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カミナシ×Leaner合同採用イベント「スタートアップの事業開発を牽引するセールスとは?事業立ち上げ時の役割について」

事業立ち上げのセールスの役割についてLeanerとカミナシのセールスマネージャーによるセッション形式の採用イベントを行いました!
事後アンケートでの満足度は100%!イベントでお話いただいたスタートアップのセールスが担う役割について、非常にリアルな内容をレポートにまとめました!

はじめに

スピーカー紹介

株式会社カミナシ
セールス部 部長 富澤 仁 氏

新卒で帝人ファーマ株式会社へ入社し、医薬品事業においてMRとして5年間従事。2015年株式会社エス・エム・エス入社後、介護業界向けの教育関連の新規事業で拠点責任者を担当。2020年株式会社カミナシに入社し、インサイドセールスやフィールドセールス部門の立ち上げを経て、現在はセールス部 部長として組織づくりに注力している。「30年変わらなかった現場を、ITの力で変えていく」という代表の思いに強く共感し、10人目の社員としてカミナシに入社。

株式会社Leaner Technologies
営業マネージャー 山下 翔平

新卒で日産自動車の経営企画部門に入社。国内市場の販管費を統括する役員直轄の部署で、市場分析や販売予測のレポート作成、部内の業務効率化などに従事。その後セールステック系SaaS企業を経て、2020年8月に株式会社Leaner Technologiesにジョイン。
インサイドセールス部門の責任者として、事業開発のゼロイチ立ち上げを担当。現在はエンタープライズ向けの営業チームのマネージャーを担当。

モデレーター
株式会社Leaner Technologies
カスタマーサクセス責任者 織茂尚之

2016年に新卒でリクルートジョブズに入社後、5年間HR領域のエンタープライズセールスを経て、2020年に株式会社Leaner Technologiesにジョイン。Leanerでは、Salesチームを経て、調達力を強化するソーシングDXクラウド『Leaner見積』のカスタマーサクセスチームの立ち上げ、現在は責任者を務める。好きなことは商談とサウナで熱波を送ること。

事業内容

株式会社カミナシ
『カミナシ』は、作業チェックなど現場の業務フローをノーコードでデジタル化する現場DXプラットフォームです。これまで紙やエクセルで行っていた手書き情報のデータ化から集計、報告など、作業をノーコードでアプリにすることで、現場での正しい作業ナビゲーションの徹底やチェックデータのリアルタイムな一元管理を実現。製造や飲食、小売、物流など、業界問わず10,000箇所以上の現場のDXに寄与しています。

株式会社Leaner Technologies
「調達のスタンダードを刷新し続ける」をミッションに、ソーシングの高度化を実現するソーシングDXクラウド「Leaner見積」、購買プロセスを一元管理する購買プラットフォーム「Leaner購買」を提供しています。
企業の調達部における過去のデータや取引先・社内関係者とのコミュニケーションなど、業務プロセスをデジタル化し、蓄積されたデータの活用を促進することで、調達部門の生産性と企業の利益率向上を実現するサービスを提供します。

パネルディスカッション

これまでの営業組織の変遷と当時苦労したこと・乗り越え方


織茂:これまで組織変遷があったかと思いますが、セールス組織の立ち上げ時に苦労したことを教えてください。

カミナシ 営業組織の変遷

富澤:カミナシの営業は現在20名ほどですが、2020年10月に入社、2人目のセールス、インサイドセールスとして新規リードの対応、FSその後の対応を依頼するという業務を行っていました。
当時、ターゲティングの明確化や売り方、セールスの型もない状態でした。ターゲティングや資料、デモの方法からザ・モデル型の営業体制にまで最適な状態なのかという悩みを抱えていました。

Leaner 営業体制の変遷

山下:Leanerはプロダクトのピポットもあったのですが、富澤さんと同じPMFするセグメントの特定に苦労しました。また、そこで設定したお客さんに対してプロダクトを通して価値を返せるかが課題でした。

織茂:セールス組織としてもターゲットの特定に苦労されていたんですね、2年目はいかがですか?

富澤:2年目は、メンバーも増やしていく段階だったのでメンバーのオンボーディングの仕組みやバリューを体現するチームづくりなど、1つのことに向かう組織づくりの課題がありました。

山下:Leanerは大手向けのサービスなので、リストが少ないことや、お客様の予算どりや決裁までの進め方、市場だけでなくお客さんのペインや業務を詳細に理解することが重要だったと思います。

織茂:続けて、最後に3年目にはどのような変化がありましたか?

