一次産業と地域ブランド
地方では農業や漁業などの一次産業が基幹産業のところが多く、一次産業に関連する事業、産業に従事する人も当然多くなります。地域の人口を維持して地域の経済を維持するためには、一次産業と地域が一体となったブランディングが必ず必要になります。
特に最近ではふるさと納税などの制度で全国から寄付が集まり、その資金を元手に行政も地域の福祉や教育、新たな事業作りをすることができます。ブランディングは地域のふるさと納税を集めるための仕掛けでもあります。
僕は農協や役場の勉強会などで講師として呼ばれることがあります。その時には、参加者の皆さんに地域で誇れる一次産品はあるか、その特性はどのようなもので、どのような人に支持されたいか?をグループで考えるワークショップなどを実施しています。
特産品はあるものの、その特性を言い表すことができなかったり、そもそも地域にある魅力的な産品、景観、文化などの資源に気づかないこともよくあります。
また、誰かが地域の資源の存在に気づいても、地域として総括的な管理ができておらず、意図せず勝手にブランドが乱立してしまい、結果的にブランドが大きく育たず、その後もブランドの統一が難しいといった問題も生じています。
ブランドを管理すべき組織や人が役場なのか、農協なのか、企業なのかが定められていない場合もあるし、ブランドを作るための予算が確保できないという問題もあります。
ブランドは無形の財産であり、ブランド情報の受け手の頭の中にその価値が形成されるので、見えない財産です。見えないものを評価するのは難しく、結果的に予算がつかないということもあるでしょう。
産品の価値を高めて高く売るより、安くてもいいから安定的に大量に動かしたいという思惑が強いので、ブランドによって付加価値が高まるということについて懐疑的というか理解されにくいのが問題です。
地域ブランドは組織を超えて多様な関係者を巻き込むことになることから、人や組織の間での調整力が必要となります。従って、トップダウンで実施をするべきです。
そして、トップが任命したブランドマネージャーが一才を取り仕切るという構造が理想です。ブランドマネージャーには専門的な知識が必要ですが、それは外部のコンサルタントなどと連携すると良いでしょう、
ブランディングは、Webサイトの構築や、シンボルマークのデザイン、名称開発、商標出願など、コンテンツを作るだけで終わるのではありません。むしろ、そこはスタートであり、そこから価値を高めていくのがブランドマネージャーの仕事になります。
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