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自作詩

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ナルが書いた自作の詩のようなものたちです。読んでいただけたら成仏できます。
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2024年8月の記事一覧

まぼろしを紡いで

もう全部やめてしまおうか キーボードを叩く音が止まる 夏の風ばかりが過ぎる静寂 夜の闇に右手をしのばせる いつまでも変わらない世界に 理想とは程遠い自分に あきらめる癖ばかりついた それでも言葉を紡いだ ニライカナイの夢を見て 湯船に沈めた手首 思い出すのは十府ヶ浦 あの朝焼けのまぼろし 大八洲を駆けるのはこころ ただぼくのこころ 息を吐き出して、静寂を壊した 夏の夜は少しだけぼくに寄り添う あの朝焼けに消えてしまえば もうぼくはきみに会えないのか 認めよう、生きよう

夜空に泡々

曹達に浮かんでは消える星々 次の星が消えたなら それから何度見送ったのか この店にはふたりきり 夜空の奥にきみが見える わたしより本が大事みたい こっち見てよ、話したいの また星が浮かんで消えた しゅわしゅわと消える星たちが この想いまで連れて行きそうで 今日言わなきゃ、その何度目かの今日に そ知らぬ顔ではじける曹達 曖昧なまま夏が終わりそう 蝉時雨と祭り囃子、壁に向日葵の刺繍 降り出しそうな夕立の前に 次の星がはじけて消えたなら ふたりの恋を、今はじめたいよ はじけ

乱反射

空色の瓶ラムネを 晴天に引き合わせる 乱反射する陽光が きみの笑顔に触れる 何年経っても夏は暑いまま ふたりは離れずにいるね 少しだけ微睡んできた恋心 それでも一緒がいい 登り坂、駆け上がる アオハルなんて言葉じゃ足りない ふたりが一緒にいるならば それだけが全ての日々 空色の瓶ラムネ 晴天に引き合わされて 乱反射した陽光と きみの笑顔に触れた どんな夏も冬も一緒にいよう 季節の果ての愛があるはず 少し微睡んできた恋心 それでも、ずっと一緒 空色の瓶ラムネ 心の温度を

月に麦酒

欠けていく月を ぼくたちは見ていた 少し昔、泣いているきみの隣 きみは大好きな彼に さよならを告げられていた 葡萄味のサイダーを飲んで 「大好きだったんだ」って笑う それがあんまり哀しいから ぼくが守るって言ったんだ パッチワークのシャツに 海風が残るくらい ぼくたちはそこにいたね、覚えてる? あれからの色んなことは 言葉にしたら泡になりそうで 言わないよ、だけど ふたりこうして今も 苦い麦酒を飲みながら 満ちていく月を見ている きっと、それがすべて パッチワークのシ