富澤:3年目は、1年目に設定したターゲットや売り方をベースに、それだけに依存しないよう事業の伸び代を作るタイミングでした。このタイミングが遅れると事業成長が遅れるし、早すぎると非効率になってしまうので、タイミングの見極めは難しかったところです。
「THE MODEL」の罠と書いているのは、縦割り組織によりKPIにコミットしすぎて組織が連動していないという課題も感じました。
また、この時期はメンバーが増え、組織の作り方や体制変更によるチーム、メンバーへの影響が大きくなるので慎重に進めていた時期です。

山下:3年目は、案件達成に向けたヨミの精度向上やメンバーのフォローに注力しました。案件が増え、人が足りないので採用も重要でしたし、メンバーのオンボーディング、育成スピードをあげるように動いた時期です。

事業立ち上げ初期に苦戦したマーケット開発、ニーズがあるも受注できない理由と乗り越え方

織茂:ありがとうございます。両社とも立ち上げ初期は、ターゲティングのセグメント設定、マーケット開発に苦労したというお話でしたが、特に大変だったことは何でしたか?

富澤:Leanerも同じだとは思うのですが、現場での課題はめちゃくちゃあるけれど、予算がないところを取りにいかないといけない、Nice to haveになりやすいプロダクトです。
リードも案件も多いですが、最後に受注が決まらず、時期がペンディングすることが多かったんですね。ペインを解決できるからプロダクトが売れるわけではないというところですね。

織茂:とても興味深いですね、ここを乗り越えたポイントはありますか?

富澤:カミナシは「マルチバーティカル戦略」と言って多業種で使っていただけるプロダクトとして今だと30業界ぐらいで使っていただいているのですが、当時はターゲットを3業界に絞って資料や提案をやるようにしました。
やはり、お客様のドメインをしっかり理解してこちらから示唆を出す、提案をしていくことが工夫点でした。

織茂:ターゲットを絞り込むということは、来ているリードを捨てるという見方にもなるかなと思ったのですが、この判断はどうしていたのか詳しく聞きたいです。

富澤:1つの業界に絞り込むのは、事例やリードの構成比率に偏りがあったので、あまり難しくはなかったです。
しかし、その他の業界への検証が遅れることは怖かったです。なので、ターゲット業界はフィールドセールスで売り上げをあげてもらい、その他の業界は自分でインサイドセールスをやって検証するようにしていました。

山下:富澤さんからお話があったようにLeanerも商談が進んでも受注に至らないケースがありました。
ゼロイチ立ち上げの時に難しかったのは、現場のニーズを捉え、ペインが解けることと、予算が取れることは別問題なんですね。予算をとるときに大事なのは、ペインを解いた時の経営的なインパクトの大きさです。「このペインを解決した時に、会社としてお金を投資していただけるか?(経営陣が投資対効果に納得するか)」という観点でターゲットを決めるのが難しかったです。

織茂:両社とも商談から受注にならないという同じ課題をかかえていたんですね。この課題にどうアプローチしましたか?

富澤:SMBは物量で勝負し、大手企業はBDR、レター&コールに振り切りました。ミッドマーケットについても苦戦はしていますが大手企業と同じようにしていきたいと考えています。

山下:Leanerは初期から大手企業をターゲティングしていたので、社内で決裁を取りに行く際に、ROIをシビアに求められます。Leanerを導入することで、どのような経営的なインパクトがあるのか、定量効果を試算する際のロジックの作り方はかなり工夫しましたね。

スタートアップのセールス組織に重要な外向き思考とは?

織茂:ありがとうございます。次に組織についてお話を伺えればと思います。組織規模が大きくなると組織も変わってくると思いますが、人が増えることによって起きる苦労は具体的にどこでしたか?

富澤:バリューを体現するところは一筋縄ではいかないので、ここに苦労しました。それぞれ価値観が違うので、組織づくりをする上で気を使っていますし、バリューの浸透は重要だと思っています。
カミナシのバリュー: https://corp.kaminashi.jp/culture#value

織茂:バリューが体現できていないことで起きる困ることは、何でしょうか?

