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しおりの小説の書き方講座⑦「プロットの変え方」

こんにちは、しおりです!

前回は、私の小説(貼るの恥ずかしいですが)をモデルに、プロットの説明をガツガツしていきました。
https://ncode.syosetu.com/n1624gb/
「幼馴染さん、なんでもいいから、ほんと、幸せになって?」
これのプロットをまずはまとめてみます。

【極大プロット】
幼馴染の良さを伝えたい

【大プロット】
気の置けない仲
その人にしかない過去の思い出
(友情と恋愛の間の揺らぎ(消去))

【中プロット】
男が告白されてるシーンを、主人公女が傍で見守る

妄想を繰り広げ、過去の回想に突入

(回想とぎれ)

サビの部分に、女「好きです!」を挿入

主人公女と男のいちゃいちゃシーン

とまあ、こんな感じですね。4000字程度の短篇を予定していたのでこんなものかなあって感じです。
不安ならば、「回想」をもう少し具体的にするといいかなって思いますが、私は、人の回想を妄想で書くのが得意だったので、書いてて一番しっくりくるのが思いついたらいいっかなって感じで放置しました。

長編の場合は、大プロットと中プロットの間に、「章立て用のプロット」を作るといいかもしれません(「章プロット」にしましょう)
大プロットが、今は「気の置けない仲」「その人にしかない過去の思い出」「友情と恋愛の間の揺らぎ」でした。この三つを核に、章プロットを三つ作っていきます。

章、ですので、ここは順番が大切になってくるでしょう。すると、「気の置けない仲」が最初になるでしょうか。というのも、まずは読者に「この男(女)は幼馴染ですよー」ということを伝えないといけません。すると、例えば、「家で一緒にご飯」「家族旅行」「学校ではそっけない」なんてイメージが湧くと思います。全部、章1プロットとして書き込んでおきましょう。
次は、「友情と恋愛の間の揺らぎ」を据えてみます。「片っぽが片っぽのことを好きになっちゃう」って感じですかね。「両片思い」とかどうでしょうか。い、いえ、私が単に好きなんですよね、これ(笑)「普段の何気ない一言に敏感になっちゃう」とか。うわ、いいね。体験したことないけど。まとめて、「章2プロット」にします。
最後に、「その人にしかない過去の思い出」を並べてみましょう。「幼稚園の思い出」「小学校の思い出」。主人公が高校生なら、「中学校の思い出」もよさそうです。
あるいは、現在進行形で思い出を作っておいて、年を経て思い出す――形式でもいいかもしれません。その場合は「章4プロット」に「ついに結婚」あるいは「幼馴染が別の人間と結婚」も付け加えてもいいでしょう。ここでも、大プロットの「その人にしかない過去の思い出」が効いてきます。ああ、昔、ああやって遊んでいた彼も、今は別の女の夫なのか――アアアアアア! 嫌だ! 幸せになって! 私の代わりに!

――冗談は置いておいて、大まかな章プロットが完成したら、昨日の記事の要領で、また「なぜ起こったか」を掘り下げることで、中プロットを作っていくというわけですね。長編もこれで完璧です。

「先に用意する、プロットの書き方」は以上になります――が。「先に用意する」が限定詞でくっついていることに注意してください。
プロットは、書いている途中にどんどん書き変わっていくものです。なので、これで決定――というわけにはいかないんですね。
ただ、先にも言ったように、「極大プロット」と「大プロット」だけは、余り変えない方がいいです。特に「極大プロット」だけはダメです。パソコンに付箋で貼っておくといいかもです。アナログで。これを変えたら、作品が崩壊します。「は? 君何が書きたかったの?」って言われかねません。途中で、「やっぱり幼馴染より、転校生とくっつける!」と宣言するようなものです。地雷です!

逆に、「中プロット」はどんどん変えちゃっていいと思います。ただ、変える場合は、再三注意しますが、「極大プロット」と「大プロット」から逸脱しないかを確認することです。深呼吸してください。もし、キャラクターが勝手に動いて、「大プロット」と齟齬をきたすようであれば、プロットではなく、キャラクターが間違っています。はい。キャラクターが間違っています!
私の場合で例えれば、主人公女が全然妄想パートに突入しない場合です。中プロットだし、「妄想」を変えるか――と考えます。
ですが、実は私の作品では「妄想」は大切な武器でした。というのも、大プロットの「その人にしかない過去の思い出」を語る必要があったからです。
物陰から、その人との大事な思い出を語り、それが、「幼馴染性」を演出する大事な作業の一つなわけですね。
つまり、「妄想」は大プロットに絶対不可欠なんです。これを変えたら、他の部分で思い出を語らなきゃいけない。はい。キャラクターが間違っています! というわけで、キャラクターに無理やり妄想を語らせなきゃだめだ! 頭を叩け、尻を叩け! 小鳥よ鳴け! カラスよ彼女をつつけ! 隕石を落とせ! 何が何でもキャラクターに妄想をさせるんだ!!

