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サッカー日本代表、森保監督への無策批判について

この記事の対象読者


・サッカーが好きで、今の日本代表首脳陣のやり方に不満のある人

・サッカーは日本代表戦を見るぐらいで、どうして森保監督が非難されているのか不思議な人

事実①:これまで(2022年7月現在)日本代表には明確な戦術がない


フォーメーションだけ決めてあとは試合中に選手に任せていることは選手たちのインタビューからもわかります。森保監督もピッチにたつ選手を選ぶこと自体が戦術であるということも言っています。戦術がない(すごく少ない)ことは事実でしょう。

事実②:戦術がない(すごく少ない)ことで多くの問題が起きている


入念に決められた戦術がないからと言って、選手たちが常に奇抜な動きをするわけではありません。動きは必ずパターン化していきます。

つまり、【戦術がない=選手が得意な数少ない戦術に頼るようになる】ということです。
これは相手チームからしたらむしろ対策をとりやすいです。現に対策を練ってきたチュニジアに対して日本代表は完敗してしまいました。

他の試合でも、同じ間違いを繰り返しているだけなんじゃないかと思える場面を見ることが少なくありません。

事実③:戦術なしでW杯は勝てない


スペインやドイツなど強いチームほどロボットのように戦術を守ってプレイします。綿密に決められた決まり事なしに11人が協力してプレイするのはあまりにも非効率だし、「試合中に各個人が修正して考えて動けば良い」なんて机上の空論でしょう。

ここまでのまとめ


これまで上げてきた事実を元に考えれば、
「戦術がないまま4年間過ごしてきた首脳陣は無能であり解任されるべきである!」
という結論に辿り着けそうではあります。

しかしこれはあまりにもおかしい。
その理由を説明します。

事実④:SNSやYoutubeで言われてることはサッカーのプロなら誰でも知ってる


戦術がないことの問題は誰にでもわかることです。ないよりあった方が良いに決まっています。つまりは日本代表首脳陣も当然わかっているはずです。

そもそもSNSやYoutubeで日本代表を非難している人たちはトッププロチームの指導者になったこともない人たちです。この人たちにわかってプロの指導者たちにわからないことはありません。

問題の見方は180度転換する


つまり、代表首脳陣は戦術に関する全ての問題を分かった上で今のやり方をしているはずだということです。

ではどうして無策批判を受けるようなやり方をしているのか。そのヒントとなるものをみていきましょう。

事実⑤:今回のW杯は準備期間が極端に短い


今回のW杯は非常に準備期間が短いです。というかほぼありません。欧州クラブはカタールW杯1週間前まで選手派遣義務がありません。こんなのW杯というよりも大規模な親善試合に近いです。

では、この特殊なW杯を勝つためにどうしたら良いのか。そういう観点に立って考える必要があります。

事実⑥:今回のW杯はコンディショニングが全て


カタールW杯直前はコンディショニングぐらいしかできません。いわゆるぶっつけ本番です。1週間かそこらでは、コンディショニングすら不安が大きいでしょう。すると、戦術次第でスタメンを決めることも簡単ではありません。

事実⑦:戦術を決めてから選手を選べるほど日本代表選手層は厚くない


残念ながら、日本代表選手層は厚くありません。久保選手を中心に戦術を決めても、久保選手の代わりはいません。三笘選手の代わりも遠藤選手の代わりもいません。スペインやドイツのように誰が出ても変わらずプレイできるような選手層がありません。

森保監督が言った「選手選び自体が戦術である」というのはそういう意味なのではなでしょうか?

常識的に考えて、たとえ森保監督がダメでもコーチ陣全員がダメなわけがない

元々森保監督は戦術家として知られている人ではありません。むしろ人の良さで求心力を持ちチームをまとめることに長けた人らしいです。

しかし、「だから代表チームには戦術がないんだ!森保辞めろ!」となるとそれも違います。チームには監督の他にコーチがいます。

横内 昭展
齊藤 俊秀

の2人のコーチがいます。

もしも代表首脳陣が無策なら、プロのコーチ10年以上のこの2人も「無策で良いよね」と思っていることになります。そんなことあり得る?常識的にありえないでしょう。それならば何らかの理由があって今までのやり方をしてきたはずです。

結論:最終選考が決まり次第色々やって本大会は面白いはず


協会が言っている通り日本代表にはベスト8にいくという明確な目標があります。それはグループリーグで弱者の戦いをして何とか勝ち抜くやり方では絶対に達成できません。

これまでのW杯を思い出して貰えば、日本代表はやり方の変化を求められていることは明らかです。前回のロシアW杯だって、相手が序盤でレッドカードを出したからグループリーグ突破出来たに過ぎません。

カタールW杯は「いかに急造チームで戦うか」が今までの代表戦以上に大事なテーマになっているのです。それはつまり日本代表の場合は「いかに急造戦術で戦うか」と同じだと考えることができないでしょうか?

「何かあるはずだ!」と思わないと楽しみに見れない


「本当になにもできないから戦術がないのではないか?」と心配に思えるような時も確かにあります。しかし、それだったらW杯で悲惨なことになるのは目に見えています。

カタールW杯の特殊な日程をうまく日本代表のチャンスに変えるための策があるはずです。

私は日本代表戦を楽しみに見たいです。そのためには「何かあるはずだ!」と思わないとやってられません。「何かあるはず!」です。


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