富澤:現場の目線がずれてしまうことですね。THE MODELのセールスは分業制なので、マーケでリード供給が少ない、ISが有効アポが取れない、FSの受注率が低い、などなど他責にして言い訳できてしまうんですね。あくまで事業目標の達成という大きなゴールをブラさないようにし、他の部門も巻き込んで改善を目指す動きをしていくためにもバリューの浸透は重要です。あとは、採用でもバリューは効いてきます。バリューが浸透していないと、社員が発信する記事や面接など会社を知ってもらう材料の内容に矛盾が生じてしまいます。仲間集めの観点でもバリューの浸透は大事です。

織茂:Leanerはどうですか?

山下:正直ここはあまり苦労しませんでした。
採用時点でカルチャーフィットを最重視しているので、メンバーのバリューへの向き合い方に差がある、バリューを浸透させるために特別に何かをする、ということもなかったです。ここはいいメンバーに恵まれたと思いますね。また、お客様への価値提供を考えて真摯に事業と顧客に向き合っていれば、自然とバリューが体現できている気がします。
カミナシさんでいうところの「外向きベクトル」、Leanerだと「コトに向かう」という表現をしていますが、やはり自分のキャリアアップや昇進、昇給だけに興味がある人よりも、顧客の成功や事業の成功、日本を良くする、といった外向きの思考がある人はスタートアップでも頑張れると思います。
Leanerのバリュー:https://note.com/leaner/n/n838127d0361b

織茂:ありがとうございます。富澤さんに伺いたいのですが、バリュー浸透に紐づいた効果的な施策はありましたか?

富澤:大きく5つあるのですが
・バリューづくりに社員を巻き込むこと
・バリューに対しての振り返り
・winセッションの実施
・1on1でバリューへの向き合い方をすり合わせる
・バリュー体現度を評価に入れる
この5つです。特に1つめのバリューづくりに社員を巻き込むこと、0→1でなくとも、1→10でも関わらせる価値はあると思います。決められたバリューが与えられるだけではなく、自分たちでバリューを決めるところからオーナーシップを持つことで、より自分ゴト化してバリューを発揮できると思っています。

織茂:山下さん、Leanerは特別なことをしていないと言ってましたが、普段意識されていることはありますか?

山下:何か特別な施策を行うというより、普段から発信し続けることが大事だと思っています。Leanerを導入することが、顧客にとってどれくらいインパクトが大きいことか、もっと引いて見ると日本経済全体にどれくらいインパクトがあることなのか。社会的な意義を理解した上で行う日々の営業活動は自然とクオリティも上がっていくと思います。
弊社は今製造業の方々をメインターゲットとしていますが、製造業全体で日本のGDPの20%を占めますし、日本の貿易において外貨を獲得しているメインの産業は製造業です。製造業の皆様が日本のみならず海外で製品を展開し、そこで得た収益を日本国内に還元することで日本のサービス業も潤います。このような発信を日々slackやmtgで続けています。
また、地方に出張に行った際は、出張先の顧客がその地域経済においてどれだけ重要なのか、その地域をもっと盛り上げるためには顧客にどのような支援を行うべきなのか、こういった会話ばかりしていますね。

まとめ

織茂:ありがとうございます。セールスとしてのマーケティングや組織づくりの側面のお話を伺え、スタートアップのセールスが担う役割の広さと事業成長への責任の大きさを改めて感じました。では、最後に本日のまとめとしてそれぞれ一言ずつお願いします。

山下:今日、富澤さんと話すことができとても勉強になりました。
悩むことも同じなんだな、とも思いましたし、スタートアップはおもしろいと感じます。
Leanerでは、sales office sakabaという誰でもカジュアルに参加できるイベントを開催予定(次回は2/15,3/21)なので、スタートアップ、セールス、Leanerについて興味を持っていただければ、ぜひ参加していただければと思います!

富澤:大手出身ですが、改めてスタートアップはおもしろいと感じました。今日のこの場もそうですが、スタートアップは外部との壁が低く、色んな悩みや情報ををシェアできる環境です。カミナシはこれから大きくしていくフェーズで、第2次立ち上げ期に入ります。採用もやっているので、ぜひ興味がある方は、DMなどをお送りいただければと思います。

ありがとうございました!

以上、カミナシ×Leaner合同採用イベント「スタートアップの事業開発を牽引するセールスとは?事業立ち上げ時の役割について」についてのレポートでした!

セールスやスタートアップ、各社の事業などさらに詳しく知りたい方は、以下のSNSからDMをお待ちしております!

株式会社カミナシ
セールス部 部長 富澤 仁 氏

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株式会社Leaner Technologies
営業マネージャー 山下 翔平

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