――とまあ、こんな感じですかね。
もう一回まとめると、「極大プロット」は絶対に変えない。「大プロット」も極力変えない。「中プロット」は変えてもいいけど、「極大プロット」「大プロット」を一回見て深呼吸する。これが大事です。

で、後、作品を書き始めるときに重要になるのが、「世界観の設定」と「キャラクター設定」があります――が。
実は今回の作品は、全く決めていません。というのも、舞台は現代、キャラクターはほとんど無個性です。正直、4000字程度の短篇ならいらないですね。キャラクター一つ一つの動作や発言が個性そのものになるからです。
私の作品を読んでもらった感想の一つに、「主人公の妄想逞しい感じが良かった」とありましたが、そうです、「妄想」という「中プロット」の存在自体が、キャラクターの個性になるんです。簡単に言えば、「性格」は事後的に決まる。

ですが、二次創作をよく作っている方は実感として分かると思いますが、「世界観の設定」や「キャラクター設定」を作品に活かさなければならないときがあります。
また、「こういうキャラクターが書きたいんだ!」って思うときもあるでしょう。私もあります。今やっている「ソクラテス女子の日常」は、キャラクター性を前面に出した小説ですが、もう楽しくって仕方がない。

で、酷なことを言いますが、「キャラクターシート」はお勧めしません。我々、妄想逞しい作家さんは、実は「キャラシ」を作るその時々に、勝手にプロットを作っちゃうんですよ。こういうプロフィールなら、こう動くだろうとか。あのシチュエーションならどうだ、とか。
これがね、本編のプロットと衝突して死ぬわけです。ですから、どうしても「キャラシ」を書きたいのであれば、本編のプロットをもう動かさなくてもいいというときか、「世界観が最強に固まっている」ときかにしましょう。ラヴクラフトになるってわけです。自分で世界を作り上げ終わったそのときに、キャラクターシートは解放される。

(それでも、キャラクター紹介を書きたいときには、Wikipediaみたいに、「書かれた事実」をまとめるだけ――にするとよいかと思います。「現時点でのこの子」みたいな。
あるいは、「うちよそ交流」したい場合は、もう、本編のストーリーは諦めて、スピンオフみたいなものをたくさん作ればいいと思います。それか――めちゃくちゃ勉強して、プロットなんかなくても十万字くらい書けるようになるレベルになるかですね。いずれにしても、かなりの筆力が必要になると思います)

で、じゃあ、個性あるキャラクターを作りたいと思ったときは(これは私もソクラテス女子の日常でやっていることですが)、大プロットの中に盛り込んでしまうんです。
今回の短篇であれば、大プロットに、「妄想で男の子を振り回しちゃう幼馴染女子」とか入れちゃってもいいかもしれません。本編のプロットに、キャラクターの個性を入れることで、あら不思議、個性的なキャラクターがすんなり書けちゃうというわけです!
世界観のやり方もほとんど一緒です。「幼馴染の良さを伝えたい」という極大プロットから大プロットを作るとき、「どこに行ってもその人への愛は変わらない」とか付け加えちゃえば、中プロットや章プロットを作るときに、「宇宙世紀00XX年」とか入れちゃえば、終わりです。あるいは、「離れ離れになる、絶対解けない魔法」とか。これで、世界観はおのずと決まってくるでしょう。解けない魔法があるなら、解ける魔法もあるな? 宇宙世紀なら、その人にしか運転できないモビルスーツを開発しちゃう、とか?(笑)
――短篇じゃ無理だわ……(笑)三万字は欲しいな――とか。

(※もちろん、プロットを作らず、最初からストーリーを破壊して、SFにすれば余裕で作れます。もはや、詩ですね)

さて、今回は、プロットにまつわる話を、全体的に説明できたと思います。
「極大プロット」は絶対に変えない。「大プロット」も極力変えない。「中プロット」は変えてもいいけど、「極大プロット」「大プロット」を一回見て深呼吸する。――もう一回書いておきました。ホント大事です。

(ここで書いたことは、全て「オススメ」レベルです――と注釈しておきます)

では、また次回!
今度は、具体的に作品をどうやって書き始めるかについて書いていきますよ!

落葉しおり

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