールスクリーンでディフェンスとのズレを生む」という意図でつくられている。

もしNBAにどんなチーム・選手がいるか知らない場合は、下のようにいろんなプレーが網羅的に載っているサイトが参考になる。

動画を参考にするのと同じように、単体もしくは複数のプレーを組み合わせることで「5に一度ボールを預けて、そこを起点にして他の選手のカットやオフボールスクリーンでディフェンスとのズレを生む」ことができそうなプレーを探し出せばいい(複数のプレーを組み合わせるときのポイントについては次回以降の記事で紹介したい)。

このように考えると、いきなり辞書を1ページ目から読み始めるような感じで、闇雲にアクションを暗記することが必要じゃないと分かる。目的に合わせて必要なプレーを取り入れて、だんだん自分の引き出しを増やしていけばいいのだ。

戦略が戦術を決め、練習を決める

ここまでをまとめると、はっきりとした理由がないままで戦術を勉強したり、チームに導入したりすると、それを学ぶ理由やチームでやる説得力に欠けてしまう(そして、後回しになってしまう)。

だからこそ、まずはチームの状況を把握して、戦略を考えることから始めることが重要だ。また、コーチが「戦略はぼんやりと頭の中にある」状態でも、文字に起こすことが重要だ。文字に起こすときに、思わぬところで考えの抜け漏れに気づいたり、あるいは選手へ説明しやすくなったりする。

明文化された戦略があれば、戦術だけでなく、「この練習の目的はこれ」といったことが自分にも、チームにも説明しやすくなる。中学などで、昨今は部活の練習時間が減っている傾向もあったりするが、限られた時間でどんな練習をするかも、良い戦略があれば決めやすくなる。

「強みなんかない」という悩み

筆者自身もチーム単位ではミニバスと高校を指導しているが、どちらのチームも知名度がない状態からスタートしている。そして、選手をリクルートしてくることもできない。

こうしたチーム事情では、「強みがない」ということもある。その場合、「強みを作る」ことから始めなければいけない。

たとえば井手口先生が着任したての福岡第一高校が、選手のリクルートをできない状況からどうやって最初のインターハイに出たか?(井手口先生は、着任から3年で福岡県を初制覇した)

福岡第一高校に限らず、国内外でゼロからチーム作りに成功した事例はたくさんあるので、名将からから学ぶことには意味がある。福岡第一の場合は「緻密に訓練されたディフェンスからの速攻(good defense, easy basket)」という戦略があって、鬼のような練習量という手段が生まれた。

なので、あの練習は闇雲に走らせることが目的ではなく、40分間、一瞬も手を緩めずに激しいディフェンスと速攻をし続けることが目的になっている。走る練習が多くなることには当然デメリットもあるので、「デメリットを踏まえて戦略に合った練習をする」ことが重要だ。

他の有名な例としては、アメリカのプリンストン大学は、すごくざっくりいうと「アスリートとしての能力が劣っているチームが、賢く勝つ」という戦略のもと、「プリンストンオフェンス」と呼ばれる一つのオフェンス体系を作り上げて、過去に全米優勝までたどり着いた(プリンストンオフェンスに魅了された人は多くいるので、多くの資料を見ることができる)。

もちろん良い選手との巡り合いはある程度大事だが、それ以上に、「チームに明確な戦略を作って、それをブラさずに追い求め続ける」ことが重要だと思う。

JBAのテクニカルレポートは、戦略・戦術の参考資料

戦略や戦術について、他のチームがどのように策定しているのかを知ることは、機密情報もあるので難しい。
だが、JBAが公開しているテクニカルレポートは、かなり詳細にそれらのことが書かれている。

http://www.japanbasketball.jp/wp-content/uploads/Technical%20Report_MEN_0601.pdf

59ページにわたるボリュームのある資料(男子版)だが、9, 10ページのオフェンス・ディフェンスコンセプトのページだけでも参考になる。

ユース(ミニバス、U15)での考え方

育成をしなければいけないので、現時点の特徴を活かすことだけに留まらず、将来的なスキルセット・プレースタイルを見据えた戦術を選択しないといけない。

とはいえ、「全員が同じだけ点をとろう」「全員がエース」は非現実的な話ではないかとぼくは考えている。選手個々の強み・弱みは全員違うので、大きくいえばエースとロールプレイヤーというような考え方になるのが実際。

派生して、ユース育成論(の私見)

最近はボールハンドリングをはじめ、指導における "what" (何を教えるか)の情報量・質ともに高まってきている。ただ、金太郎飴のような画一的な選手育成はできるようでできないのではないかと感じる。

コーチがどれだけ手を尽くしても、仕込めるのは技術やセンス、精神論くらいなもので、選手の性格・身体特徴・物覚えの良さ・野性の勘・バスケへの情熱…といったものは個人差が大きく、それによってどのような選手になるかが大きく変わる。また、仮に画一的な育成ができたとしても、それが全員にとって一番良い育成かどうかは分からない。

飴にたとえるならば、選手個々の特徴をよく観察して、「何味の・どんな形の・どんな食感の飴」にすべきなのか、もしくはそもそも飴(選手)ではなく、「飴を包むオブラート」や「つい手に取りたくなるパッケージ」としての育成があるのかもしれない(今はコーチや審判といった道も、昔よりも開かれている)。

こうしたことを仮説立てて、選手個々と対話しながら導いていくのがコーチの仕事ではないかと思う。

そういう意味での「導き」は、下手すれば決めつけ的な指導で選手の可能性を狭めるリスクがある。でも可能性というものは、あえて狭めることで尖らせられたりもする。

それゆえコーチには責任が伴うし、実際には「彼にはああすべきでなかった」といった失敗・後悔をして初めて学ぶことも多い。だからこそ、コーチは学び続け、常に学習と自己改善を繰り返さないといけない。

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