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【11/12 国際男性デー記念イベントレポート】誰もがDE&I推進の主役になる時代へ!〜男性の生きづらさとDE&I推進調査2022〜

Lean In Tokyoでは、11/12(土)に、国際男性デーを記念してオンラインイベントを開催しました!今回のテーマは「誰もがDE&I推進の主役になる時代へ!〜男性の生きづらさとDE&I推進調査2022〜」。イベントの前半では男性が職場で感じる「生きづらさ」とDE&I推進に関するアンケートの結果を発表しました。後半では、デロイト トーマツ グループ有限責任監査法人トーマツパートナーの栗原健輔様と、株式会社NTTドコモ総務人事部育成担当課長の田中威津馬様をゲストにお迎えし、パネルディスカッションを行いました。

目次

男性が職場で感じる「生きづらさ」とDE&I推進に関するアンケート
・概要
・サマリー
・まとめ

パネルディスカッション
・ゲストプロフィール
・各企業におけるDE&I推進の現状と課題感
・企業にDE&I推進が必要な理由
・今回の調査結果を見て感じること
・企業のDE&I推進が社会にもたらすもの
・まとめ

男性が職場で感じる「生きづらさ」とDE&I推進に関するアンケート

概要

『男性が職場で感じる「生きづらさ」とDE&I推進に関するアンケート』実施概要

調査企画・実施:Lean In Tokyo
調査対象:日本国内で勤務する、性自認が男性の方
総回答数:435名
調査方法:オンライン上でのアンケート調査
実施期間:2022年8月27日~10月16日

サマリー


男性が職場で感じる「生きづらさ」

・「男だから」という固定概念により64%の男性が職場で「生きづらさを少しでも感じている」ことがわかった。
・「生きづらさ」を感じる具体的な場面としては、「昇進に対して野心的でなければいけない・競争に勝たなければいけないというプレッシャーを感じるとき」「長時間労働や休日出勤を許容できなければいけない風潮」が上位に。
・「男らしさ」のプレッシャーを感じる原因は「社会全体の風潮」が最も多く、次に「男性の直属の上司」「男性の同僚・知人・友人」から。

男性のDE&I推進への取り組み意識

半数を超える男性が、DE&Iには「男性への配慮がない」と感じていると回答。
62%の回答者が「男性の多様性が尊重されること」もDE&Iの推進に含まれるならば、DE&Iの推進を行うモチベーションは上がると回答。
・もしも職場で「男らしさ」が求められないとしたら、多くの男性が「自分らしいワークスタイル・マネジメントスタイルになる」「私生活を重視した時間の使い方をする」「もっとやりたい仕事に挑戦する」と回答。

まとめ

本調査を踏まえ、企業におけるDE&I推進の中で「男性のワークスタイル・ライフスタイルの多様性の尊重」に一層スポットライトを当て、DE&I推進の主題の一つとして男性の生きづらさも解消していくことで、誰しもが生き生きと輝ける社会の実現に近づいていくものと考察します。
詳しい調査結果はこちらをご覧ください。

パネルディスカッション

ゲストプロフィール

なぜ日本企業にとって、DE&Iが必要なのか?

栗原さん(以下、栗原)「経営戦略に尽きると思います。日本でもDE&Iは進んでいると思われるかもしれませんが、2022年のジェンダーギャップランキングで日本は116位で、各国と比較しても遅れています。企業の財務パフォーマンスを見ても、フォーチューン誌500社において『女性役員の存在は優れた財務業績に結びついている』というファクトがあります。」

田中さん(以下、田中)「女性に限らず、色んな人がいるからこそ、本質的に解決しなければならない課題や提供価値が研ぎ澄まされていきます。実は一人一人がマイノリティなんだ、という企業文化にしたいと思っています。」

今回のアンケート回答でもっとも多かった、男性に生きづらさを感じさせている「社会全体の風潮」の正体は?

田中「今回このテーマで議論するにあたり、「社会全体の風潮」と回答された方は、実はご自身がそのような価値観を持っているのではないかかという仮説を持ってきました。『社会から求められているから』ということを言い訳にしているのではないでしょうか。」

栗原「これに対しては一つ自分なりの仮説を持っており、過去の成功体験が、一歩踏み出すのを止めているのではないでしょうか。オールドボーイズグループと呼ばれるシニアの男性のコミュニティが、いつの間にか企業を牛耳っており、そこのコミュニティに所属しているだけで出世できる、と考えているパターンが見受けられます。」

田中「一方で、そのオールドスタイルがイノベーション・日本の成長にどれだけ貢献できているのかは真剣に考え直していい時期かも。企業はどんどん実力主義になってきています。全員が自分らしく活躍することができる世界を作り、将来的にはダイバーシティ推進室が必要なくなるような世界を実現したいです。」

栗原「実は現在、日本の半分以上の家庭が共働きなんです。私の世代より下の方は共働きがマジョリティ。しかし現状マジョリティの声に思えないのはすごく不思議でありながら、一緒に戦う人が増えることに希望を感じています。」

企業でDE&Iを推進する上での発見は?

栗原「まず、男性が声をあげるか、女性が声をあげるか、によって男性管理職の方々の受け取られ方が違うと感じており、男性側からも声を上げることが重要だと思います。また、DE&I推進に対して、『自分は男性だから何もしなくていいんでしょ?』と受け取られがちですが、下の図のように、中立でいることは格差を再生産してしまいます。格差を是正したいと思うならば、アクションを起こさないと、バランスは取れないんです。」

田中「男性の社長が言うと響くということがありますよね。あとは、色々な価値観が社内に溢れているんだよ、と言うことを可視化させることがポイントです。他の人がどこで苦しんでいるか分かってない人もいるので、例えばドコモではSlackでの匿名チャットなど、皆が隠さないでオープンに議論できる場を作ったりしています。」

栗原「一般的に、ダイバーシティの話をすると男性の肩身が狭い話だと思われがちという傾向があるように感じますが、ダイバーシティを認めてない会社は、男性のダイバーシティも認めてないことが多いと思います。〇〇じゃないと出世できない、など。ダイバーシティが進むことで、あなたもこういう働き方ができるようになるということなんですよ、と伝えたいです。」

まとめ

パネルディスカッション中にはチャットが非常に盛り上がり、たくさんのコメントや質問が寄せられました。質疑応答では「会社の聞く耳を持たない人に対して、どのように働きかければ良いか?」「アファーマティブアクションについてどう思うか?」「伝統的な日本企業で、DE&Iの重要性を周知させるには?」「中小企業にはどう働きかければ良いか?」などをピックアップし、栗原さんと田中さんのご意見を伺いました。

その他にも参加された皆様から次々に質問が出て、非常にインタラクティブなセッションとなりました!
今回のイベントでは、調査結果とパネルディスカッションの両方を通して、DE&Iの推進が「男らしさ」に起因する生きづらさから人々を解放し、全員がマイノリティなのだという意識が根付くことで、みんなにとって「生きやすい」社会の実現につながることを再確認することができました。

今後もLean In Tokyoではイベントを開催予定ですので、ご興味あるテーマがございましたら、ぜひご参加ください!


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